光体とアストラル旅行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/12 02:54 UTC 版)
「セレマ神秘主義」の記事における「光体とアストラル旅行」の解説
光体(Body of Light)——クロウリーの言葉で神秘体(subtle body)のこと——は、アストラル旅行中に肉体的な体を離れ、自身の感覚と意識を保つことが出来る自己の論理的側面である。クロウリーは『Book 4』の中でこう書いている。「光体の作業——ヨガの技法による——は、魔術の基礎である。」 神秘主義の場合は、光体は脳のように全く同じ厳格な規律で開発され訓練されなければならない。魔術の技法で重要なのは光体の開発であり、それは、すべてのメンバーのオーガズムと実際は宇宙を取り入れるために拡張されなければならない。(中略)その目的はどのような特定の作業が目の前に横たわろうとも、簡単に行う能力を持つ体を有することである。自身の直接的な欲望を懇願する特別な経験の選択であってはならない。(魔術師は)すべての可能な塔門を通過し着実に進まなければならない。 クロウリーは光体の開発で最も重要な実践を下記のように説明している。 儀式の継続的な使用、神形を纏う、聖体の使用する光による光体の強化 召喚の儀式の使用による光体の浄化と聖別と精神的高揚 経験による光体への教育。直面するであろうすべての障害を壊すため、すべての界へ旅行することを学ばなければならない。 アストラル旅行の利点で基本的なもののひとつは教育である。それは、自身の精神的な世界(「すべての魔術師は彼自身特有のアストラル宇宙を所有している。」)を探求し、基本となる要素を理解するのと同じであり、そうすることでアデプトはついにそれを習得する。主な目的は、「アストラル界の制御、アストラル界で自分の道を見つける能力、俗悪なものから保護されるという聖域の深い理解、そして、そこに住んでいる知識や力を獲得したり奉仕を命令するのに役立つであろう存在との関係を築くこと」である。また、「自身のアストラル界の理解は、分析によって天使、大天使、神々がそこから来たことを導き出すために正確でなければならない。もし、純粋なビールを望むのなら、純粋な原料を持たなければならない。」自身の真の意志を発見する大いなる業へ貢献するべきものとして、このすべてを理解することは極めて重要である。 魔術師を指導し強化することができ、また、反証を越えた証言でその正体を証明することができる、肉体のない存在の聖域の理解をするために公然と設計されたアストラル界で魔術師を冒険させよ。それら以外のすべての説明は、拡張し平衡化する知識として、または恐らく、強さの源を彼自身の方法で見つける魔術師にエネルギーを供給するだけの価値かがる。すべての場合で、無価値は一つの大いなる業を援助するために奉仕するものとしてオーボル(古代ギリシャの銀貨)を蓄えるほどの価値がある。 クロウリーは、また、「アストラル旅行」中に経験したことは何が「現実」で何が「現実でない」かという観点では関係がないことを積極的に認めた。結局、この実践のたった一つの価値は、アデプトに提供された実用性である。 それらの象徴の「現実性」や「客観性」は、議論するには適当ではない。(中略)魔術師はアストラル界の(私の)報告、(私の)カバラ的な発見、(私の)魔術の指示を受け入れるべきではない。それらは、ほとんどの人にとって正しいかも知れないが、二人の芸術家が同じ題材を全く同じ絵に描けないように、それらは(私自身を)いくらか助けるためで(彼らにとって)完全な真実になることはできない。(中略)魔術師が見たり聞いたりしたことは、それが事実そのものであろうと、彼の欲望で破壊されようと、彼の人格で作られようとも、この点で「真実」である。(中略)魔術師の幻視の本当の現実、最後の試験は、彼らの価値である。アストラル界の最も素晴らしい経験は、それは幻惑させ、興奮させるものであり、預言者の真の意志に合致する必要はない。つまり、もしそうでないとしたら、それが一度も客観的な真実でないとはいえ、彼にとって有用でないため、それは彼の真実ではない。 光体は単にアストラル旅行のため以上にもっと重要である。——光体はすべての経験の貯蔵庫である。 儀式魔術では、その反対で、魔術師は外側の世界のヴェイルを通過し(ヨガの言い方では。別の言い方では、超越すると比較して「非現実」になる)、彼は光体と呼ばれる神秘体(道具の方がより良い言葉だが)を創造する。つまり、光体は発達し制御する。通常は「参入儀式」と呼ばれるものによって成長したとき新しい力を増す。最後に、魔術師はこの光体にほとんど自身の全人生を携行し、自身の方法で宇宙の統制を達成する。
※この「光体とアストラル旅行」の解説は、「セレマ神秘主義」の解説の一部です。
「光体とアストラル旅行」を含む「セレマ神秘主義」の記事については、「セレマ神秘主義」の概要を参照ください。
- 光体とアストラル旅行のページへのリンク