世論調査で明らかになった支持者像
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「ドイツのための選択肢」の記事における「世論調査で明らかになった支持者像」の解説
2013年ドイツ連邦議会選挙に際して、AfDは女性よりも男性有権者から支持されたことが選挙分析から明確になっていた。当時、この党は労働者階層から支持を受けた。さらに、この党はドイツ自由民主党と左翼党のかつての支持者たちから投票先として選択された。さらに、AfDへの投票者の60%は党への強い一体感からではなく、他党への失望から投票していた。 ライプツィヒ大学で調査編集されるドイツ極右思想第8回中間研究報告が2014年6月に刊行され、2432人に質問した結果、52人が今後おこなわれるドイツ連邦議会選挙でAfDに投票すると回答したと発表した。AfDに投票すると回答した52人の内26人が外国人嫌悪感情を持ち、15人が排外主義的かつ国家主義的で、7人が反ユダヤ主義的傾向を示していた。このような回答から、この党支持者らは極右政党支持者の一歩手前に位置しているとこの調査は見なしている。 ドイツ社会民主党に近いフリードリヒ・エーベルト財団の委託を受けて実施され2014年11月に公表された世論調査では、1915人中68人が今後のドイツ連邦議会選挙においてAfDに投票すると回答。その分析によるとAfDに投票すると答えた68人には平均値を上回る排外主義者(41%)、外国人嫌悪感情を持つ者(16%)、国家社会主義の危険を軽視する者(14%)が存在していた報告されていた。 2014年6月に世論調査会社フォルサが発表した世論調査結果によれば、AfD支持者は他の極右政党支持者とは明らかに異なった傾向を示していた。AfD支持者は比較的収入が高い中上層の社会階層出身者が多く、高学歴の傾向を示した。けれども、この党もドイツ連邦議会に議席を持つ政党として持つべき信頼性が共に欠けていた。支持者たちに見られる経済に関する悲観的見解や、平均を上回る無宗派比率と男性比率の多さが党への信頼性の低さに結びついている。とりわけ、ホワイトカラー、年金生活者がAfD支持者において目立ち、反対に個人事業主や公務員、労働者たちがAfD支持層に少ない。AfD支持者の55 %が自らの政治的位置を中間派と見なしており、政治的右翼であると見なしているのは28%に過ぎず、政治的左翼であると見なしている支持者も17%もいた。 アレンスバッハ世論調査研究所の研究報告によると、世論調査専門家レイナーテ・ケッヘナーはAfDを2014年10月において欧州統合に距離を持ち、移民は不快感をもたらす存在と見なす有権者たちから支持を集めている党と定義している。通貨同盟と欧州連合はAfD支持者たちからは国民全体の平均値よりも批判的であった。AfD支持者たちは欧州連合EUをドイツの豊かさにとってリスクになると見なしており、さらに国家としての特徴づけを失わせる厄介な存在と受け取っている。それに比べて、平和問題と共通経済圏としてのユーロ圏への関心は一般国民の平均値よりも低い。AfD支持者たちにとって何よりも重要なことは、AfDが既成政党による政治的合意や妥協を破壊することにある。多くの支持者たちは、AfDは他党とは明確に異なる政治的立場を代表していると見なしている。彼らは党首だったルッケが政治に新鮮な風をもたらしたと見なしている。党の目的として支持者たちは移民を制限すること、現行の亡命者難民庇護法を改正し受け入れを厳しく制限することを求めている。さらに共通通貨ユーロを廃止し、欧州連合の価値や重要性を否定し、昔のように国家の利益を決定的なものとして何よりも優先することも求めている。同時に彼らは市民の政治参加促進(直接民主制導入)、国内安全保障(テロ対策等)、改革遅延解消、社会正義と経済と中産階級の利益維持の擁護者としてAfDを見なしている。支持者のおよそ4分の3はAfDのみが他の政党よりも最上の未来構想を持っていると信じていた。支持者の党に寄せる信頼の高さはキリスト教民主同盟(CDU)/キリスト教社会同盟(CSU)でも同様であった。 ドイツ公共放送連盟から委託されたインフラテスト・ディマップ研究所の世論調査結果が2015年10月に発表された。その世論調査において調査対象者の6%がAfDに投票すると回答した。AfD支持者の95%はドイツ政府に不満を持ち(満足しているのは5%)、その不満足と回答した比率はドイツの政党支持者の中で最も高かった。移民流入の結果をAfD支持者の93%はドイツにとってマイナスと見なし(利益に適ったと見なしたのは1%)、79%はクリミア危機後における対ロシア制裁の緩和することに賛成し、ロシア制裁継続の21%を大きく上回った。2015年11月に発表された同研究所の別の世論調査において、国境における出入国管理施設の拡充にAfD支持者の93%が賛成を表明(反対は5%)、83%がドレスデンで活動しているペギーダ運動西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者に大きな理解を示した。その世論調査において全回答者の8%(西部ドイツが7%、東部ドイツが12%)がAfDに投票すると回答した。2013年のドイツ連邦議会選挙以降において、ドイツのための選択肢はキリスト教民主同盟(CDU)、ドイツ社会民主党(SPD)、左翼党(Die Linkspartei(ディー・リンクスパルタイ))の支持層から新たな支持者を獲得している。
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