大リーグボール1号
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「大リーグボール」の記事における「大リーグボール1号」の解説
バットを狙い凡打にする魔球。飛雄馬の球質を逆用し、「打たせてとる」ことを応用した魔球。1968年の日本シリーズの時期、「基本形はバットの先の太い部分に当てる」ということになり、「細いところに当てるとファウル」という設定になっていたが、前後の場面を見ると結構、細い部分にも当てて凡打に討ち取っている。ボクシングや剣道の体験、警察の射撃の見学をして磨いた洞察力で、バッターの動きを予測し、バットにボールを命中させ凡打に討ち取り、ランナーがいれば併殺を狙う。投球ごとに非常に集中を要するため、疲労の激しいのが弱点であり、飛雄馬が精神的に動揺していて集中力に欠ける時は使えない。花形は(飛雄馬の魔球が完全なものであるかどうかを確かめる意味もこめて)「相手の頭付近を狙うためビーンボールではないか」と抗議したが、審判側は「打者が身に着けているものでボールが当たっても唯一デッドボールにならないバットを狙うものである」として訴えを退けた。 ヒント 巨人入団後、「飛雄馬の球質は軽い」というプロとしては致命的な欠点が露呈してしまう。速球投手としての限界を感じた星飛雄馬は台湾キャンプで金田正一に「変化球を教えてください」と懇願する。金田は「星の若さなら新しい変化球を編み出せ」と助言する。これを聞いた飛雄馬は「新しい変化球こそ本当の大リーグボールじゃないか」と考えるようになる。 その台湾キャンプで金田が負傷して退場し、感情的な飛雄馬は涙ぐんでしまい、柴田に投げたボールが2球続けて危険球となり、2球目がバットに命中。打球は投ゴロとなり、快足の柴田はスタートが遅れて1塁アウト。 飛雄馬は罰としてグラウンド1周をさせられるが、この「バットに命中させてアウトにする」が飛雄馬の深層心理に焼き付けられる。なお、台湾での紅白戦でやはり柴田が内野安打を狙ってバントしたが飛雄馬の投げた球が飛びやすかったせいで、予想より弾きがよすぎて投飛となり、柴田の愚痴を聞いた飛雄馬はショックを受けていたが、これも1号の原理に近い。 飛雄馬は速球を左門に打たれ、鎌倉の寺で座禅を組んでいたとき、禅僧の話から「打たれてもいいと思えば打たれなくなる」というヒントを得る。 これで飛雄馬の脳裏に大リーグボール1号の基本形が出来上がった。 開発特訓 星飛雄馬は1号開発のために、拳闘、剣道を習い、射撃を見学した。「巨人の星#特訓」も参照。 グラウンドで飛雄馬は目隠しをした伴を相手にボール球を投げ続け、大リーグボール1号を完成させる。王貞治を実験台にしてそれを巨人軍関係者に披露した。 左門が受けた大リーグボール1号は左門の顔に向かっており、左門が尻餅をついた後、球がバットに当たった。そのまま立っていたら顔面を直撃していた。飛雄馬はボールが迫って驚いた打者のとっさの動きまで予測する。『巨人の星』文庫版巻末の評論にあるように、「相手の動きを予測し、攻撃する」というのは太極拳や柔道などの発想であることから、格闘家であった梶原一騎は格闘技の発想を野球漫画に取り入れたとみられる[要出典]。 改良形の登場 昭和43年(1968年)9月18日、巨人・阪神戦にて鉄球を鉄バットで打つ特訓をしていた花形はホームラン予告を行う。その予告どおりに大リーグボール1号を打たれ、巨人は一敗を喫した。だが、これを打倒した花形自身も全身の筋肉が故障するという重傷を負った。 花形に打たれたあと、飛雄馬はグリップ・エンドに当てるように大リーグボールを改良した。この改良型は作中で「大リーグボール1号の最も進化した姿」などと呼称された。釣船の上で釣竿につるした50円玉を狙って投球する特訓によって、更にコントロールを磨いたものであり、花形同様の特訓をつんで日本シリーズに挑んだダリル・スペンサーを、グリップヘッドにボールを命中させることで討ち取った。しかし、結果として飛雄馬の精神疲労の弱点はより過酷になり、後のオズマと初対決した日米野球では完投直後に倒れ、入院を必要としたほどだった。 日高美奈の一件で一度自滅し投げられなくなるも、不死鳥のごとく復活を果たす。しかし、最終的には一徹が考案した「一度バットをホームベース上に水平に構え、ボールをど真ん中に誘導した上で叩く」という方法でオズマに破られた。
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