五年戦役とは? わかりやすく解説

五年戦役

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 04:40 UTC 版)

ティムール」の記事における「五年戦役」の解説

1392年トクタミシュ破って間も無くティムール西アジア遠征再開する。この戦役は「五年戦役」と呼ばれる遠征の前、ティムールイラン全土支配権チンギス・ハーンからチャガタイの子孫に与えられたという名分掲げイラン支配正当性主張した戦役最初ティムールマーザンダラーン残っていた未征服都市占領したムザッファル朝への攻撃再開されシーラーズに向かうティムールをシャーヒ・シュジャーの甥シャー・マンスール迎撃した。1393年5月ティムール軍とシャー・マンスールシーラーズ近郊交戦戦闘混乱の中で親衛隊からはぐれたティムールシャー・マンスール肉迫され、頭を2度切りつけられる危機陥るシャー・マンスール主君危機に気が付いた兵士によって殺害されティムール軍は勝利の後にシーラーズ占領した当初ティムールムザッファル朝王族厚遇していたが後に彼らを処刑しムザッファル朝領土併合したジャライル朝のスルターン・アフマドから服従拒否する書簡送られると、ティムールアフマド本拠地バグダード攻撃するためさらに西進続けたティムール軍の接近知ったアフマドエジプト逃亡しバグダードティムール支配下入ったバグダード占領後ティムールバグダード北部跋扈していた盗賊団討伐向かい城壁破壊地下トンネル建設のために72,000人の兵士動員したという。砦を陥落させた後、犯罪者への見せしめとして盗賊団生首重ねた塔が建てられた。 バグダード陥落後、ティムール軍の中で黒羊朝との戦い敗れて撤退していた一団マムルーク朝捕虜となる。ティムール捕虜釈放要求するが、マムルーク朝のスルターン・バルクークは要求の裏にあるティムール意図疑って、エルテナ侯国オスマン帝国黒羊朝ジョチ・ウルス同盟の結成呼び掛けたジャライル朝アフマドカイロ亡命するバルクークは彼を歓待しティムールバルクーク書簡通して互い挑発しあった。しかし、グルジアアゼルバイジャンでの反乱トクタミシュ討伐準備のために、五年戦役ではエジプトへの遠征決行されなかった。1394年1月もしくは2月)に王子ウマル・シャイフがクルディスタン戦死3月に孫のウルグ・ベク誕生すると、ティムール誕生祝して反乱者に恩赦与えたティムール反乱鎮圧しながら東方に戻ると、防衛のためにシリア駐屯していたバルクークカイロ引き上げたこの年マムルーク朝黒羊朝支援受けたアフマドによってバグダード奪還される。 1394年末にトクタミシュデルベント越えてティムール朝領土略奪を行うと、ティムール遠征の準備進めた1395年春にティムールは北に軍を進めテレク川トクタミシュ激突した(テレク河畔戦い英語版))。トクタミシュ兵士囲まれティムールは矢をすべて使い果たして折りながらも敵兵撃退し助け兵士到着するまで持ちこたえる3日にわたる激戦の末にティムール勝利を収め部下忠誠心はより高まった。さらにドン川遡ってモスクワ大公国ジョチ・ウルス領土侵入し1395年から翌1396年にかけてサライアストラハン破壊した。 テレク河畔での勝いとサライ破壊は、トクタミシュ決定的な一撃与えた戦後ティムールマンギト部の有力貴族エディゲジョチ家王族ティムール・クトルクらがキプチャク草原新たな政権立てることを承認した1396年春にティムールデルベント経由して夏にサマルカンド帰還し、五年戦役は終結した1397年ごろにティムールヒズル・ホージャの娘テュケル(トゥカル)を妃に迎えモグーリスタン同盟結んだ。テュケルとの結婚に際してティムールは彼女を迎えるためにサマルカンド郊外宮殿庭園造営した同年に孫のムハンマド・スルタンをモグーリスタン統治派遣して中国遠征準備進めるが、インド遠征によって中国への軍事活動はいったん中断される

※この「五年戦役」の解説は、「ティムール」の解説の一部です。
「五年戦役」を含む「ティムール」の記事については、「ティムール」の概要を参照ください。

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