分割の案内例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 16:46 UTC 版)
分割する際の乗り間違いを防ぐために以下の方法を用いるところもある。 乗車位置に列車名や行き先を明記する。 号車番号をドア上など目立つところに貼り付け、その番号を用いて案内する。また号車番号の標記を行き先・編成毎で切り替える方法もある。2015年現在では、「はやぶさ(E5系)・こまち(E6系)」や「やまびこ(E2系)・つばさ(E3系)」の事例がある。かつて「きのくに」で天王寺駅発着は数字・南海難波駅発着はアルファベットで付番していた。現在では近鉄の京橿特急・京奈特急を併結する京奈特急にアルファベットで付番しているほか、2012年のダイヤ変更まで定期列車として存在しそれ以降は大みそかの終夜運転で運行される阪伊特急・京伊特急でも京伊特急にアルファベットで付番している。 客室にも列車名や行き先を表示する。東北地方の気動車急行で採用され、東武日光線系統で運行していた快速・区間快速(東武6050系電車)でこの方式が採用されている。 側面の行先表示装置に「この車両は○○行き(この車両○○まで)」を追記する。JR東日本常磐快速線のE231系成田線直通列車で、常磐線区間の上野駅 - 我孫子駅間のみを運行する列車との区別で使われている。この場合、前面は、最終行先の「成田」を表示し、側面にその車両の行先を表示している。 西武鉄道で採用された方式で、主に池袋発の秩父鉄道直通列車で見られる。なお、2013年3月16日まで新宿線系統では拝島線等への多層建て列車も存在し、このような表記で存在した。 近畿日本鉄道(一般車および22000系以降の特急車のみ)・阪神電気鉄道では「この車両○○まで」、阪急電鉄では「この車両は○○まで」と表記。かつて設定されていた近鉄南大阪線の大阪阿部野橋発、富田林・橿原神宮前行き準急の場合「前部(後部)車両は橿原神宮前(富田林)行き」。 阪神の車両の場合、行き先と交互に表示される。 南海電気鉄道のズームカーによる大運転では、「後部X両橋本(三日市町または河内長野)」と表示される。 阪急電鉄の場合、切り離される編成の行先表示は、英語表記のみ切り離される駅のものとなっている。 ホームに「分割案内板」などの切り離し位置を示す看板を用意する。小田急電鉄の事例が広く知られており、かつては編成パターンに応じてA~Eまでの分割案内板が設置されていた。 車両の座席や吊革などを行き先別に別の色にする。京王電鉄が採用した方法で、新宿発の特急で高尾山口・京王八王子の各方面に分割される列車では、京王八王子行きの編成の吊革の色を緑色に変えている。なお、2006年9月以降は分割・併合運転は実施されていないが、かつて分割・併合運転を行っていた8000系車両の一部に緑色の吊革を持つ編成が残る。この方式であれば、一括放送でも「吊革の色が白(あるいは緑)の車両は高尾山口行き」など、的確な案内が可能となる。なお、5000系 (初代)・5100系による4連+3連、ならびに6000系の5連+3連では高尾山口行き3連が緑色の吊革であった。 車両のアナウンスを、内容に応じて流す車両・流さない車両を切り替える(編成別放送)。小田急電鉄などで採用されていた方法で、小田急の場合1000形のうち8両固定・10両固定の編成・2000形以外の通勤車全車両に「分割放送装置」が設置されている。全車一斉・前編成・後編成と放送する対象車両を選択可能。なお、現在は活用されておらず、号車番号での案内になっている。ただし3000形の後期増備車では、液晶ディスプレイにより視覚的な案内を行なっている。 JR東日本では常磐線、高崎線など、途中の駅で分割併合を行う列車で分割放送装置を活用、高崎線では基本編成で「この電車は高崎行きです」を、付属編成で「この電車は籠原止まりです」の自動放送をそれぞれ流している。 京急では都営地下鉄浅草線直通列車と品川止まり列車、三崎口方面行き列車と浦賀・逗子線方面行き列車(現在は運用なし)が併結されている品川駅もしくは京急川崎駅 - 金沢文庫駅間で分割放送装置を活用している。 近鉄では多層建て列車に対して分割放送装置を活用している(同社では途中駅での増解結列車でも活用)。 国鉄211系電車では、車両個別に放送する対象車両を選択可能になっていたが、高崎線・宇都宮線では幌をつなぐことで、隣の編成の放送が聞こえてしまうことがあることから、あまり活用されていなかった。 「分割案内板」の例 : 分割案内板A(小田急小田原線下北沢駅)現在は新デザインのものに変わっている。 吊革の色分け例 : 緑色の吊革(京王電鉄) 吊革の色分け例 : 白色の吊革(京王電鉄) 車内行先表示の例(東武鉄道6050系電車)
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