宗教儀式に
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 07:38 UTC 版)
キリスト教 蝋燭はまたキリスト教の儀式においても用いられてきた。これは多く光の象徴として用いられる。 伝統的なキリスト教の祭儀では、祭壇の上に蝋燭が献じられる。正教会の奉神礼、ローマ典礼いずれの典礼書でも、聖体礼儀(正教会)、聖体祭儀(カトリック教会の、いわゆるミサ)において蝋燭を灯すことが義務づけられている。正教会、東方典礼、ローマ典礼のカトリック教会では、蜜蝋を用いるのが好ましいとされる。また死者のための祈祷(埋葬式・パニヒダ)や復活祭(正教会では復活大祭)の祈祷では手に灯りをともした蝋燭をもって礼拝に参加する。復活祭の蝋燭は地方によってはそのまま家に持ち帰り、家庭の火を灯すのに使われることがある。 ヒンドゥー教 ヒンドゥー教の寺院でも蝋燭が用いられている。 日本の仏教 日本の仏事においても蝋燭は欠かせない道具となっている。お盆やお彼岸におけるお参り、寺社参拝時には線香と共に蝋燭を燭台に立てるのが一般的である。この蝋燭の淡い光は仏の慈悲によって人の心を明るくするものとも、先祖が子孫(つまり立てた本人)へ生きる為の光を導き出す一種の道標ともいわれている。元々日本の仏事では和蝋燭を用いていた。というのは、和蝋燭は植物から採取出来る油を使用している一方で、洋蝋燭は動物性油(鯨・魚類)等の油が原料であり、命を殺めてはいけない、命のあったモノを使えないという理由からである。但し、現在売られている仏事用蝋燭の多くは洋蝋燭ではあるが、石油パラフィンから作られているので問題は無い。 現在の仏事において蝋燭の色は朱(赤)・金・銀・白の4色である。色の使い分けは、朱(赤)は法事(年忌法要)・祥月命日・お盆・春や秋のお彼岸の時に灯す。金は仏前結婚式(挙式)や落慶法要のお祝いの時に灯す。銀は通夜・葬儀・中陰の時に灯す。本来仏教においては白は使用しないが朱・金・銀の蝋燭が準備できない時の代替品として用いられるのが一般的になっている。 神道 833年(天長10年)淳和天皇の勅により撰集された解説書『令義解』には、「蝋燭は古より、御灯の料とされている」との記載がある。神社での蝋燭は漆樹、荏桐、烏臼木、女貞木などを原料とし、燈心又は糸を心に塗り固めたものを用いることを本義とする。 慰霊式 宗教・宗派によらない慰霊式でも蝋燭が用いられる。事故や災害現場での慰霊式典などで犠牲者の数と同数の蝋燭が灯される事がある。日本では、故人を偲ぶ伝統行事の灯籠流しでも蝋燭を用いる。
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