エクジソンとは? わかりやすく解説

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エクジソン【ecdysone】

読み方:えくじそん

昆虫甲殻類脱皮変態引き起こすホルモン昆虫では前胸腺ホルモンともいう。変態ホルモン


エクジソン

分子式C27H44O6
その他の名称α-エクジソン、α-EcdysoneEcdysone、(22R)-2β,3β,14,22,25-Pentahydroxy-5β-cholest-7-en-6-one、エクダイソン、エクジソン
体系名:(22R)-2β,3β,14α,22,25-ペンタヒドロキシ-5β-コレスタ-7-エン-6-オン、(22R)-2β,3β,14,22,25-ペンタヒドロキシ-5β-コレスタ-7-エン-6-オン


エクジソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/28 06:20 UTC 版)

エクジソン
識別情報
CAS登録番号 3604-87-3
PubChem 19212
特性
化学式 C27H44O6
モル質量 464.63 g/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

エクジソンEcdysone; エクダイソン)は、昆虫ホルモンの一種[1][2]

前胸腺から分泌されるステロイドホルモンで、脱皮(ecdysis)または変態を促進する作用があり、脱皮ホルモン(Molting hormone)とも呼ばれる。

Ecdysone の構造式。下は立体表示

概要

エクジソンはホルモン前駆体であり、末梢の組織で20-ヒドロキシエクジソン(20E)に代謝されることで機能を発揮する。

これらの類似構造を持つホルモンを総称してエクジステロイド(ecdysteroid)とも呼ぶ。これらは植物にも存在し、植物エクジソンと呼ぶ。

昆虫以外の節足動物にも存在し同様の機能を有する。甲殻類ではY器官から分泌される。

哺乳類のステロイドホルモンよりも水酸基が多いため、水溶性が高い。合成過程や作用機序には、哺乳類のステロイドホルモンとの類似点もあれば、相違点もある[3]

歴史

脚注

  1. ^ 竹井祥郎、溝口明『多様性の内分泌学: ホルモンの統合的理解のために』丸善出版、2021年11月1日。 
  2. ^ 園部治之、長澤寛道 編『脱皮と変態の生物学: 昆虫と甲殻類のホルモン作用の謎を追う』東海大学、2011年5月1日。 
  3. ^ Okamoto, Naoki; Fujinaga, Daiki; Yamanaka, Naoki (2023) (英語), Steroid hormone signaling: What we can learn from insect models, 123, Elsevier, pp. 525–554, doi:10.1016/bs.vh.2022.12.006, ISBN 978-0-443-13455-5, https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0083672922000966 2024年7月27日閲覧。 
  4. ^ 学士院記事 16巻8号
  5. ^ 西尾敏彦 編『昭和農業技術史への証言 第10集 (人間選書 274) 第3話 農芸化学の研究生活回顧―生物活性物質の研究者からサポーターへ 鈴木昭憲述』農山漁村文化協会、2012年12月1日、139-196頁https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I024104225 

関連項目



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