各国の反攻開始
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4月2日、ベルカ軍はウスティオのヴァレー空軍基地に爆撃機部隊を向かわせた。ウスティオ空軍は爆撃機部隊の迎撃を目的としたクロスボー作戦を開始した。第6航空師団に編入された傭兵部隊によってベルカ軍の爆撃機編隊は迎撃され、ベルカ軍の作戦は失敗に終わった。 4月3日にはオーシア軍の反攻が始まった。ベルカ空軍は元々の少数精鋭主義と戦域の拡大によって地上部隊を支援しきれなくなり、ベルカ地上軍の進撃は停滞しつつあった。 4月15日、ウスティオ空軍第6航空師団は171号線に展開するベルカ地上軍の排除を目的とした、ローゼライン作戦を開始した。171号線はウスティオ首都ディレクタスからサピン領アルロンを抜けてオーレッド湾の海岸に通ずる全長1100kmの幹線道路であり、連合軍にとって重要な輸送路であったが、開戦直後にベルカ軍によって制圧されていた。アルロンにおける171号線はアーレ川とS字に曲がるエムス川の計3ヶ所に橋がかかっており、ベルカ軍の機甲部隊が防衛線を張っていた。この防衛線はウスティオ軍機の航空攻撃により甚大な被害を被った。 4月中旬から下旬頃、ベルカと対峙する国家群による戦略的軍事機構が正式に「連合軍」と命名された。連合軍は水上輸送路となるフトゥーロ運河を奪還すべく、戦域攻勢作戦計画4101号を発案した。オーシア海軍第3艦隊を主力としたこの作戦の前段階として、4月20日にウスティオ空軍第6航空師団第66飛行隊(ガルム隊)が、B7Rにて陽動と強行偵察を目的としたチョーカーワン作戦を開始した。B7Rには多数のベルカ軍機が展開していたが、ガルム隊はわずか2機でありながらベルカ軍機に損害を与え、増援としてやってきたベルカ空軍の精鋭部隊も撃墜した。オーシア軍の海上部隊はB7Rの陽動作戦成功をもって進軍を開始した。4月24日、オーシア軍とウスティオ軍は戦域攻勢作戦計画4101号を開始した。この計画は、運河南部でベルカ航空部隊と港湾施設を攻撃するゲルニコス作戦、運河北部でベルカ海軍の艦隊と港湾施設を攻撃するラウンドハンマー作戦、運河を突破するオーシア海軍第3艦隊の護衛を目的としたコスナー作戦の3つで構成されていた。第3艦隊の旗艦を務める空母ケストレルはまだ就役もしていない艦であったが、試験航行という名目で作戦に投入された。戦域攻勢作戦計画4101号は成功し、連合軍はフトゥーロ運河を奪還し水上輸送路を確保した。 南部戦線において戦況は流動的であったが概ね均衡状態を維持していた。南部戦線におけるベルカ軍は戦線の急激な拡大によって兵站が麻痺しており、後方との連絡線が遮断されることもしばしばあった。ベルカ軍は航空部隊を派遣することで戦線を維持させていたが、パイロットに日に5回の出撃を強いるケースもあった。均衡状態は長くは続かず、4月23日から実施された連合軍の攻勢作戦によって戦況は連合軍優位に傾きつつあった。 5月12日、ウスティオ領のソーリス・オルトゥスの奪還を目的としたヴァーシティー作戦が開始された。これはウスティオ軍とオーシア軍の共同作戦で、オーシア軍の空挺部隊が街を解放し、ウスティオ軍が対空陣地や迎撃機を排除する手筈であった。オーシア軍の第101空挺師団が空挺降下し、ベルカ軍の対空陣地や迎撃機はウスティオ軍機によって排除された。ソーリス・オルトゥスは解放され、ディレクタス解放の足がかりとなった。翌5月13日、連合軍はディレクタスの解放を目的としたコンスタンティーン作戦を開始した。ディレクタスにはベルカ軍のウスティオ方面軍司令部が存在しており、各所に対空陣地や戦車部隊が展開していた。連合軍は陸と空から攻撃を開始し、ガルム隊の強力な航空支援によりベルカ軍の陣地は次々に崩れていった。ベルカ軍指揮官の少将は味方陣地が崩れだすと早々に戦意を喪失し、CH-47輸送ヘリで脱出を図った。少将の逃走による指揮官の不在や、ガルム隊の航空支援によりベルカ軍の防衛線は立ちどころに崩壊し、それに合わせるようにディレクタスの市民が決起し教会の鐘を打ち鳴らした。ベルカ軍のウスティオ方面軍司令部は壊滅し、ディレクタスは解放された。 オーシア軍、ウスティオ軍、サピン軍はベルカ軍に奪われた失地を次々に奪還し、戦線は開戦前のベルカ国境まで達した。連合軍はベルカの核兵器や大量報復兵器「V2」の開発計画を掴んでおり、連合軍首脳部は核兵器査察と資源権益確保を確約させるため、ベルカ領への侵攻を決定した。また、戦後の再編が確実視される中で本戦争を静観していた周辺各国も続々と参戦し始め、ベルカへの攻撃を開始した。
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