柊の花言葉
柊花言葉の由来
#葉の形状からつけられた説柊の若い葉は縁の部分が鋭いとげの状態になっている。とげの部分は非常に固く、触ると鬼でも怪我をすると言われていた。そのため、日本では古くから魔除けの飾りとして重宝されていたが、この風習が「用心深さ」の花言葉の由来になったとされている。また、柊の花は甘い香りがするが、その香りに誘われて近づくと葉の鋭いとげで痛い目に遭ってしまうことも花言葉が生まれた理由と言われている。魔除けになるという理由に基づく花言葉には「保護」「あなたを守る」などがある。柊の葉は成長するととげの部分が無くなり、丸みを帯びた形状になる。葉の形状が変化する様から「先見の明」の花言葉が用いられるようになった説がある。
#開花時期から来ている説
柊は「木」と「冬」を組み合わせた文字だが、その文字の通り、冬に開花する植物である。他の植物は花や葉を落とす季節に花を咲かせる柊は特別な力があると信じられていた。敢えて厳しい環境である冬の時期に花を咲かせるのは他の植物との競争を避けたためと見なされ、その点から先見の明があると解釈されたのである。他の植物と競争する必要が無いのでのびのびと成長することができる点に神秘性が見いだされ、魔除けのシンボルとして珍重されるようになった。
#花の香りから来ている説
柊の花から発せられる香りは強い甘みがあり、多くの虫を引き寄せる効果がある。人にとっても心地良い香りであることから誰でも受け入れる意味を持つ「歓迎」の花言葉が用いられるようになった。「保護」の花言葉も心が安らぐ香りから来ている。
#実用品として重宝されたことに由来する説
柊の幹は非常に固く、建材や大工道具など様々な物に加工されていた。特に職人が用いる工具の柄は柊の幹が手に馴染み長持ちする高級品として高く評価されていた。この点が「剛直」の花言葉の由来になったとされている。また、葉の形状から「鬼の目突き」の別名もある柊は武士に相応しいとされていた。戦いを仕事とする武士にとって己を律する厳しい生き方こそが至高とされ、その生き方を象徴するのが柊だったのである。質実剛健な生き方を是とする武士の心意気から「剛直」の花言葉が生まれたという説がある。
#「護衛」の花言葉を受け身の姿勢で解釈した説
セイヨウヒイラギには「私を守ってください」という花言葉がある。セイヨウヒイラギの葉は日本の柊とよく似た、鋭いとげを持つ形状である。そのため、セイヨウヒイラギにも「護衛」「保護」などの花言葉があるが、「護衛」の花言葉を受け身で解釈したのが「私を守ってください」である。護衛する人がセイヨウヒイラギを贈ると「護衛する」、転じて「あなたを守る」という意味になる。逆に護衛される人がセイヨウヒイラギを贈った際は「護衛される」、すなわち「私を守ってください」の花言葉が当てはまる。
柊の英語の花言葉
柊の英語の花言葉は「defense(防衛、防御)」「domestic happiness(家庭の幸せ)」などがある。西洋での柊は異なる品種であるセイヨウヒイラギのことであるが、葉の形状が柊と同様に鋭いとげになっている。その点から大切な人や財産を守るためのお守りとして用いられるようになり、「防御、防衛」の花言葉が生まれた。日本と同様に魔除けの効果があるとされ、セイヨウヒイラギの葉で人に悪さをする魔物を追い払った民話も各地で伝わっている。花の甘い香りで魔物をおびき寄せ、葉の鋭いとげで痛い目に遭わせて退散させる大筋は各地の民話に共通している点だ。常緑樹のセイヨウヒイラギは真冬でも瑞々しい緑色を保っているため、神秘的な力を持っていると信じられていた。これらの点から「防御、防衛」の花言葉が用いられるようになったとされている。「家庭の幸せ」もセイヨウヒイラギの葉をお守りとして用いる風習から来ているが、クリスマスの装飾品に使われていたことも大きな理由である。西洋ではクリスマスになるとセイヨウヒイラギの葉と赤い実を使った装飾品を使う。普段は家族同士で顔を合わせる暇もないほどに忙しい人も、クリスマスの日は家族全員が揃ってお祝いをする習わしがあった。そこから「家庭の幸せ」の花言葉が用いられるようになった説がある。一年を通して枯れず、緑色の葉を保ち続けるセイヨウヒイラギの葉は永遠の幸せを意味するシンボルとして扱われることもある。
家庭の幸せは絶えず続いてほしいという願望が「家庭の幸せ」の花言葉になったとも解釈できる。
柊色別の花言葉の解説
柊が咲かせる花は白色だけなので、色別の花言葉は存在しない。柊は黒や濃い灰色、セイヨウヒイラギは赤い実をつけるが、花言葉とは関係が無い。また、一年を通して瑞々しい緑色を保つ葉に永続性や不老不死を見い出す向きもあるが、そのような意味を持つ花言葉は使われていない。柊本数別の花言葉の解説
柊には本数による固有の花言葉が存在しない。魔除けとして飾る際は鋭いとげを持つ葉を使うのが普通であり、花は観賞用に用いる程度である。柊の花は鮮やかな白色だが小ぶりなので花束に用いられるのは非常に稀である。甘い香りは心地良いが、花が多いとむせかえる感じがするのも花束に使われない理由である。花束にする際は種類を問わず、本数ごとに用いられる一般的な花言葉が当てはまる。50本以上の大きな花束は愛の告白に用いるのが普通で、「あなたを永遠に愛します」などの花言葉になる。10本ほどの小さな花束は「あなたを敬愛します」「あなたを忘れません」などの花言葉があり、目上の人への感謝の気持ちや故人を偲ぶのに適している。16本の花束は「不安な愛」、17本になると「絶望の愛」とネガティブな意味になる。また、15本は「謝罪」の意味があるので、お詫びの気持ちを示す場合は15本の花束が適していると言える。一方で本数や花言葉にこだわらず、花の美しさで気持ちを表現するケースも少なくない。柊の小ぶりで小さい花は可愛らしい見た目なので、美しさを称える意味で花束にすることがある。
柊の怖い花言葉
柊は鋭いとげのある葉が特徴であり、古くから魔除けとして使われていた。そのため、怖いイメージもあるがネガティブな意味の花言葉はつけられていない。逆に、災難から身を守ったり、家族の幸せを願う意味の花言葉がつけられている。「用心深さ」の花言葉は甘い香りを出す花と怪我をするほどの鋭いとげを持つ葉の組み合わせが人を油断させるイメージから来ているが、一方で花の香りに騙されてはいけないという戒めの意味も込められている。そのため、「用心深さ」にもネガティブな意味は無いと言える。縁がとげになっている葉の形状から暴力的なイメージのある柊だが、咲かせる花は小ぶりで白く、儚さを感じさせる。そのギャップから人を惑わす魔性の花と解釈されることがある。しかし花言葉には人を惑わす意味が存在しないので、見た目のイメージによる解釈の違いと言える。柊の葉には魔除けの効果があると信じられていたことから、魔物を追い払う力は人にも作用すると誤解された説がある。柊の葉は若い頃は鋭いとげを持っているが成長に伴いとげが小さくなり、遂にはすっかり無くなって丸みを帯びた形状になる。この特徴から大切な物を失うネガティブな意味を持っていると解釈されることがあるものの、形状の変化をポジティブに捉えた花言葉の「先見の明」が一般に広く知られている。柊に対するネガティブな意味の解釈は、実際、なかばこじつけに近いといえる。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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