愛玩/観賞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:57 UTC 版)
水辺に生息する身近な水棲動物で、はさみで外敵に対して威嚇するなどの習性から子どもたちの水辺での遊び相手である。丈夫で飼育も簡単なので、学校などでもよく飼育されており、青色や白色の体色変異個体も観賞用に珍重される。 ザリガニ釣り 日本では、ザリガニ釣りは生息域各地のこどもの遊びとしてよく知られる。 釣り竿は、落ちている木の枝や棒の先に凧糸などを結び付け、糸の先に餌を縛りつけるだけである。棒を使わないこともある。餌はスルメや煮干などの乾物を使うことが多いが、生息地周辺のカエルやタニシを使ったり、捕獲したザリガニをちぎって尾の部分を使う場合もある。中には竹輪や蒲鉾、ソーセージ等を使う地域もある。ザリガニ類は巣穴に侵入してきた外敵に飛びつくという習性があることから、餌は輪ゴムでも釣れることがある。 釣り方も、ザリガニが餌をつかんだら吊り上げるだけである。ザリガニは餌を挟んでいるだけで、驚くと餌を離してしまう。水面上に揚げられた時に餌を離すことが多いので、馴れていないと吊り上げる際にたも網がないとうまく捕えることができない。なお、水中のザリガニが目視確認できる場合は、網や素手で直接捕獲することが可能な場合もある。 本格的になると、通常の釣り竿やエビ針(釣り針の一種)を用いて釣ることもある。 飼育 捕獲後に飼育する場合は、横幅が30cmくらいの水槽を用意する。孵化1年未満のアメリカザリガニは多数を同じ水槽で飼育すると、かなりの確率で共食いを起こす。脱皮の際には、ザリガニ類の殻も柔らかく、また、機敏に動くこともできないため格好の餌食として、共食いの対象となる。よって(繁殖を目指す場合を除いて)共食いを避けるために一匹ずつの飼育が望ましいが、隠れ場所、水槽の広さ、餌の量、オスとメスの比率に注意すればある程度の共食いを防げる。 水槽には投げ込み式の濾過器などで酸素の供給を確保することを前提に、水を水槽の上部までたっぷり入れる。人工的な酸素の供給を考えない場合は、ザリガニ類の背中が隠れる程度までの水位とするか、上陸できる陸地を作る。しかし、水が少ない場合、餌等によって水質が悪化しやすく、またそれによって酸素の含有量が減るため、ザリガニには過酷な環境となり生育に困難を来すことになる。大きな個体であれば多少は持つが、稚ザリガニの場合、このような環境では数日のうちに死んでしまう。できる限り何らかの形で酸素を供給することが大切である。ただ、ザリガニは脱走の名人でもあるのでチューブや電源ケーブルを器用に登るため、何らかの逃走防止を行った方が良い。 ザリガニは臆病なため、隠れ場所を用意してやると良い。塩ビ管のような筒状のものを水槽に投入すると喜んですみかにする。割れて使えなくなった植木鉢でも良い。ペットショップにはこれに適した素焼きの土管や、たこつぼが売られている。水槽の底に砂利を敷くとザリガニも移動しやすい。砂利としては、大磯砂、硅砂等が適している。 雑食性であるため、様々なものを食べる。煮干し、するめ、ゆでたホウレンソウ、人参等もよく食べる。低層で生息する熱帯魚(コリドラス、プレコ)用の餌や沈降タイプの鯉用の餌が非常に便利である。これらの餌は、水槽に投入後、迅速に沈むように作られているためザリガニの餌として好都合である。食べ残した餌は水を汚し、手入れに手間がかかるようになる。そこで、淡水性のエビ等を飼えば食べ残しを掃除する。もしあまり食べなくなった場合は、いくつかの可能性はあるが脱皮の前である可能性があるので過剰に反応せずにそっとしておく(脱皮した殻をザリガニに見間違えるほど、綺麗に脱皮する)。脱皮前は背と尻尾の間に空間が出来ていたり、黒く変色するので判断できる。個体の大きさにもよるが、大きめの個体でも餌の頻度は一日に一度、上記の熱帯魚用の餌を1つ程度で生きることができる。 水は水道水でもすぐさま死んでしまうということはないが、出来れば1、2日間汲み置きをしてカルキを抜いた水、または井戸水等を用いた方が良い。水換えは、水質の急激な変化を避けるため、一度に全ての水を換えることはせず、多くても半分程度の水換えにと留めるべきである。バクテリア等が安定しバランスが取れた水槽では1ヶ月以上交換しなくても飼育可能である。 室内で飼う場合、水温にはあまり気を使う必要がない。ただし、30℃を超えた水温のもとでの生育は厳しいようである。水温が高い場合は送風することで水温が下がる。送風は蒸発量が多くなるので水質や水量の監視が必要である。
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