一点ものとしての源氏物語礼讃歌とは? わかりやすく解説

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一点ものとしての源氏物語礼讃歌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/20 13:45 UTC 版)

源氏物語礼讃歌」の記事における「一点ものとしての源氏物語礼讃歌」の解説

与謝野晶子当初、この「源氏物語礼讃歌」を活字化するつもりはなかったらしく、先の大正9年1月25日小林一三与謝野晶子書簡には「私の死後遺稿集でも出すときに入れて欲しい」といった記述がある。その後この「源氏物語礼讃歌」は、「屏風」・「短冊」・「歌帖」・「巻物」などさまざまな形態での配布が行われたものの、これらはいずれそれぞれ一点もの」として作られ、ごく親しい人に個人的に送るためのものであった1920年大正9年3月11日付け小林天眠宛の与謝野晶子書簡によれば歌人でもある九条武子にも送られていたと考えられる1920年大正9年春になって、与謝野夫妻最大スポンサーである小林天眠に送られたものもあり、これは晶子和歌短冊源氏物語五十四帖』(大正9年4月日付)として、現在京都府総合資料館小林天眠文庫所蔵となっている。なお、この短冊について、晶子が「柏木」巻の和歌書いた際に書き損じてしまい、同じ料紙が手に入らなかったためこの1枚だけ別の料紙書いて送ったが、後に同じ料紙手に入ったとして書き直して送っている。この2つ和歌短冊は、料紙異なるだけでなく、和歌そのもの当初送られと見られる和歌が「死ぬ日にも罪むくひど知るきはの涙に似ざる火のしづくおつ」、後に改め送られと見られる和歌が「二ごころ誰先づもちて恋しく淋しき夜をばつくり初めけん」と、それぞれ全く異なるものになっている小林天眠は当初送られてきた短冊後で送られてきた短冊との両方保存したため、現在も京都府立総合資料館小林天眠文庫所蔵晶子和歌短冊源氏物語五十四帖』には柏木和歌短冊2巻含まれている。なお、京都府立総合資料館小林天眠文庫には、この他制作年月日不明晶子歌帖『源氏物語礼讃』も所蔵されている。 1921年大正10年11月発行第2期明星第4巻第2号には、「与謝野夫人作歌並書」である『源氏物語礼讃』の広告掲載されている。これは「平安朝文学精通し源氏』、『栄華』の両物語味解において現代第一人者たる与謝野夫人」が「源氏物語の各帖を賛美し54首の歌を作り、これを自ら色紙書して優麗雅な高島屋特製豪華な装丁施した空前一大歌帖」を桐箱入れたもの」とされており、これを希望する申込先着者1名に限り価格350円にて頒布する旨の広告掲載されている、これは実際に申込先着者に販売されたという。同種の広告1939年昭和14年9月発行の『冬柏』にも掲載されている。 1934年昭和9年1月25日付け与謝野鉄幹菅沼四郎宛書簡には、「石井正宗山下三氏の絵に讃歌認め候」とあり、石井冬拍らの絵にしたためたものもあったと見られる1939年昭和14年10月開催された「新新訳源氏物語完成記念祝賀会」の案内においても、54首のうちいずれか1首の揮毫された短冊が金5円、全54首すべてが揮毫された巻物が金100円、特別仕立巻物を金200円にて販売する記されている。これは晶子高弟平野万里発案よるものであり、このとき販売され巻物のひとつは堺市博物館所蔵に、このときは屏風仕立てたものもつくられたらしく、その一つは現在神戸親和女子大学付属図書館所蔵になっているまた、紫式部邸宅跡である京都市上京区廬山寺にも巻物寄贈されており、これも1939年昭和14年)の晶子による書とみられている。

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