座王グループ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:46 UTC 版)
式場(しきば)常務 座王総本社・東南アジアエリア担当統括常務。業界では、かつて『魳(バラクーダー)の式場』と呼ばれたスゴ腕の商社マン。その辣腕は強引この上なく十年前に巻き起こった「水産戦争」と呼ばれる一件においてはマレーシアにおいて現地漁民の競争意識を煽り禁漁・密漁おかまいなしに海洋資源を漁らせて一科三種目のエビを絶滅に追いやった過去がある。だが、時代が変わり日本が国際社会において責任を負う空気を感じて座王の「他者を踏みつけにする体質」を変えたいと願っており、その立場から堂本国際部長に対して幾度も「騒動を誘発してそのドサクサに紛れて利益を計上するような商売はやめろ」と忠言する。しかし、本人は心からそう願っていても、自身の過去が過去だけに説得力が無く、逆に自身の過去を上げ足に取られて堂本の造反を許してしまう。のちに、過去に東南および中央アジアに駐在している末端社員を共産ゲリラから守るため、外為法およびCOCOMの各条違反行為を行っていたことをマスコミにリークされて辞任に追い込まれる。 隼の父親。家庭においては父権的な威厳を持つ父であるが、その部分において隼から「子育ては、ほぼ妻や娘に丸投げの上、ロクに帰ってこないクセに家族に対する文句だけは一丁前」「商売のことばかり考え自分の虚栄心を満たすために、みんなを不幸にしている」と強く嫌われ反発されている。だが、その一方で隼のその気質が自分に似たものであることも感じており、実は家族の中では最も隼を愛している「父親」でもあった。 COCOM違反の主導的な部署の代表として辞表が受理された日の夜、同じ「貿易」に携わる身として、その失敗談を糧にするためという建前のもと話を聞こうと訪れた隼に、自らが貿易でやったこと、目指したことを語り「経済というのはクロスワードパズルのようなもの」という言葉を息子に投げかけ、自らが目指しながらもたどり着けずに失敗してしまった「貿易への志」への道を自分に一番反発していたはずの隼に託す。直後、脳梗塞を起こし急死する。その生きざまは後の隼にとって反面教師の形としてではあるが強く影響を与える。 堂本 一騎(どうもと いつき) 国際部の総本部長。同期にして直属の部下たる柳いわく「貿易には似合わないほどのロマンチスト」であるが、その夢を叶えるために貪欲な野心を燃やすようになってしまう。座王そのものを「自分たちの夢の国」と位置付け、自らの目的に対して立ちふさがる者は身内であろうとも容赦がない。そのために上司である式場常務を陥れる。 柳(やなぎ) 堂本の同期であり部下。情報撹乱やデマゴギーを駆使して一般の人々の不安や対立を煽って社会に混乱を呼び、そのドサクサに紛れて商売を行って利益を上げる(時にその不安や対立はクーデターや戦争、大規模環境破壊など取り返しのつかないレベルにまでなるが、本人はそのことに対しては堂本ともども「自分たちが生き残るため」と割り切っており、それに伴って命や環境など失われるものに対しては歯牙にもかけることもしない)という手法を得意としていることから、本社内では「火点けの柳」という通称で呼ばれている。「クーデター・プライス」では座王の利益のために一国にクーデターを起こさせている。実は一丸の父の教え子の一人。大学時代の就職活動では座王の前に伊藤忠商事を受けて落されたらしく堂本の「お前を敵にまわさなくてよかった」との感想に「伊藤忠の人事に感謝してくれ 座王の前にあそこを受けて落とされた」と返答し自身のプライベート・ジョークにしている。 後に若き堂本の情熱にほだされて裏仕事を一手に引き受けたことが判明。実は汚れ仕事も好きでやって来たことではなく、一部には強がりもあり、エランの面々に出会ったことで自分のやってきたことを振り返り苦悩とはいかないまでも少なからず悔恨があったことが明かされる。それでも堂本の理想を思って行動していたが、その堂本が企業トップとしての権勢に憑かれて余計なハッタリすら用いて強引な商売を続ける俗物と化していたことに絶望。最終話でついに堂本と袂を別ち、辞表を提出。同時に上記のクーデターの顛末を通産省にリークしている。
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