初期キリスト教の音楽とは? わかりやすく解説

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初期キリスト教の音楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 21:03 UTC 版)

古代西洋音楽」の記事における「初期キリスト教の音楽」の解説

古代末期見られ初期キリスト教音楽原始キリスト教)の姿も不明である。新約聖書の「マタイによる福音書」には、キリスト最後の晩餐の後に、弟子達ともに歌を歌ったという記述みられるキリスト教ユダヤ教をもとに成立したことから、初期キリスト教音楽ユダヤ教聖歌がもとにあるとの説が支配的であったが、むしろ独自性を示すために異なった礼拝があったとの考えもある。現存する最古(紀元280年)のキリスト教(東方諸教会)の聖歌とされるのはオクシリンコス・パピルス含まれていた「三位一体聖歌」(オクシリンコス賛歌)がギリシア記譜法記されたものである。3~5世紀になると、アルメニアシリアエジプトエチオピアビザンツ帝国で、地方の特色と結びついた聖歌ができた。これらは、東方教会聖歌として、それぞれアルメニア聖歌シリア聖歌コプト聖歌アビシニア聖歌ビザンティン聖歌という形で現在も歌われている。しかし、現在のものが、当時の姿を正しく伝えているとは考えられない。これらの聖歌は、アラブトルコなどの支配的な民族影響1500年上もの間に大きく変化した考えられる恐らくは全員で同じ聖歌斉唱している間に、歌いやすい音名移動したであろう3世紀末頃には都市の贅沢を離れ荒野過酷な貧困生活を送る修行通じて信仰実践しようという修道院運動盛んになった。その絶え間ない祈祷の際に、全詩篇順番朗唱する詩篇連唱」の習慣確立したまた、4世紀エジプトにおいては、修道院朝夕2回の聖務日課整備され宗教的瞑想前提として詩篇唱機能したその後教会大聖堂内でも聖務日課の際に詩篇唱が行われるようになり、修道士(女)が演奏のために教会赴いた6世紀までには教会における1日8回の聖務日課時課)が制度化され、その中で修道士(女)が詩篇唱聖職者祈祷を受け持つよう、その職能によって分業化された。一方平信徒ら(一般会衆)にとっては平日にあっては詩篇唱をただ聴くのみであったが、日曜日はともに歌うこともあったようだ。かつて、荒野の中で歌われた素単純な詩篇唱は、聖堂の中で次第旋律性豊かで甘美なものへと変化していき、熱狂的な詩篇唱ブームつながったローマ帝国下の初期キリスト教会の集会では、世俗的な晩餐の席でも音楽親しまれていたこともあり、聖体拝領夕べ会食時に行われて詩篇唱同時に歌われた。その際世俗的な音楽とは区別するために楽器による伴奏極力排除した4世紀には聖職者職務としてのカントル独唱歌手)の地位確立した初期キリスト教会ではローマ帝国優れた情報伝達網によって典礼方式聖歌統一ある程度図られていたと思われるその後帝国の崩壊によって街道情報伝達システム寸断され、とくに西ローマ地域西方教会においては各地独立した多様な地方典礼へと発展していった。 西方教会でも、南フランスガリアでは、ガリア聖歌呼ばれる聖歌が、スペインではモザラベ聖歌知られている。北イタリアミラノには、4世紀ミラノ大司教務めた聖アンブロジウスの名を冠したアンブロジウス聖歌アンブロジオ聖歌)、ローマにもローマ聖歌といった地方聖歌成立した。これらの地方聖歌も現在まで歌われ続けているものがあるが、当時のものではない。地方聖歌は、やがてローマカトリック教会が力を持つと、グレゴリオ聖歌として統一されることになる(中世西洋音楽参考)。

※この「初期キリスト教の音楽」の解説は、「古代西洋音楽」の解説の一部です。
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