日本列島以外の地域にある神社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 13:45 UTC 版)
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「国家神道#外地の神社造営」、「台湾の神社」、「アメリカ合衆国の神社一覧」、「Category:外地の神社」、および「Category:日本国外の神社」も参照 日本列島以外の地域には2008年の時点で少なくとも 26 の神社が存在する。太平洋戦争前には多数の神社が存在したが、戦後は激減した。かつて日本であった旧外地には国の政策によって内地と同様に多数の神社が造営された。また日本の占領地や満州国などにも造営、あるいは造営の準備が行われた。しかし、太平洋戦争後は全て廃絶となり、現在でもごく一部が再建されたにとどまっている。かつて日本では無かった地域の場合、移民政策により日系移民が多数在住した土地では、現地に住む移民のために多数の神社が創建された。他にも、神道の布教のために創建された神社もあった。しかし、連合国側の神社は太平洋戦争中に資産が没収され、太平洋戦争後も復興できなかった神社が多数存在した。その後、日本文化が国外に浸透したことで、近年になって新たに建立された神社もある。 旧外地においては、台湾では鹿野神社(龍田崑慈堂(中国語版)内)、林田神社(中国語版)、玉里社など、いくつかの神社が近年、歴史的な遺物としての価値や観光資源としての価値を認められ復興された。また、台中神社の鳥居を復活させようという動きもある。だが、これらはあくまでも文化遺産としての復興であり、信仰対象としての再建ではない。しかしながら、2015年には初めて、正式な神職が奉祀する宗教施設として、かつての村の神であった高士祠が高士神社として再建された。また、旧南洋群島においては、パラオでは南洋神社、ペリリュー神社が、アメリカ合衆国北マリアナ諸島サイパン島では彩帆香取神社や彩帆八幡神社が近年になって再建された。 日系移民が多く住む土地では、特にアメリカ合衆国ハワイ州には多数の神社が作られ、オアフ島にハワイ出雲大社やハワイ大神宮、ハワイ石鎚神社、ハワイ金刀比羅神社・ハワイ太宰府天満宮、若宮稲荷神社、ハワイ島にはヒロ大神宮、マウイ島にはマウイ神社などが現存する。これらには、戦後復興できなかったり、存続が困難になった神社が多数合祀されている。また、ブラジルでは当初、東京植民地神社やボーグレ神社などが存在したが、基本的には日本人小学校兼集会場の御真影が御神体の機能を果たしたため、神社はあまり作られなかった。これらの神社は植民地の消滅とともになくなってしまったが、その後、神乃家厳戸神社ブラジル大神宮、南米神宮、ブラジル熊野神社、ブラジル石鎚神社(スザノ石鎚神社遙拝所)、太平山三吉神社、パウリスタ神社、パラナ州開拓神社、伯国開拓大神宮(ブラジル大神宮)など、神職が奉祀する神社が創建されている。近年では南米大神宮など、神社ではなく鳥居だけが日系移民街を象徴する建造物として建てられるケースも増えている。 神道の布教のために創建された神社としては、アメリカ合衆国本土には戦前に北米大神宮本院、米国神道協会、明治神宮会、羅府稲荷神社、出雲大社教北米協会が存在したが、戦後は復興しなかった。その後、1987年になってアメリカ椿大神社が創建し、神職の資格を得たアメリカ人が禰宜を務めている。オランダには1981年にヨーロッパ初の神社として古神道の一派である山蔭神道の日蘭親善協会斎宮が創建され、オランダ人の宮司が奉祀している。フランスには三重県の水屋神社の分祠として、真言宗寺院である光明院の境内にフランス和光神社がフランス初の神社として2006年に創建されている。こちらは通常、光明院のフランス人の住職が祭祀を務める神宮寺の形をとっている。サンマリノには、神社本庁が公認するヨーロッパ初の神社として、2014年にサンマリノ神社が創建されている。神職は地元のサンマリノ人であるホテルのオーナーで、山形県の湯殿山神社で修行し、資格を取得している。
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