戦中・戦後 - サルトル & ボーヴォワール 実存主義の拠点とは? わかりやすく解説

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戦中・戦後 - サルトル & ボーヴォワール 実存主義の拠点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 01:54 UTC 版)

カフェ・ド・フロール」の記事における「戦中・戦後 - サルトル & ボーヴォワール 実存主義の拠点」の解説

第二次世界大戦勃発した1939年、ポール・ブーバル (1908-1988) がカフェ・ド・フロール買い取ったパリ各区舞台にした連作新編パリの秘密』を発表したレオ・マレ(フランス語版)の第4作サン=ジェルマン=デ=プレの夜』(邦題サンジェルマン殺人狂騒曲』)に同店の主人として描かれる人物である。ブーバルは中南部アヴェロン県オクシタニー地域圏)のサン=トゥラリードルトフランス語版出身両親のもとにパリ8区生まれカフェ・ド・フロール買収前の1922年に同区にキャバレー「ブフ・シュル・ル・トワ(フランス語版)(屋根の上の牡牛)」を開店していた。店主カフェ中央大きな石炭ストーブ設置した物資不足し、すべて配給制であった戦時下で、ストーブのあるカフェ多く作家訪れ何時間でも執筆し続けたこの頃最初に常連となったのはシモーヌ・ド・ボーヴォワールであった。彼女は当時処女作招かれた女』を執筆しており、1943年ガリマール社から出版した1941年に、兵役服し捕虜収容所収容されサルトル病気のためにパリに戻ると、カフェボーヴォワールサルトルのほか、カミュレイモン・アロンモーリス・メルロー=ポンティ実存主義哲学者の拠点となった1943年2月上演されサルトルの『』、6月出版された『存在と無』は、その大半カフェ・ド・フロール書かれたものである。ただし、彼らはカフェ・ド・フロールと隣のドゥ・マゴ行き来し、ほとんど丸一日カフェ過ごしていた。サルトルは、朝9時から正午まで執筆をして、昼食出て午後2時に戻ると友人と夜8時まで議論し夕食後は前もって予定入れていた打ち合わせを行うといった日課であったジャズ流行しサン=ジェルマン=デ=プレ次々とジャズクラブ開店した作家ボリス・ヴィアンは自らクラブ演奏しサルトルボーヴォワールミュージシャン親しかったカフェ・ド・フロールの客はジャズクラブにも足しげく通っていた。カフェ・ド・フロール地下でもジャズ演奏が行われ、ボリス・ヴィアントランペット奏者として参加した。彼は戦後まもなく『サン=ジェルマン=デ=プレ入門』を著すことになる。 占領下では、カフェ・ド・フロールドイツ兵が訪れることはほとんどなかったが、初代店主の孫にあたる作家のクリストフ・ブーバルは、ドイツ兵が店に入ってトイレ使おうとしたとき、彼の母(店主の娘)が、これを遮って、「ドイツ兵は悪い人だから、トイレ使ってはいけない」と抗議したというエピソード紹介している。この頃毎日のようにカフェ訪れたのは作家レオン=ポール・ファルグとモーリス・サックス(フランス語版であった対独協力ユダヤ人として謎の死遂げたサックスは、店主ブーバルが経営するもう一軒の店「屋根の上の牡牛」に因む回想録屋根の上の牡牛時代』を1939年発表している。 カフェ・ド・フロール左派右派問わずすべての客を受け入れた。プレヴェールらの10月グループと、サルトル中心とする実存主義哲学ないしは共産主義グループ共存する自由な雰囲気があり、1950年代から60年代にかけては同性愛者密会の場でもあった。同性愛がまだ「反社会的な行為、あるいは精神疾患とすら見なされていた時代のことであり、LGBT運動の最初組織結成されたのは1971年のことである。

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