人身御供の分析とは? わかりやすく解説

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人身御供の分析

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 15:43 UTC 版)

人身御供」の記事における「人身御供の分析」の解説

神話学者高木敏雄は「日本神話伝説研究」において、人身御供伝説形式分類行っている。(高木自身は、日本国内人身御供存在には懐疑的であったが、見付天神人身御供を例にとって「人身御供そのもの過去事実として信ぜられている。すべての民間伝説その伝地の民においては、必ず事実として信ぜられるものであるから」述べている。) 何故人御供起こったのか、その謎について、高木敏雄は「日本神話伝説研究501頁―502頁にて考え述べている。 凡(すべ)ての水界空中界と、まだ人類勢力範囲成っていない陸界の一部分とは、神の領分である。人類社會(会)の發(発)展はこの神の領分縮小壓(圧)迫である。領分縮小圧迫は神に対す侵害である。この侵害に對(対)して、神は相當(当)の防禦(禦=御)手段を取ることもあれば、相當(当)の犠牲人類から得て満足することもある。この場合に人の生命又は身体犠牲にされると、其處(処)に人身供犠という現象生ずのである。併(しか)しこの如きは、人類史現象として餘(余)りに一般的 そして、早太郎童話論考扱っている邪神夜叉女子男子生贄を與(与)える神話異な人身御供の話を同書502ページより述べている。 此(この)種の犠牲は、人類社会利害異にする、あるいは反対にする、廣(広)い意味でいえば、人類社会の外にある邪神対す犠牲であって、内にある神、即ちある種族または部落守護神、小にしては所謂いわゆる鎮守ちんじゅ)の社(もり)に鎮(しずま)りまして、その部落親密なる親子主従のような関係を持っている神に対す犠牲とは全然その性質異なっている。後者祭祀は、年々定まった季節又は月日行なわれる慣例により神聖となった厳重な時として面倒臭い儀式の下に行なわれる祭祀である。この祭祀一個必須条件として人身供犠が行なわれるが、最も狭い意味においての人身御供で、人類宗教史上の現象として甚(はなは)だ重要なるものの一つである この形式行われた恐れのある祭祀が、坂戸明神人身御供の儀式であると同書高木敏雄日本神話伝説研究岡書院1925年5月20日発行525頁―527頁)の中で高木敏雄述べている。 坂戸明神の話に移る。久しい間の伝承神聖にされた、馬鹿にできぬ儀式がある。祭祀儀式としての人身御供存在説主張する者の提供した或は寧ろ提供し得る證據しょうこ物件の中で最も有力なるものである。爼(マナイタ)と庖丁ホウチョウ)、それから生きた實(実)物の人間考えたばかりでも身の毛が立つ。爼と庖丁とが、果たし人間を神に供えた風習痕跡だとしたらどうだ。犠牲を享(う)ける神は、鎮守の社祀られる神である。捧げるものは氏子部落である。捧げられる犠牲は、氏子仲間から取らなければならぬ。人身御供という風習言葉中には久しい間の慣例云うことの意味含まれているではないか鎮守の社祭祀は、年毎行われる儀式である。人身御供云うことが此祭祀恒例となっている以上は、春秋二度とまで行かずとも毎年一度少なくとも二三年に一度位は行わなければなるまい凡て伝説は、毎年こととしているではないか ※「広報ふじ1967 ふるさとでんせつ1967年5月15日発行3頁で語られる生贄の淵」の人身御供を伴う祭り12年毎に行われると書かれており、諏訪神社行われていたとされる人身御供の儀式3年であった考えられているため、人身御供を伴う祭りが、必ずしも毎年あったとされているわけではない528頁では、人身御供伝説史実とした場合問題点をあげている。 528頁 普通の場合神前供える物は、生贄でも果穀でも調理したものでもすべて、再び神前から下げられて、信者の口に入るとか、河へ流されるとか火に焼かれるとかする。若(も)し肉体具えぬ神の祭壇に人を供えるとしたら、この人を殺す役目に当たる者のことも考えねばならぬ。殺す儀式のことも考えてねばならぬ殺した後の死骸始末は、更に重要な問題として考えても貰わねばならぬ

※この「人身御供の分析」の解説は、「人身御供」の解説の一部です。
「人身御供の分析」を含む「人身御供」の記事については、「人身御供」の概要を参照ください。

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