上田交通譲渡後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/27 01:07 UTC 版)
「長野電鉄デハ350形電車」の記事における「上田交通譲渡後」の解説
上田交通へ譲渡された3両のうち、モハ612はモハ5270形モハ5271(2代)として1981年(昭和56年)6月24日付認可で導入されたが、他の2両については当初部品取りおよび倉庫代用として使用する目的で譲り受けたことから、整備を受けることなく上田原車庫構内において留置された。その後譲渡より2年余りが経過した1983年(昭和58年)にモハ604については整備が実施され、電装解除の上で制御車化され、同年6月13日付認可でクハ270形クハ271(2代)として導入された。なお、モハ611については上田原駅構内に存在した上田原電車区において倉庫代用として用いられ、鉄道車両として導入されることはなかった。 本形式に先行して譲渡・導入された長野電鉄モハ100形・モハ200形(上田交通モハ5260形・クハ260形)と同様、導入に際しては車体塗装の上田交通標準塗装への塗り替えのほか、導入線区である同社別所線の架線電圧が長野電鉄各路線の直流1,500Vに対して直流750Vと異なることから降圧改造が施工された。 1986年(昭和61年)10月1日付で実施された別所線の架線電圧の直流1,500Vへの昇圧に際して、モハ5271・クハ271(ともに2代)は前日の9月30日をもって運用を離脱、昇圧当日の10月1日付で廃車となった。 廃車後、クハ271は長野電鉄へ返還され、車体表記をモハ604に復元した上で保管されたのち、1990年(平成2年)より小布施駅構内に新設された「ながでん電車の広場」にて静態保存された。 その後、2012年(平成24年)に2000系D編成保存のため信濃川田駅跡に移動、2014年(平成26年)10月に安曇野ちひろ公園に開設される「トットちゃん広場」で「電車の教室」として利用するため北安曇郡松川村に再移動し、2016年(平成28年)7月から公開されている。 なお、別所線の沿線自治体である上田市の別所線存続運動プロジェクトチーム「アイプロジェクト」において用いられるキャラクターのうち、「あかぼうしくん」は上田交通モハ5271(2代)を、「あかねちゃん」は終始倉庫として用いられたモハ611をそれぞれモデルとして考案されたものである。
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