円安
円安とは
円安とは、外国為替相場において、日本円の価値が他の通貨よりも低くなっている状態である。米ドルに対して円安の状態を「円安ドル高」、ユーロに対して円安の状態を「円安ユーロ高」と表現する。円安は、例えば1ドル110円が111円になることである。一方、円高は110円から109円になることである。
円安のメリットは、自働車メーカーや精密機器、電機、機械といった輸出企業の収益が拡大することであ。一方、円安のデメリットは、食料品や資材などを輸入している企業の収益が縮小することなどが挙げられる。円安にはメリット、デメリットがあり、同じように円高にもメリット、デメリットがある。そのため、円安と円高のどっちがいいと一概にはいえないが、急激な円安、急激な円高は経済混乱をきたす恐れがあるので好ましくないといえる。
円安(えんやす)
各国通貨の交換比率が決まる外国為替相場において、日本通貨である「円」の価値が相対的に下がることを円安という。その逆は、円高という。
ここ数年の為替相場を振り返ると、1ドル=80円を突破した1995年の円高水準から、1ドル=140円台を記録した1998年の円安水準まで、大きな変動が見られる。最近は、日本経済の先行きに対する心配から円が売られる傾向が強く、為替相場は円安に向かって進んでいる。
例えば、1ドル=120円から1ドル=140円というような円安になった場合、海外で販売された日本製品の売り上げは、1ドルあたり120円から140円に増加する。このように、円安は日本の輸出産業に潤いをもたらす結果につながる。
反対に、海外の製品を買うときには、同じ1ドルの価値のものにより多くの円をあてなければならないため、輸入品の物価は上昇する。ハンバーガーの半額セールで話題を呼んだマクドナルドは、円安を受けて原材料費が増えたことから、実質的な値上げに踏み切った。
さらに円安が進むと、デフレ基調にある日本国内の物価水準がインフレ基調に転換すると考えられることから、政府内には円安を容認する姿勢が見られる。
(2002.02.27更新)
円相場
(円安 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/31 05:25 UTC 版)
円相場(えんそうば)は、円に対する外貨の相対的価値(為替レート)のこと。通常は外貨1単位に相当する円貨額で表示する(通貨や市場によっては別の慣行もある)。
注釈
- ^ 昭和初期には、こちらを用いていたようである[55]。
- ^ a b 本位貨幣である金貨・銀貨は自由鋳造が認められており、鋳造枚数は政府準備金の他に民間から造幣局に持ち込まれる金や銀の量・鋳貨要求に左右され、金の国外流出と、銀が決済に活用されている様を写している。
- ^ 下関条約では賠償額を銀2億両(テール)と定めたが、三国干渉で返還した遼東半島の代償として報償金3000万両、威海衛守備費償却150万両を合わせて銀2億3150万両となった。これを相当額のソブリン金貨38,082,884ポンド15シリング6.5ペンスに換算して在外正貨として受け取った。
- ^ 現代でいう為替介入。
- ^ 円切上げ に「1973年4月18日にアメリカがドルの10%切下げを発表、これを受けた日本も翌4月19日に変動為替相場制への再移行を行った」と記載されているので、それに合わせた。
出典
- ^ “貿易取引通貨別比率(平成23年上半期)” (PDF). 財務省 (2011年7月21日). 2011年8月14日閲覧。
- ^ 神樹兵輔『面白いほどよくわかる最新経済のしくみ マクロ経済からミクロ経済まで素朴な疑問を一発解消』日本文芸社〈学校で教えない教科書〉、2008年8月、235頁。ISBN 4-537-25613-3。
- ^ 高橋洋一 (2014年9月22日). “[ニュースの深層] 円安を批判するのは「予測を誤ったエコノミスト」と「消費増税の悪影響を隠したい人たち”. 現代ビジネス 2014年9月22日閲覧。
- ^ 伊藤元重 (2009年3月10日). “アジアに広げる円高メリット”. PHPビジネスオンライン 衆知. オリジナルの2013年5月1日時点におけるアーカイブ。 2012年2月11日閲覧。
- ^ a b “COLUMN-〔インサイト〕円高イコール交易条件改善は事実でない、輸出産業の受けた被害=エコノミスト 岡田氏”. ロイター日本語ニュース. (2009年2月10日) 2010年11月30日閲覧。
- ^ a b c 飯田泰之 (2009年12月21日). “「円高で内需拡大」の嘘”. PHPビジネスオンライン 衆知. オリジナルの2012年7月29日時点におけるアーカイブ。 2012年2月11日閲覧。
- ^ 岩田規久男 2008, p. 101.
- ^ 岩田規久男 2008, p. 100.
- ^ 中谷巌『痛快!経済学』集英社インターナショナル、1999年3月5日。ISBN 4-7976-7001-0。
- ^ “量的緩和、偽薬のようなもの 翁邦雄・京大教授”. 朝日新聞デジタル. (2015年1月23日). オリジナルの2015年1月24日時点におけるアーカイブ。 2015年1月23日閲覧。
- ^ a b “円安vs原油安の経済学:鍵は「交易条件」”. 富士通総研 (2014年12月16日). 2015年2月15日閲覧。
- ^ 日高正裕; 藤岡徹 (2014年9月22日). “岩田元日銀副総裁:円安は「自国窮乏化」-08年と類似”. Bloomberg 2014年9月27日閲覧。
- ^ フライデー (2013年5月1日). “賢者の知恵 話題の本の著者に小幡 績 「アベノミクス」は若者を苦しめる。 礼賛するわけにはいきません。”. 現代ビジネス 2013年6月8日閲覧。
- ^ 大和総研『最新版 入門の入門 経済のしくみ』(第4版)日本実業出版社〈見る・読む・わかる〉、2002年4月、144頁。ISBN 4-5340-3376-1。
- ^ 田中秀臣(編) 2013, pp. 56–57.
- ^ 高橋洋一 (2014年9月29日). “[ニュースの深層] 消費増税で総理の「ちゃぶ台返し」はあるか?「地方創生国会」の経済再生論議に期待する”. 現代ビジネス 2014年9月29日閲覧。
- ^ 村上尚己 (2014年11月3日). “インフレが日本を救う 円安が輸出増につながらない本当の理由”. 東洋経済オンライン 2014年11月5日閲覧。
- ^ 村上尚己 (2014年9月25日). “コラム:さらなる円安が景気回復を後押しする訳=村上尚己氏”. ロイター日本語ニュース 2014年9月27日閲覧。
- ^ “クルーグマン教授・独白「日本経済は、世界の良きモデルになる」【1】ノーベル賞経済学者が安倍総理に直訴”. プレジデント・オンライン. (2015年1月2日)
- ^ 田中秀臣(編) 2013, p. 78.
- ^ 原田泰 & 大和総研 2009, p. 19.
- ^ “さらに金融緩和を、国債まだ買える 原田泰・早大教授”. 朝日新聞デジタル. (2015年1月21日). オリジナルの2015年1月21日時点におけるアーカイブ。
- ^ 岩田規久男『「不安」を「希望」に変える経済学』PHP研究所、2010年6月23日、235頁。ISBN 978-4-569-79061-9。
- ^ 田中秀臣 2010, pp. 228–229.
- ^ 田中秀臣『雇用大崩壊 失業率10%時代の到来』日本放送出版協会〈生活人新書 283〉、2009年3月10日、35頁。ISBN 978-4-14-088283-2。
- ^ 若田部昌澄 (2010年9月21日). “日銀よ、大胆な円高対策を”. PHPビジネスオンライン 衆知. オリジナルの2013年5月1日時点におけるアーカイブ。 2012年2月12日閲覧。
- ^ a b “リスク回避がもたらす円買い意欲 借金大国の通貨が買われる理由”. JBpress. Financial Times. (2010年7月14日). オリジナルの2010年7月16日時点におけるアーカイブ。 2011年7月20日閲覧。
- ^ “今は昔、「有事のドル買い」”. ウォール・ストリート・ジャーナル日本版. (2011年3月1日). オリジナルの2013年8月28日時点におけるアーカイブ。 2011年8月12日閲覧。
- ^ 松原聡『日本の経済』ナツメ社〈図解雑学シリーズ〉、2000年11月、206頁。ISBN 4-8163-2878-5。
- ^ 川村雄介(監修)『日本の金融』(改訂新版・第2版)ナツメ社〈図解雑学シリーズ〉、2007年11月、132頁。ISBN 4-8163-4361-X。
- ^ “インフレが日本を救う 1ドル110円以上の円安時代は来るのか”. 東洋経済オンライン. (2014年9月22日) 2014年9月22日閲覧。
- ^ 森永卓郎『「騙されない!」ための経済学 モリタク流・経済ニュースのウラ読み術』PHP研究所〈PHPビジネス新書〉、2008年4月18日、167頁。ISBN 4-5696-4897-5。
- ^ a b c 田村正之 (2010年6月21日). “ユーロ相場で考える「為替=国力説」の“幻想” 外貨投資の誤解(2)”. 日本経済新聞 2011年7月20日閲覧。
- ^ 原田泰 & 大和総研 2009, p. 16.
- ^ 原田泰 & 大和総研 2009, p. 21.
- ^ 高橋洋一『日本経済の真相』中経出版、2012年2月。ISBN 4-8061-4300-6。[要ページ番号]
- ^ a b 安達誠司 (2014年3月20日). “講座:ビジネスに役立つ世界経済【第38回】「円安レジーム」と「円高シンドローム」のせめぎ合い”. 現代ビジネス
- ^ 田中秀臣 2010, p. 231.
- ^ 田村正之 (2011年8月9日). “円高で「ドル金利差30年分が帳消し」偶然か”. 日本経済新聞
- ^ 野口悠紀雄 (2008年9月16日). “円高なくして成長なし”. PHPビジネスオンライン 衆知. オリジナルの2013年5月1日時点におけるアーカイブ。 2012年2月11日閲覧。
- ^ a b c 片岡剛士 (2010年10月13日). “円高は経済政策の失敗が原因だ” 2013年3月23日閲覧。
- ^ 田村正之 (2010年5月24日). “高金利通貨はずっと上昇する? 外貨投資の誤解(1)”. 日本経済新聞 2011年7月20日閲覧。
- ^ “外国法人等の株式保有比率は、前年度比プラス0.7ポイントと2年連続の上昇となった。” (PDF). 株式分布状況調査. 東京証券取引所. 2011年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月22日閲覧。
- ^ “海外投資家の日本株売買シェア/2010年度”. 日本経済新聞: 朝刊. (2011年4月8日)
- ^ “投資部門別 株式売買状況 東証第一部 [金額]” (PDF). 東京証券取引所. 2011年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月22日閲覧。
- ^ a b 山崎元 (2010年6月2日). “ショックに弱い日本株はいまこそ「買い」だ ギリシャ危機でまたまた下げ率ナンバー1”. 現代ビジネス 2011年8月15日閲覧。
- ^ 田村秀男 (2011年1月26日). “日本株出遅れはウソ、ドル・ベースで米国株と同じく回復”. 田村秀男の経済がわかれば、世界が分かる. 2011年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月11日閲覧。
- ^ 高橋洋一 (2011年8月8日). “10円円高になると日経平均は1100円下がる現実を見よ”. 現代ビジネス (講談社) 2011年8月15日閲覧。
- ^ 小幡績 (2011年3月7日). “日本に関する「ディカップリング」論は正しいか!?――外国人投資家の日本株買い(1)”. 東洋経済オンライン (東洋経済新報社). オリジナルの2011年6月28日時点におけるアーカイブ。 2011年7月20日閲覧。
- ^ 山独活継二 (2011年5月25日). “継続する外国人の日本株買い 主役は欧米からアジアマネーに”. ダイヤモンド・オンライン 2011年7月22日閲覧。
- ^ “日本株、外国人が29週連続で買い 最長記録さらに更新”. MSN産経ニュース. (2011年5月26日) 2011年7月22日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “マネー増加率は150カ国中最低”. TOPインタビュー. FNホールディング (2012年11月26日). 2013年3月31日閲覧。
- ^ “仲値”. 外為で資産運用!空飛び猫の外為情報. 外為用語の解説集. 2011年8月8日閲覧。
- ^ “仲値とは”. iFinance. 金融経済用語集. エフ・ブイ・ゲート. 2011年8月8日閲覧。
- ^ 塚本三吉(編)『経済学辞典』 上、改造社〈経済学全集 第56巻〉、1932年、113頁。全国書誌番号:46084714。"当時100円 = 49ドル7/8であった。"。(「外国為替相場」の項)
- ^ 吉野俊彦『円とドル』日本放送出版協会〈NHKライブラリー No.24〉、1996年3月1日。ISBN 4-14-084024-2。
- ^ 三上隆三『円の誕生 近代貨幣制度の成立』講談社〈講談社学術文庫〉、2011年1月14日(原著1989年)。ISBN 978-4-06-292030-8。
- ^ 戦間期日本の為替レート変動と輸出―1930年代前半の為替レート急落の影響を中心に― 畑瀬真理子、金融研究、p.99, p.100図表2、日本銀行金融研究所、2002年6月
- ^ 岩見隆夫『あのころのこと 女性たちが語る戦後政治』毎日新聞社、1993年9月、223-235頁。ISBN 4-620-30953-2。
- ^ a b 文藝春秋 1988, pp. 112–118.
- ^ 原田泰 (201010-07). “円高対策なのか、円高後対策なのか”. 大和総研グループ. 2011年8月18日閲覧。
- ^ a b 田中泰輔 (2011年3月30日). “震災後の円高は誤解が原因 FXの損切りが最高値更新招く”. ダイヤモンド・オンライン 2011年8月14日閲覧。
- ^ a b “史上最高値を更新した円高と2つの大震災”. ケン・ミレニアム (2011年3月17日). 2011年8月15日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “東日本大震災、金融市場にも大きな影響:識者はこうみる”. ロイター日本語ニュース. (2011年3月14日) 2011年8月14日閲覧。
- ^ “円、半年ぶり85円台 主要通貨に独歩安”. 朝日新聞. (2011年4月7日). オリジナルの2011年4月10日時点におけるアーカイブ。 2011年4月7日閲覧。
- ^ “円高:「国内産業の空洞化」に危機感 円売り単独介入”. 毎日新聞. (2011年8月4日) 2011年8月14日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “政府は理由なき為替変動あれば介入、当面は政府の姿勢が投機筋に影響=与謝野経財相”. ロイター日本語ニュース. (2011年8月4日) 2011年8月14日閲覧。
- ^ “米国債、初の格下げ=財政懸念で「ダブルAプラス」-世界経済に悪影響も・S&P”. 時事ドットコムニュース. (2011年8月6日) 2011年8月11日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 長谷川敏郎 (2018年2月4日). “日本株1年超ぶり下落率、米国ショック直撃-金利高警戒し全業種安い”. Bloomberg 2018年2月8日閲覧。
- ^ “円140円台に下落、24年ぶり円安水準更新(写真=共同)”. 日本経済新聞 (2022年9月1日). 2022年9月1日閲覧。
円安
「円安」の例文・使い方・用例・文例
- インフレにより円安圧力が高まっている。
- 保険料はそれより700円安くなります。
- それは私たちが考えていた価格より1万円安かった。
- 私はその本を定価より500円安く買った。
- 私はこの車を5000円安く買いました。
- 円安は物価高のもとになりますか。
- 円安が進んでいるね。
- この口は二円安です
- 円安や航空路線の拡充,東南アジアの国からの訪日客に対するビザの発給要件緩和により,旅行者は来日する意欲を持った。
- この端末は同クラスの他のスマホよりも1万5000円から3万円安い5万円前後で販売されている。
「円安」に関係したコラム
-
FX(外国為替証拠金取引)では、円高、円安という言葉をよく耳にします。例えば、USD/JPYが1ドル81.50円から81.30円へ値動きした場合には、円の価値が高くなったので、「20銭の円高」といいま...
-
FXのアノマリー(anomaly)とは、FX(外国為替証拠金取引)において、ファンダメンタルズやテクニカルでは理論的な裏付けのできない事象のことです。以下は、FXにおいてアノマリーといわれる事象の一覧...
GMOクリック証券の提供するバイナリーオプションのハイローの解説
GMOクリック証券株式会社の提供するバイナリーオプションは、外為オプション(外為OP)というサービス名で、ハイロー(HIGH&LOW)を提供しています。2012年5月現在、取り扱っている通貨ペアは、U...
-
FX(外国為替証拠金取引)の両建て(りょうだて)とは、1つの通貨ペアについて、売りポジションと買いポジションの両方のポジションを保有することです。両建ては、今後の為替レートが安くなるか高くなるかの予想...
-
FX(外国為替証拠金取引)のOCOは、現在の為替レートよりも上値と下値の2つの価格に指値、逆指値をする注文のことです。OCOは、為替レートの今後の予想が難しい時などに用いられることが多いようです。OC...
-
FX(外国為替証拠金取引)におけるロングポジションとは、手元に買い持ち高のある状態のことをいいます。一方、ショートポジションとは、手元に売り持ち高のある状態のことをいいます。▼ロングポジション例えば、...
- >> 「円安」を含む用語の索引
- 円安のページへのリンク