伊勢の御師とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 伊勢の御師の意味・解説 

いせ‐の‐おし【×勢の御師】

読み方:いせのおし

伊勢神宮下級神職。伊勢暦御祓(おはらい)を配ったり、また伊勢参り人々案内や宿の世話をしたりした。


伊勢の御師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 00:40 UTC 版)

お蔭参り」の記事における「伊勢の御師」の解説

神宮御厨における在地領主伸長伴って御厨からの年貢滞納頻発するようになったため、望み祈祷して対価を得はじめたのが、伊勢神宮御師檀那の関係の始まりである。荘園制崩壊して御厨からの収益断たれ神宮経済基盤御厨からの収益から参宮者のご祈祷料や宿泊料へと基軸が移る中世後期には、御師活動本格化し、御厨などの土地関係から離れ広く全国人々師檀関係を結んでいくようになった。その担い手も、当初は「神人(じにん)」と呼ばれる荒木田度会姓を持つ中下神主であったが、中世後期には、代官として在地人々との接触慣れてきた「神役人(じやくにん)」と呼ばれる伊勢町衆層に移り変わった御師は、各地伊勢講をにぎり、伊勢講員との間に師檀関係を結んで檀家広げていったが、室町時代には在地領主などの武士層から、より広い階級伊勢御師檀家となっており、戦国時代には大名師檀契約結んでその領内人々を自らの檀家とする御師現れ伊勢信仰拡張していった。安土桃山時代には、遠方九州豊後において、姓を持たないような下層農民にまで御師との師檀関係があることが確認できる。そして、近世に入ると御師活動はさらに広がり御師の数は最盛期には内外宮御師合わせて800軒を超える数となり、檀家数は安永6年1777年)の『外宮師職壇方家数改帳』によると、当時の総戸数89%に当たる約420万戸もの数を数えるに至っており、ほぼ全戸伊勢御師との師檀関係が及んだ御師活動は、数名ずつのグループ分かれて各地散らばって農村部神宮大麻伊勢暦、その他伊勢土産物などを配り神宮神威説いて参宮勧めたり豊作祈願行ったりするものであり、その年に収穫された米を初穂料として受け取る事で生計立てていた。伊勢神宮神田には全国から稲穂の種が集まり参宮した農民品種改良された新種の種を持ち帰った御師は、檀家巡回先駆けて、その村役人などに手紙出してその旨事前に連絡し巡回する予定告知し伊勢講の「総代」「世話人」「帳元」と呼ばれる役職の者が、来村した御師手代応対に当たり、その他初穂祈祷に関する御師との往来事務当たった伊勢旅立った者は、伊勢滞在時に大抵、自分達の集落担当している御師お世話になっていた。参宮者は、伊勢到着する予定数日前に、事前に担当御師手紙出して到着予定日告知し松阪小俣のあたりに着くと、御師手代をやって参宮者を出迎え宮川を渡ると駕籠宿屋となる御師邸まで送迎した。御師伊勢参拝に来る人をもてなすため、自分の家宿屋経営している事が多かった御師宿屋では、盛装した御師によって豪華な食器載った伊勢松坂山海の珍味などの豪勢な料理歌舞もてなし農民住んでいる所では使ったとがないような絹の布団寝かせる、など参拝者飽きさせないもてなし行ったまた、神楽料を払うことができる場合には、湯立神楽行い参拝者祈願行った。そして、伊勢神宮伊勢観光ガイド勤め参拝作法教えたり伊勢名所歓楽街案内して回った。この時、豊受大御神祀られている外宮先に参拝し天照大御神祀られている本殿内宮へ向かうしきたりで、外宮先祭という。

※この「伊勢の御師」の解説は、「お蔭参り」の解説の一部です。
「伊勢の御師」を含む「お蔭参り」の記事については、「お蔭参り」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「伊勢の御師」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「伊勢の御師」の関連用語

伊勢の御師のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



伊勢の御師のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのお蔭参り (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS