地域に密着した共楽館とは? わかりやすく解説

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地域に密着した共楽館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 02:56 UTC 版)

共楽館」の記事における「地域に密着した共楽館」の解説

昭和初期映画関係で特筆すべき動きとしては、1928年昭和3年)に日立児童教育映画会が組織され日立町内の小学校児童対象にして月1回映画会が共楽館本山劇場という日立鉱山所有劇場行われるようになったことが挙げられる当時庶民娯楽代表格となっていた映画であったが、反面風紀上の問題大きいとの非難する意見強かったとりわけ映画内容真似た不良行為を行う生徒現れとのことで、小学校児童劇場映画館への立ち入り禁じられ映画館前では学校補導係の教師監視していた。しかし映画児童感化されやすいということは逆にいえば児童情操教育映画活用できるということである。早くも大正末期には視聴覚教育として文部省主催映画について講習会試写会開催され日立からも教師参加しその後共楽館本山劇場会場にして、東京から借りてきたフィルム毎月1回小学校児童上映するようになった当時はまだサイレント映画時代であったので、活動弁士教師務めた。この流れ受けて1928年昭和3年)には日立鉱山庶務課野村留男会長として日立児童教育映画会が組織された。日立児童教育映画会の結成日立鉱山側の積極的な関与見られ、これは一山一家モットーとし、地域社会とのつながり重視する日立鉱山姿勢が伺われる。 日立児童教育映画会主催の映画会は、先述のように日立鉱山所有劇場である共楽館本山劇場会場として月1回行われた映画会の当日午前低学年午後高学年対象とした映画上映された。映画会の会費として児童1人当たり2銭を徴収し、これはフィルムレンタル料、送料充てられた。映写技師日立鉱山職員が当たり、人件費施設映画上映設備使用料無料であった生徒たち見せフィルムは主に官庁関係から借りていたが、後に戦時色強くなってくると情報局から借りようになった。また大阪毎日新聞東京日日新聞から協力後援声がかかるなど、多方面からの協力仰いでいた。そして日立児童教育映画会は児童から集めた会費余剰金ポータブル映写機幻灯機購入し地域日立町周辺小学校でも映画会を行うようになった日立町日立児童教育映画会の活動全国的に見て映画教育先進的な事例であり、その活動内容高く評価されており、1943年昭和18年)には文部省内に設立され大日本映画教育会から、日立児童教育映画会の野村留男映画教育功労者として表彰を受けることになった。 また日立町内の小学校は、映画会以外にも音楽会学芸会などの会場として共楽館積極的に利用した1933年昭和8年1月7月には共楽館日立町小学校合同音楽会が行われた。翌1934年昭和9年12月9日にはオール日立小学校連合会音楽大会開催され、会の中では東京音楽学校から招いた特別ゲストによるカミーユ・サン=サーンスサムソンとデリラ独唱披露されるなど、極めて盛大に行われたそれぞれの音楽会の各小学校出し物は1校あたり20越え生徒父母共楽館立錐余地無かった伝えられている。また共楽館地域の各小学校音楽会学芸会、そして児童向け公演会の会場として数多く使用され学芸会会場としては戦前のみならず戦後まで活用された。 日立に住む人々にとって、共楽館夏の山神祭正月興行会場1つとして親しまれた。先述のように通常有料である共楽館公演山神祭と正月興行時には無料であり、とりわけ7月半ば山神祭は大勢人々集め共楽館その周辺祭り会場付近は人の波で埋め尽くされた。また1935年昭和10年3月多賀蓄音機組合の設立記念事業として新民謡日立小唄助川節をポリドール・レコードから発売するとともに東海林太郎新橋喜代三らを招いて共楽館日立小唄助川節などの演奏会開いた行事なども、共楽館地域との係わり合い一環として挙げられる

※この「地域に密着した共楽館」の解説は、「共楽館」の解説の一部です。
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