地方反乱とマシュミ党禁止とは? わかりやすく解説

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地方反乱とマシュミ党禁止

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/25 01:32 UTC 版)

マシュミ」の記事における「地方反乱とマシュミ党禁止」の解説

1956年3月選挙後発足した国民党首班アリ・サストロアミジョヨ内閣にはマシュミ党からも入閣したインドネシア独立後議会政治安定もたらすべく実施された選挙だったが、その後議院内閣制による政治運営混迷した。閣僚汚職不正行為議会空転地方不満など、インドネシア国家の統一ではなく分裂の危機直面していたのである。 とくに、ジャワ以外の地方では、ジャワ中心的な政治運営対す批判強かったスマトラ島ゴム輸出スラウェシ島コプラ輸出などは独立後のインドネシアにとって貴重な歳入であったが、その利益中央政府吸い上げられ地元へは還元されない、という不満が地方鬱積していた。こうした地方現状にしびれを切らした地方軍は、独自にこれらの資源密輸出し、中央政府および軍中央からの離反へと傾いていった1957年3月マシュミ党アリ内閣から閣僚離脱させ、内閣総辞職したこうした危機打開できない議会政治多党制政党政治に対して大統領スカルノは不満を強めていた。当時スカルノは、1950年憲法下で大統領権限制約されており、リーダーシップ発揮できない状況だった。そこで彼は民選議会の解散一党制導入、そして、1950年憲法停止し大統領強大な権限あたえた1945年憲法に復帰することを大衆訴えたスカルノ腹案は、大統領の下にインドネシア国民党はじめとする既存ナショナリズム団体イスラーム勢力、そして伸張著しPKI三者が一体となる挙国一致体制だった(後にそれがスカルノ政治スローガンナサコム」として結実する)。このスカルノ構想について、インドネシア国民党PKI、ムルバ党などが支持表明した。 しかし、マシュミ党は、スカルノ一党制論、すなわち多党制否定と、PKI国政参加反発したマシュミ党は、1956年12月副大統領辞任したハッタ内閣結成要請し、またその支持基盤ジャワ以外の外島(とくにスマトラにあったことから、マシュミ党連邦制こそが地方満足させるとして、地方反乱分子の声を代弁した1956年12月に西スマトラパダン北スマトラメダンでは地方軍司令官中央政府反旗を翻し地方行政府を接収した地方反乱軍は中央政府に対して地方自治権拡大ハッタ内閣組閣軍中央の更迭などをもとめたこうした地方軍離反は、スマトラ全域スラウェシ島カリマンタン島にも拡大したこうした地方軍要求マシュミ党インドネシア社会党指導者たちが呼応した。 そして、1958年2月15日、西スマトラ反乱軍ブキティンギ首都とするインドネシア共和国革命政府Pemerintah Revolusioner Republik Indonesia、略称PRRI)の樹立宣言したマシュミ党からは、首相にシャフルディン・プラウィラネガラ(元蔵相)、副首相ナシール党議長、元首相)、国防相法相にブルハヌディン・ハラハップ(元首相)といった閣僚経験者らが参加しており、スカルノ中央政府との対決姿勢あらわにした。また、インドネシアにおける共産主義伸張危惧するアメリカ政府もPRRIを支援した。 しかし、マシュミ党地方反乱軍に出馬要請されていた元副大統領ハッタ国家分裂危惧してスカルノ政府同調し中央政府はPRRIの武力鎮圧決定し4月17日パダン攻略5月5日にはブキティンギ占領した地方反乱加担した責任問われマシュミ党は、1960年8月スカルノによって非合法化された。ナシール、シャフルディン・プラウィラネガラは逮捕されスカルノの「指導され民主主義体制下では投獄生活を送ったマシュミ党という「政敵」の一つ葬り去り、「指導され民主主義体制確立したスカルノまた、1965年の「9月30日事件」により失脚しその後ナシールらは釈放されたが、その政治活動禁じられた。また、スハルト体制期には旧マシュミ党関係者がインドネシア・ムスリム党を結成した党勢振るわず1971年第二回総選挙得票率5.4%)、1973年には政党ゴルカル法(政党簡素化法)によって他のイスラーム諸政とともに開発統一党合併された。

※この「地方反乱とマシュミ党禁止」の解説は、「マシュミ」の解説の一部です。
「地方反乱とマシュミ党禁止」を含む「マシュミ」の記事については、「マシュミ」の概要を参照ください。

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