マガダ【Magadha】
摩伽陀(マガダ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 02:32 UTC 版)
アルジュナ(中国語版) 作中では「阿祖那」と漢字表記される。バラモン階級出身で、バラモン教神官団の支援を受けている元・ティーラプクテイ王。本人の弁では、ハルシャ・ヴァルダナ王逝去後に玉座、領土、財宝を受け継いだとのことだが、実質的には簒奪。ハルシャ王時代の旧主流派を弾圧しているが、自分の手を汚すことは恐れており、唐からの使節も穏便に送り返せばよいものを殺すでもなく投獄するにとどめる。脱走した玄策が手配したネパール・チベット連合軍に敗れる。最終的には妻子共々唐に連行され、長安で生涯を終えた。 漫画版では名を聞いた玄策が「阿羅那順」と訳していた。 那羅延娑婆寐(ナーラーヤナ・スヴァーミン) 200歳を自称する老バラモン。玄策たちが入れられた牢に後から入れられてきた胡散臭いジジイで、バラモン神官団に讒訴されたというが、牢番に贋金を渡して融通を利かせたり奇術で相手を騙すなどかなりのナマグサ。達磨の師匠を自認する(達磨は仏教僧なので破門したとのこと)。経典を否定し、玄奘三蔵をただの収集家と評したため、彼岸とは仲が悪い。 天竺を出て、中華の地に赴く願望があり、玄策と師仁が牢を脱する際に自身が万が一に備えて用意していた抜け穴を提供する。その後、元々微罪だったこともあって半月ほどで釈放されるが、どうやったのか王城に潜り込んでアルジュナの前に引き出された玄廓を保護した。唐に渡ってからは長生の秘薬を種に庇護を得るが、太宗の存命中には間に合わず、跡を継いだ高宗皇帝にはまともに相手にされなかった。10年経っても矍鑠としているが、まったく漢語を覚えようとしなかったため、登城する際には玄策が付き合わされている。 漫画版では玄策たちより先に牢に入れられていた。多少怪しいが漢語を操る。玄廓を保護した際、一見して分からないレベルの変装をしていたほか、アルダナリーシュバラに幻力(マーヤー)による妨害をした際には「第3の目」が開いていた。10年後には三蔵のもとを訪れては遠慮のない喧嘩をする関係となっている(義岸いわく「師父がムキになる相手はあの方くらい」)。 ヤスミナ 故ハルシャ・ヴァルダナ王の妹・ラージャシュリーに仕える女性。玄策と師仁が曲女城を脱出する際には案内した。10年後、玄策が三度目の修好使節として訪れた際には追放されたアルジュナに代わってマガダ国王となったチーバシーナ王(地婆西那)の后となっていた。 漫画版では配下の子供たちを使って陽動しており、子供たちのデザインは伊藤がコミカライズをした作品「荒野に獣慟哭す」の独覚兵12神将だった。 王太子 / 義岸 アルジュナの息子。両親に似ず聡明で、王位を返上し祖国であるティーラプクティに帰ることを勧める。玄策によって捕らえられた両親共々、唐に連行される。後に仏門に入り、玄奘三蔵の弟子となった。出家してからは語学に精通し、梵語の漢訳のみならず漢語の梵訳を行っている。 漫画版では「ヴィマル(意味は「純粋」)」と呼ばれていて、両親からは愛情を受けて育っていたが、母親はアルダナリーシュバラに篭絡されていることからアルジュナの実子であるかも疑問を持たれる。
※この「摩伽陀(マガダ)」の解説は、「天竺熱風録」の解説の一部です。
「摩伽陀(マガダ)」を含む「天竺熱風録」の記事については、「天竺熱風録」の概要を参照ください。
- 摩伽陀のページへのリンク