新クラヴサン組曲集 第1番とは? わかりやすく解説

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ラモー:新クラヴサン組曲集 第1番(第4組曲)

英語表記/番号出版情報
ラモー:新クラヴサン組曲集 第1番(第4組曲)Nouvelles suites de pièces de clavecin作曲年1728刊年  初版出版地/出版社Paris 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 アルマンド "Allemande"7分00 No Image
2 クラント "Courante"3分00 No Image
3 サラバンド  "Sarabande"3分00 No Image
4 3つの手 "Les trois mains"2分30秒 No Image
5 小さなファンファーレ "Fanfarinette"1分40 No Image
6 凱旋 "La triomphante"2分00 No Image
7 ガヴォット6つの変奏 "Gavotte et 6 doubles"1000 No Image

作品解説

2008年4月 執筆者: 朝山 奈津子

 ラモーはこの作品収めた曲集を「組曲集」とはっきり名付けたが、その内容は、伝統的な舞曲表題小品取り混ぜ新しい形示している。特に第2番舞曲をほとんど含まずさながらF. クープランオルドル思わせる
 第1番(第4組曲)はアルマンドクーラントサラバンド最初に置き、伝統的な構成片鱗をみせる。が、これには3つの表題付き小品がつづき、最後にガヴォット6つの変奏という、変則的な配列である。調はイ短調イ長調統一されている。
 アルマンド緩やかな3声。たたみかけるような旋律綴られる。音域は両の手渡り前半後半それぞれの最後にトッカータ風の流麗なパッセージワークも現れるが、比較的厚みのあるテクスチュア連綿と続く順次進行の音型によって、重み落ち着き湛えた冒頭楽章となっている。
 クラントは4分の6拍子という、フランスタイプとしては少し変わった拍子を持つ。通常フランスクラントは2分の3で書かれ舞踊としては荘重きわめて遅い。ルイ14世時代には宮廷舞踏会において王自身も踊る格調高い曲種と見なされていた。ラモーのこの曲は倍速書かれているだけあって軽快ダイナミックなアルペジオ効果的に用いられている。が、イタリアタイプの走り回るような俊敏なコッレンテであるとはいえない。緩やかな対位法書法頻繁に(ほぼ4小節ごと)現れるヘミオラなどに、フランスタイプの典型みられる
 サラバンドでは、それまでイ短調緊張感から解放され暖かみ明澄さを湛えたイ長調へ移る。和声的だが、前打音付点の音型によって陰影豊かな表現力をみせる。また中間部では山形アルペジオによるパッセージワークが美しい。この部分3度関係による和声推移秀逸である。
 続く3曲は表題をもつ。それまで舞曲品格ある雰囲気一転し、自由かつ軽妙に展開する対位法的な声部書法はほとんど放棄され和声リズムの遅い、右と左の手役割分担明確な音楽になる。
 〈3つの手〉は、音域急激な交代主眼とする曲である。後半左手右手越えて高音域の音型を担ったり、右手バス譜表音域にまで到達したり、その後一気に4オクターヴ駆け上がったりと、タイトル通りユーモラスな内容を持つ。
 〈小さなファンファーレ〉は、冒頭和音単純な5度1度交代にその表題の意味をよく表している。しかし重厚な和音長く続かず高音域でしばしばテクスチュア薄くなるため、曲全体荘重さや輝かしさよりもむしろ、軽快さと愛らしさ満たされる
 〈凱旋〉は各セクション冒頭のみ模倣的に始まる。ダル・セーニョによって、2つクプレをもつロンド形式になる。第2クプレはいきなり平行短調の fis-moll で開始し、摸続進行減七和音現れるなど、大胆に展開する
 組曲最後に置かれガヴォット6つの変奏は、ガヴォットバス定型主題として6とおりに変奏するもの。タイプとしては、バッハゴルトベルク変奏曲》と同様である。しかし、ここに現れる6つ楽章は、分散和音動機連続するだけの旋律に、単純な和音伴奏として打ち鳴らすような、きわめて単調な内容終始している。音楽的にバッハ30変奏にとうてい比肩するものではない。また、和声進行凡庸で、6回の変奏はやや退屈にも聞こえる。ただし、素早いパッセージワークは指の練習としては効果的であろう




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