展示・収蔵品
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1901年(明治34年)から平成初年代までの国内外の車約500台の自動車が常設展示され、バックヤードにも約200台前後保存されている。そのほとんどがエンジンのかかる状態で保存されている。 著名な高級車やスポーツカーに留まらず、日本ではこの博物館でしか見られない極めて希少な外国車(旧ソビエト連邦製「ZIL」や1980年代以前の中華人民共和国製「紅旗」など共産圏の自動車も含む)や、通常、積極的保存の対象とされにくい日本製の古い商用車なども多数展示されているのが特徴である。創立者の前田彰三が商用車の収集をも重視し、また中華人民共和国要人にもコネクションを持っていたことが背景にある。 収蔵台数の充実度や広範さという点においては日本の自動車博物館の中でも最高レベルと言え、収蔵車のコンディションはいずれも概して良好である。実働可能な車両も多く、繁雑期には駐車場にてクラシックカーの体験乗車なども行われる。 ただし収蔵台数が極端に多いため、フロア面積確保に努めてはいるものの、館内に展示車がぎっしりと詰め込まれた状態で、個々の展示車両を多面的に観察するゆとりには乏しい。各車は生産国と製造年を示すナンバープレート風看板を装着されているが、一部に誤りが見受けられ、また展示車両の傍らに立てられた案内札には、事実と相違する誤った内容や、出典不明の惹句的記述などが散見されるため、見学時の参考資料としては注意を要する。 以下は収蔵車の一部であるが、これらの他にも「この博物館にしか現存が確認されていない」ほどの貴重な自動車が多数所蔵されている。 トヨタ・2000GT ロールス・ロイス・シルヴァースパー(元は英国大使館の公用車。ダイアナ妃来日の際の御乗用車として用いられた個体) トヨタ・ABRフェートン(1938年製) 九四式六輪自動貨車(太平洋戦争前の日本陸軍の軍用大型トラック。本館所蔵車は終戦後に後1軸を取り外す4輪化改造を受けてはいるが、唯一の現存例である) 九五式小型乗用車(くろがね四起、日本初の量産型四輪駆動車。現存するのは本車を含め数台である) JACニューエラ号(1930年式) 1930-50年代の著名なオート三輪「くろがね」の前身である、日本製オート三輪の古典的モデル。チェーンドライブ仕様の極めて初期の現存車。 オースチン・A135(オースチンの第二次世界大戦後における最高級リムジンで英国王室の御料車にも使用されたモデル。所蔵の個体は元大韓民国駐日大使公用車) ジオット・キャスピタ(1号車) トヨペット・スーパー RHK型(トヨタ・クラウンより前に販売していたタクシー需要車) オーテック・ザガートステルビオ 日産・レパードをベースにザガートがデザインした少量生産車。サイドミラーを内蔵したフロントフェンダーを特徴とする。同様な成り立ちのザガート・ガビアと共に展示されている。 プリンス・スカイライン・スポーツ ソラえもん号 メルセデス・ベンツ300SL フライングフェザー フジキャビン また、創立者の前田彰三が生前に自ら所有し運転したローバー・P5やルノー・サフラン(前田最後の愛車となった)なども、本館に収蔵されている。
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