日本での見え方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 05:20 UTC 版)
「2012年5月20日の日食」の記事における「日本での見え方」の解説
金環日食の中心食帯が日本列島の南側を通過し、九州地方南部、四国地方南部、近畿地方中・南部、中部地方南部、関東地方では金環日食の、また中心食帯の外側の日本列島の全域では部分日食の観測可能域となった。 日本気象協会ではJWA10日間予報を用いて作成した日食当日の朝における日本各地の天気予報が分かる予想天気マップを5月11日より20日まで毎日公開した。多数の自治体・報道機関がよそ見などで事故を起こしたり目を痛めることのないよう注意を呼びかけたほか、登校時間をずらす小学校もあった。 当日は日本の広い範囲で曇りとなるとの天気予報が出ていたが、東京では雲の合間から金環日食が観測されるなど、多くの地点で金環日食や部分日食が観測された。 この金環日食に伴い、日本では太陽観測用グラス(日食グラス)が爆発的に売れ、ビクセン製品は200万個を出荷、ケンコー・トキナー製品のキャラクター付きグラスは100万個を販売した。皆既日食と違い、金環日食では強い光を放つ太陽の光球がじかに見えるため裸眼での観測はもちろん、煤でいぶしたガラスやサングラス等でも目に危険で、この金環日食を観察した人の中には目に異常を訴えるものも現われ、1000人ほどが眼科を受診し、その内の一部で目に異常が継続している。日食網膜症に罹患した可能性も指摘されている。また、金環日食の最中に男児が3階の窓から転落する事故が発生しており、この男児は金環日食を見ていて誤って転落した可能性がある。 金環日食が見られた主な地点(都道府県庁所在地)は下記のとおり(いずれも時刻はJST)。 日本で金環日食の見られた主な地点地名食のはじめ金環日食のはじめ食の最大時刻最大食分金環日食の終わり中心食継続時間食の終わり東京 6時19分05秒 7時32分02秒 7時34分32秒 0.968 7時37分02秒 5分00秒 9時02分37秒 静岡 6時17分43秒 7時29分44秒 7時32分13秒 0.969 7時34分42秒 4分58秒 8時59分10秒 京都 6時17分41秒 7時30分00秒 7時30分35秒 0.940 7時31分09秒 1分09秒 8時55分17秒 高知 6時15分24秒 7時25分11秒 7時26分46秒 0.946 7時28分21秒 3分10秒 8時49分35秒 鹿児島 6時12分49秒 7時20分05秒 7時22分11秒 0.954 7時24分17秒 4分12秒 8時42分26秒 ※時間・食分については、資料により多少異なるものもある。 金環日食が観測されたのは、東京(島嶼部を除く)では173年ぶり、大阪では282年ぶり、名古屋では932年ぶりとなった。なお、日本国内において見られる次回の金環日食は北海道で2030年6月1日(土曜日)の夕方となる。
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