団塊とは? わかりやすく解説

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だん‐かい〔‐クワイ〕【団塊】


団塊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/22 17:39 UTC 版)

団塊の中の化石
菱鉄鉱ノジュールの断面。大部分は菱鉄鉱で、内部の赤褐色部分は赤鉄鉱。堆積岩中にでき、浸食で露出して採集されたもの。
デボン紀のノジュール状石灰岩の研磨標本(ドイツ)

団塊(だんかい)は、地質学ではノジュール (: nodule)またはコンクリーション (concretion)を指す[1][2][3]。元の地層層理や内包する化石のほかに内部構造をもたないものをノジュールとしたり[2][4][5]、コンクリーションは大きさを問わない一方で相対的に小さなものをノジュールとしたりして[2][3]、使い分ける場合がある。一方、ノジュールとコンクリーションをほぼ同義に用いる場合もある[2][3][4][5]。本項ではノジュールについて解説する(コンクリーションは当該項目を参照)。

堆積物のノジュール

ノジュールは、堆積物あるいは堆積岩中に形成された、小さく硬い、球状、板状、または丸みを帯びた不規則な形の塊で、鉱物または鉱物とそれ以外の凝集したもの。ふつう内部構造をもたず表面にはこぶ状の突起があり、大抵は周囲の母岩の地層とは明らかに組成が異なる[2][4][5]

石灰岩中のチャートノジュール[2][5][6]石炭中の黄鉄鉱ノジュール[4][5]、また海底の頁岩中のリン酸塩ノジュール[4][5]のほか深海底に広く分布するマンガンコバルトニッケルに富むノジュールが知られている[4][2]

ノジュールを構成する鉱物は主に、方解石、チャート、リン鉱石、無水石膏、黄鉄鉱など[4][5]

フリントを含むチャートのノジュールは、海綿動物の珪質骨針英語版放散虫の遺骸が溶解して非晶質シリカとして再堆積し、それが石灰岩(チョークを含む)の一部を置き換えることで形成される[5]

堆積時に同時生的に形成された海底のマンガンやリン酸塩の塊は、厳密にはノジュールに含まない(コンクリーションとする)考え方もある[4][5][7]。一方で、ノジュール・コンクリーションの双方に、堆積時に同時生的に生成された一次団塊(または同生団塊)、堆積後の続成作用で生成された二次団塊(または後生団塊)などの分類をする場合もある[7][8][9]

日本語では、形の不規則なものを結核と呼ぶこともある[10]

nodularの語は、堆積物あるいは堆積岩の基質の中で、散在あるいは緩く凝集した塊(結核、結節)を指すとき使ったり、球状の膜を持つコロフォームを呈する鉱物の凝集を指すとき使ったりする[5][11]

堆積物の場合内部に化石を閉じ込めていることがあり[12][13]、その場合には周囲の母岩よりも硬い団塊が地面の圧力に耐え、内部の化石は立体を保っていることが多い。従って化石採集の際には、雨や川による浸食を受けて露頭から落ちた団塊を探すという手法も採られている[14]

火成岩のノジュール

マントル捕獲岩である、玄武岩中のカンラン石ノジュール

火成岩の中にみられる粗粒の塊にもノジュールの語を使う[2]。深部で結晶化が進んだと考えられ、噴出する火山岩のインクルージョンとして観察される[4]。カンラン石玄武岩のフロー中に存在するカンラン石ノジュールなどが例[2][4]

脚注

出典

  1. ^ 最新地学事典 2024, p. 885 「団塊」(※コンクリーションおよびノジュールへの参照)
  2. ^ a b c d e f g h i 最新地学事典 2024, pp. 1133–1134「ノジュール」(著者:公文富士夫)
  3. ^ a b c 最新地学事典 2024, p. 531「コンクリーション」(著者:公文富士夫、保柳康一)
  4. ^ a b c d e f g h i j Glossary of Geology (5th ed.) 2005, p. 440"nodule [ign]","nodule [sed]"
  5. ^ a b c d e f g h i j Boggss 2009, p. 600
  6. ^ Glossary of Geology (5th ed.) 2005, p. 112"chert nodule"
  7. ^ a b 団塊」『岩石学辞典』朝倉書店https://kotobank.jp/word/%E5%9B%A3%E5%A1%8A#w-777889コトバンクより2024年12月21日閲覧 
  8. ^ コンクリーション」『岩石学辞典』朝倉書店https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3#w-777876コトバンクより2024年12月21日閲覧 
  9. ^ 新版地学事典 1996, p. 339「団塊」
  10. ^ 団塊」『ブリタニカ国際大百科事典』ブリタニカ・ジャパンhttps://kotobank.jp/word/%E5%9B%A3%E5%A1%8A#w-948889コトバンクより2024年12月21日閲覧 
  11. ^ Glossary of Geology (5th ed.) 2005, p. 440"nodular"
  12. ^ 山崎晴雄、久保純子『日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語』講談社、2017年、106頁。ISBN 978-4-06-502000-5 
  13. ^ 光野千春、沼野忠之、高橋達郎 著、山陽新聞社出版局 編『岡山の地学』山陽新聞社〈原色図鑑〉、1982年、288, 291頁。 ISBN 4-88197-108-5OCLC 674175962NDLJP:9671612 
  14. ^ 森伸一 著、羽幌古生物研究会 編『北海道羽幌地域のアンモナイト』(第2版)、2018年、104-105頁。 ISBN 978-4-86368-029-6 

参考文献

  • 地学団体研究会 編『新版 地学事典』平凡社、1996年10月。 ISBN 4-582-11506-3 
  • 地学団体研究会 編『最新 地学事典』平凡社、2024年3月。 ISBN 978-4-582-11508-6 
  • Neuendorf, KKE, JP Mehl, Jr., and JA Jackson, ed (2005). Glossary of Geology (5 ed.). Alexandria, Virginia: American Geological Institute. ISBN 0-922152-76-4 
  • Boggs S, Jr. (2009). Petrology of Sedimentary Rocks. Cambridge, United Kingdom: Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-89716-7 

関連項目


団塊(だんかい)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/17 04:59 UTC 版)

銀のしっぽ」の記事における「団塊(だんかい)」の解説

カモネギ商事の元・部長シバタの上司だった。典型的な会社人間だったため、退職した現在暇をもてあましている。カメレオンのような顔をしている。鉄道好き

※この「団塊(だんかい)」の解説は、「銀のしっぽ」の解説の一部です。
「団塊(だんかい)」を含む「銀のしっぽ」の記事については、「銀のしっぽ」の概要を参照ください。

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