恒星スケール
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恒星スケールのメガストラクチャーのアイデアでは、恒星のエネルギーを大きく利用するものが多い。エネルギー以外には、重力や高度な文明にとって必要な何らかの目的を達成するための機能が作られる。 オルダーソン円盤は円盤の形をしたメガストラクチャーである。外半径は火星または木星の軌道に相当し、厚さは数千kmある。 円盤の重力に支えらることで、生命や文明が裏表両面に住むことができ、円盤の中央で恒星が上下に揺れ動くことで昼夜を作る。 ダイソン球 (またはダイソンシェルとも呼ばれる)は太陽エネルギーを最大限に活用するために恒星を完全に取り囲む構造や軌道を持つオブジェクトを指す。 マトリョーシカ・ブレインは同心円状に何層にも重なったダイソン球でできた超巨大なコンピュータ。恒星のエネルギーと排熱を無駄なく利用して計算を行う。 ステラーエンジンは、恒星と星間空間の温度差を使用してエネルギーを抽出したり推進力を得ることのできるシステム。バリエーションとしてシュカドフスラスタがある。シュカドフスラスタは恒星の片側のみを反射や吸収させることで推進力に変えるシステム。 トポポリス (宇宙スパゲッティとも呼ばれる)は円筒が回転することで人工重力を発生させるトーラス状の巨大なチューブ。オニール・シリンダーの端を伸ばして繋げたものと見ることもできる。恒星をトーラス結び目の形で囲むことができる。 リングワールド(またはニーヴンのリング)は恒星を取り囲む人工リングで、軌道速度よりも速く回転してその内面に人工重力を作り出す。回転しないバージョンでは呼吸可能なガスの透明なリングを形成し、同作者の小説『スモークリング』のように、星の周りに微小重力環境を作り出す。 単一で構成されるものではないためメガストラクチャーとしては分類されないかもしれないが、同様の恒星スケールの規模で成立する構造もある。 ダイソン・スウォーム(群れ)は、単一のシェル(球殻)ではなく、個別に周回する要素で構成されるダイソン球のバリエーション。考案者であるフリーマン・ダイソンの想定していたモデルはこちらの方が近い。 ダイソン・バブルは、個々の要素が静的であり 、 太陽帆によって位置を制御し空中に保持されているダイソン球のバリエーション。
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恒星スケール
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ダイソン球は『スタートレック』シリーズを含む多くのフィクション作品に登場している。 『リングワールド』から始まるラリー・ニーヴンの一連の小説シリーズではリングワールドまたはニーヴンのリングの概念を中心とし、そのコンセプトを生み出した。 リングワールドは地球の軌道の半径(1AU )にほぼ等しい半径を持つ人工リングである。 恒星は中心に存在し、リングの回転によって重力を作り出し、遠心力と内壁によって大気が保持される。一作目の発表後、リングワールドの構造は不安定であると多数の読者から指摘があったため、著者は続編で回避策を考案した。 弐瓶勉の漫画『 BLAME!』ではメガストラクチャーが地球や月を覆い、金属、コンクリート、石などが混合した巨大な複合体が物語の舞台である。最終的には木星の軌道よりも大きな体積にまで膨張した。 ウィリアムバートンとマイケル・カポピアンコによる小説『ホワイトライト』では巨大なトーラス型構造のトポポリスが宇宙全体を支配するものとして登場している。 フレデリック・ポールによる小説『ヒーキー』の中では、敵と呼ばれる純粋なエネルギーの種族は、物質ではなくエネルギーでできたブラックホールであるクーゲルブリッツを構築した。 スティーブンバクスター『ジーリー』シリーズでは、同名の異星種族が宇宙ひもでできた直径1000万光年の巨大構造物である《リング》を構築した。 ゲームの『Freelancer』では、精神生命体種族Dom'Kavoshが生息するダイソン・シェルが登場。 これには、ダイソン球と同じ作成者が作成したハイパーゲートを介して到達する。 フレデリック・ポールの小説「Wall Around a Star」では、 銀河核を完全に囲むスーパーダイソン球を構築する提案に言及されている。 エリック・ブラウンによる小説の『Helix』(2007)のタイトルは、恒星規模の螺旋状(helical)の巨大構造を指している。 さまざまな種類の環境と生息地が構造に沿って点在しており、中心星からの距離が変化すると気候に影響を与える。 ゲーム『Endless Sky』のQuargは、星の周りに巨大なリングを構築していることを示している。 この完成版は他の場所でも見つけることができる。 ゲーム『Space Empires 4』および5では、プレイヤーは恒星の周囲にダイソン球とリングワールドを構築できる ゲーム『Stellaris』の拡張パック「Utopia」では、プレイヤーは恒星の周りにリングワールドとダイソン球の両方を構築できる。
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