國常立尊とは? わかりやすく解説

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くにのとこたち‐の‐みこと【国常立尊】

読み方:くにのとこたちのみこと

日本神話の神。「日本書紀」では、天地開闢(かいびゃく)のときあらゆる神に先立って現れ第一神。国土生成中心的とされる。「古事記」では、国常立神の名で、第6番目に現れた神。国底立尊(くにのそこたちのみこと)。


くにのとこたちのみこと 【国常立尊】

国常は国底とも。日本神話天地開闢の時、最初に現れた神。

国之常立神

(國常立尊 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/13 14:36 UTC 版)

国之常立神

神世七代 第一代
先代 天之常立神別天津神
次代 豊雲野神または国狭槌尊

神祇 天津神
全名 国之常立神(クニノトコタチノカミ)
別名 国常立尊、国底立尊
別称 大元尊神
神格 大地の永久性
なし
神社
記紀等 古事記、日本書紀 等
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「天地開闢」における神々(古事記による)

国之常立神(クニノトコタチ)は、日本神話に登場する。『日本書紀』においては初めての神とされ、一部神道・新宗教で重要視されている。

概要

『古事記』では国之常立神、『日本書紀』では国常立尊と表記される。別名を国底立尊(クニノソコタチ)ともいう[1]

『古事記』において神世七代の最初の神とされ、別天津神の最後の天之常立神(あめのとこたちのかみ)の次に現れた神で、独神であり、姿を現さなかったと記される[1]。『日本書紀』本文では天地開闢の際に出現した最初の神としており、「純男(陽気のみを受けて生まれた神で、全く陰気を受けない純粋な男性)」の神であると記している。他の一書においても、最初か2番目に現れた神となっている[2]。『記紀』ともに、それ以降の具体的な説話はない。

神名の「国之常立」は、「国」を「国土」、「常」を「永久」と解し、名義は「国土が永久に立ち続けること」とする説[3]や、日本の国土の床(とこ、土台、大地)の出現を表すとする説[4]など諸説ある。

伊勢神道では天之御中主神豊受大神とともに根源神とし、その影響を受けている吉田神道では、国之常立神を天之御中主神と同一神とし、大元尊神宇宙の根源の神)に位置附けた。その流れを汲む教派神道諸派でも国之常立神を重要な神としている。

新宗教と国之常立神

国之常立神を重要視し、明治後半以降の日本の歴史に大きな影響を与えたのが新宗教大本である。

1892年(明治25年)2月3日、京都府綾部在住の無名の老婆出口直(なお)は「艮の金神」と恐れられる祟り神神懸かり現象を起こした[5]古神道伯家神道の知識を持つ出口王仁三郎は、直に懸かった神を審神し「国之常立神(国常立尊)」と判断[6]。大地を修理固成し国祖であった国常立尊は厳格な統治を行ったがゆえに、それに不満を持った神々により鬼門の方角に追放された。しかし、時ここに到り復活を宣言した国常立尊が、世の建て替え立て直しのためにこの世で力を顕現するという終末論を主張した[7][8]。直と王仁三郎の教団大本は大正から昭和初期にかけ教勢を拡大し、宮中関係者や陸海軍将校が多数参加する一大宗教勢力となった[9]

内務省を中心とする政府は大本に警戒感を強め、1921年(大正10年)1月10日1935年(昭和10年)12月8日宗教弾圧を行った(大本事件)。特に二度目の第二次大本事件では治安維持法違反と不敬罪により徹底的な弾圧を加え、大本は壊滅した[10]

大本事件の背景には、出口王仁三郎と大本が持つ政治的影響力に政府が警戒感や恐怖感を抱いたことに加え、国家神道新宗教の間に宗教観・神話体系の相違があったことが指摘される[11]

大本の再建は戦後を待たなければならなかった。更には大本の教理を引き継ぐ新宗教が戦前、戦後に生まれた。

祀る神社

神仏分離により、各地の妙見社は祭神を天之御中主神と改めたが、一部には、国之常立神を祭神に改めた社もあった。国土形成の根源神、国土の守護神として信仰され、以下の諸社で祭られている。

脚注

注釈

  1. ^ a b kotobank-国常立尊.
  2. ^ 第一、第四、第五、第六の一書は最初に出現。第二、第三は可美葦牙彦舅尊に次ぐ。
  3. ^ 西宮 2014 新潮日本古典集成 古事記
  4. ^ 坂本 et al. 1994、補注1-六「トコタチとは「土台(大地)が出現し、大地が姿を現す意」と解される云々」。
  5. ^ 羽仁 1996, p. 73.
  6. ^ 羽仁 1996, p. 75.
  7. ^ 羽仁 1996, pp. 120–122.
  8. ^ 出口 1995, pp. 101–106.
  9. ^ 羽仁 1996, p. 80.
  10. ^ 羽仁 1996, pp. 83–8.
  11. ^ 村上 1985, p. 49.

参考文献

関連項目

外部リンク




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