宗教儀礼と結縄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 00:45 UTC 版)
記憶手段としての結び目の利用はユダヤ教の衣装タッリートにも痕跡を見ることができる。律法に従えば、すべてのイスラエル人男子は朝の祈祷の際に肩に房飾り(ツィーツィート)を下げることになっているが、この房飾りに下がっている糸のうち、その四隅の紐は常に一定の数になるように結ばれている。セファルディムの伝承では26、アシュケナジムの伝承では39で、これはユダヤ教において重要な数と見なされている。 主はまたモーセに言われた、「イスラエルの人々に命じて、代々その衣服のすその四すみにふさをつけ、そのふさを青ひもで、すその四すみにつけさせなさい。あなたがたが、そのふさを見て、主のもろもろの戒めを思い起して、それを行い、あなたがたが自分の心と、目の欲に従って、みだらな行いをしないためである。」 カトリック教会のロザリオや仏教の数珠、イスラム教のミスバハ(英語版)など、多くの世界宗教に共通して見られる数珠状の祈りの用具は元来祈りの回数を数えるための道具であり、ロザリオであれば150、数珠であれば108というように各教派の儀礼に応じて珠の個数が定まっている。同様の道具はヒンドゥー教、ジャイナ教、シク教でも用いられている。コンボスキニオンと呼ばれる東方正教会の道具には、珠ではなく結び目を利用しているものもあり、これは伝承によれば4世紀のエジプトの聖者パコミウス(英語版)に端を発するとされている。
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