昆虫以外の節足動物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 07:00 UTC 版)
「日本の侵略的外来種ワースト100」の記事における「昆虫以外の節足動物」の解説
5種選定。ザリガニ2種・カニ1種・クモ1種・ダニ2種のうち草食ダニのトマトサビダニを取り上げ、肉食ダニのミツバチヘギイタダニは「寄生生物」の項目に計上される。 和名・学名位置付出自・原産地→侵入地被害の現状画像アメリカザリガニProcambarus clarkii要注意外来生物 北アメリカ→日本列島・沖縄 淡水性ザリガニ。1927年に食用蛙の餌として輸入したが、食用蛙養殖の破綻とともに全国に拡散した。本土のみならず沖縄にも定着している。ニホンザリガニを駆逐し、国内では最もありふれたザリガニとなっている。ニホンザリガニよりも巨大なため、捕食される魚類も被害が大きい。色の変化に富み、変色個体はペットとしても高い人気を保っているため、逸出の危険は高い。 ウチダザリガニPacifastacus leniusculus特定外来生物 北アメリカ→北海道・裏磐梯・長野県・利根川 淡水性ザリガニ。1926年より農水省が食用としてコロンビア川産の個体を輸入し、淡海湖に放流した。摩周湖・阿寒湖と釧路川・支笏湖・天塩川・桧原湖など裏磐梯・淡海湖に分布し、利根川水系でも発見されている。原産地と同じく冷水域で成長し、汽水域でも生存できる。アメリカザリガニ以上に獰猛で、魚類の食害は激しい。阿寒湖の個体はマリモの食害が問題視される。 セアカゴケグモLatrodectus hasselti特定外来生物 オーストラリア周辺→近畿・東海を中心に全国各地に分散 造網性クモ。1995年に関西国際空港周辺で発見されたことを契機に全国で調査され、近畿・東海を中心に各地で発見された。性格は温厚で、脅威に対してはまず擬死でやり過ごし、刺咬は追い詰められた場合の最後の手段である。雄は弱毒だが、雌は強力な神経毒を持ち、数日にわたる痛みや腫れを起こす。重症だと数週間の全身症状、乳幼児なら死に至る場合はある。 チチュウカイミドリガニCarcinus aestuarii要注意外来生物 地中海→関東以西の内湾 海産カニ。1984年に東京湾で確認された。以後、大阪湾・洞海湾・伊勢湾・浜名湖でも発見されている。バラスト水への混入が原因と考えられる。ワタリガニ科でありながら、第五脚が遊泳脚ではなく歩脚になっているのが特徴。日本での被害は確認されていないが、アメリカでは競合するカニの減少や、巻貝が防御のために殻を厚くする傾向が観測された。 トマトサビダニAculops lycopersici 亜熱帯→中部日本 亜熱帯原産。1986年に沖縄のハウストマトで確認された。本土上陸は1991年で、1999年までに東海から関東・甲信越に列島を横断しながら広まった。ナス科植物の輸入苗に付着していたとされる。高温を好むため、露地では越冬できないが、ハウスでは増殖する。トマトを中心に葉裏に付着して吸汁し、落葉に至らしめる。果実を吸汁すると変色や亀裂を発生させ、商品価値を大きく損ねる。
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