上田作之丞と拠遊館の人脈とは? わかりやすく解説

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上田作之丞と拠遊館の人脈

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/26 16:43 UTC 版)

黒羽織党」の記事における「上田作之丞と拠遊館の人脈」の解説

上田作之丞(1788年 - 1864年、諱は貞幹、後に耕と改めた)は、加賀八家一つ本多家徒士頭上田貞固(250石)の次男である。兄八百記が勤務中に上役口論して改易となったため、作之丞は母と暮らし金沢城下町市内私塾「拠遊館」を開塾して素読算術教えた文化6年1809年本多利明金沢来訪すると、入門し算術経済について学ぶ。本多重商主義的な国産増殖交易論は上田作之丞に大きな影響与えた上田本多からその才を愛され、娘の婿に迎えられようとしたが、これは固辞している。利明が去った後は、弟の養子先厄介人として藩校明倫堂入学して優秀な成績修めたが、実用に益なしとして退学し独学の末に小松習学所の教授となり、家老本多家の儒臣を勤めた。しかし文政9年致仕して浪人となり、引き続き拠遊館で町人武士実学教えた門弟一時数百人に上り本多家致仕したのも、その影響力を恐れられたために讒言にあったためだという。 上田学問特徴は、当時正統的学問朱子学基本とした藩校明倫堂には対照的に韓非子老子朱子など古典の中から、現実状況合致する部分のみを教授し、「日用事実」に基づく格物窮理重んじる徹底した実学志向にある。このため学」と称され上田自身もこの称を認めていた。その思想農本主義主軸とし、商人軽んじる従来儒学延長上にありながらも、貧民救済説きつつ、米や国産品肥料などを藩直営にすることを主張していた。論者によって上田農本主義者・重農主義者・抑商論者見なされることもあるが、決し商業否定している訳ではなく士農工商四季運行なぞらえ小生産者や小商人自立的営為をむしろ賞賛していた。ただし上田私欲に走る都市部の「姦商」の振る舞いには否定的であり、株仲間による運上銀は、商人利益追求(すなわち私欲)によるものとして強く批判し、その著『讝語秘策』で株仲間のことを「姦猾之徒」とまで痛罵している。この意味株仲間解散させた奥村政権共通する部分もあったが、奥村政権商業抑制しながらも、結局銭屋大商人癒着して御用銀財政立て直し画策したのを激しく批判し逆に農村における商人機能必要性在郷商人育成提唱していた。ただし江戸期一般経世学者と同様、上田物価価格システム本質的な理解までには及んでおらず、物価高騰商人私欲よるものとして理解していた点に限界があった。 上田主宰した拠遊館では、政治経済に関する時事問題討論させるのが特徴で、町民にも門戸を開いていたほか、上級藩士の子弟の中にも教えを請うものが多く塾生数百人にのぼった長連弘はじめとする上田の上藩士らは、総じて天保藩政改革担った奥村栄実批判的であり、奥村死後にいよいよ藩政主導権を握ることとなる。

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