全身を保存
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 23:49 UTC 版)
最も簡単な場合は、単に陰干しで標本を作る。コケ類、地衣類、比較的丈夫なキノコ類などに適用される。これらはしっかりとした細胞壁があるので、形を崩さずに標本になるし、細部は縮んでしまうが水に戻すと形態がほぼ復活する。 高等植物は形を残すために紙の間に挟んで伸ばして乾燥させる。いわゆる押し花(押し葉)であるが、専門的には押し葉標本と呼ばれる。海藻などの大型藻類も、ほぼ同様に標本にするが、縮みやすいために特に吸い取り紙を置き、強く圧力をかける。 昆虫も外骨格が発達しているから乾燥標本が作れる。殺虫剤で殺し、足を広げて乾燥させる。詳しくは昆虫採集の項を参照。ただし、昆虫以外の節足動物は、ほとんどが液浸標本を標準としている。 特殊な例では、カビ類にこれを用いる例がある。ペトリ皿に寒天培地を入れて培養したものを、そのまま乾燥させて保存するものである。
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