民明書房
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 14:24 UTC 版)
民明書房(みんめいしょぼう)とは、作品中にたびたびその名が登場する、架空の出版社。 1926年(大正15年 - 昭和元年)創業。所在地は東京神田神保町。社名は、中国の武術に関する本を出版した創業者大河内民明丸(おおこうち みんめいまる、1904年 - )の名に由来する。創業当初は経営不振に陥っていたが、中国拳法を使う老人・神拳寺師範の韓友諒(かん ゆうりょう)と出会い、神拳寺で韓から中国拳法界の通行手形をもらい、中国や周辺各地の格闘技類を取材して武術書「世界の怪拳・奇拳」を刊行、話題を集めて立ち直った。 この民明書房の刊行物を引用するといった体裁で、作中で過去の偉人たちの逸話や登場人物が用いる武術、荒唐無稽な決闘方法、男塾内での常軌を逸した荒行などを解説して、ある種のリアリティを持たせている。宮下によれば昔の忍者漫画で技に科学的な解説がなされていたことに発想を得たアイディアだという。そのほかに太公望書林や英学館、時源出版、曙蓬莱新聞社、ミュンヒハウゼン出版といった他社の出版物が引用されていることもある。 民明書房の解説は全てフィクションであるが、作者が「ウソか本当か微妙な境目がミソ」と語るように、もっともらしいエピソードや用語などが多く、読者層の少年たちを中心に本の内容を信じたり、実際に民明書房の書籍を探し回る人が続出した。作者によると「ゴルフの起源は中国であるという説が支配的」とした民明書房の解説に、「ゴルフの起源はイギリスです」と抗議の電話をかけてくる大人の読者もいたという。また宮下はこれらを基にした技の名前に当て字をする際、漢和辞典を調べて難しい字を使用したことから、別の漢字の部首を組み合わせて表現する「作字」という作業が多く必要になり、写植屋を非常に苦労させたという。 続編の『曉!!男塾 青年よ、大死を抱け』や『天下無双 江田島平八伝』では民明書房創業者の大河内民明丸が登場するなど、あくまで作中の出版社であることが演出されている。また、民明書房主催の漫画賞「民明漫画賞」と称して自らの作品を受賞させる。なお、同作者の別作品『私立極道高校2011』の作中には「新民明書房刊」なる新たな出版形態も登場する。 民明書房風の演出は他の漫画家も用いており、同じ『週刊少年ジャンプ』で連載していた荒木飛呂彦は『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』の作中に、民明書房が刊行した設定の旅行ガイド「旅行するなら日本のここベスト100」を登場させている。 作中において民明書房刊行の書籍から「引用」された文献は『民明書房大全』(ISBN 4-08-859469-X)として、実際の本(実在する企業である集英社の刊行物)にまとまっている。このムックは劇中に登場する設定をまとめたものだけでなく、同書房の生い立ち・関連人物紹介・社歌など、あたかも同書房が実在するかのように構成されている。
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