一向俊聖の「一向宗」とは? わかりやすく解説

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一向俊聖の「一向宗」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 02:46 UTC 版)

一向宗」の記事における「一向俊聖の「一向宗」」の解説

鎌倉時代僧侶一向俊聖暦仁2年1239年)? - 弘安10年1287年)?、以下「一向」と表記)を祖とする宗派一向筑後国草野家出身で、はじめは浄土宗鎮西派西山派という異説もある)の僧侶であった。後に各地遊行回国し、踊り念仏天道念佛修し道場設けた近江国番場蓮華寺にて立ち往生して最期迎えたという。 以後、同寺を本山として東北関東尾張近江一向法流伝え寺院分布し教団形成するようになった鎌倉時代末期書かれた『野守鏡』にはこの教団一向宗呼んで後世浄土真宗とは全く無関係宗派として存在している事が記録されている。 一向一遍智真同時期の人物であり、ともに遊行踊り念仏行儀とする念仏勧進聖であることから、一向の「一向宗」は一遍の「時衆」と混同されるようになっていく。『天狗草子』に記された「一向宗」は、一遍の衆を指したのである一向俊聖の項を参考)。たしかに一向一遍同様に浄土宗影響受けて自己の教義確立させたものであるが、全く別箇教団開いたのであるまた、一遍違い一向教え踊り念仏を行うとはいえ念仏そのもの特別な宗教的意義見出す事は少なかったとされている。ところが時代が降るにつれ、一向教えが同じ踊り念仏一遍教え混同され、更に親鸞興した浄土真宗とも混ざり合うという現象見られるうになる。特に一向教義早い段階流入していた北陸地方ではその傾向顕著であった浄土真宗本願寺八世蓮如北陸地方活動の場求めた時に布教対象としたのはこうした一向や一遍の影響受けて同じ浄土教土壌有した僧侶信者であり、蓮如はこれを「一向衆」(「一向宗」ではない)と呼んだ蓮如布教時に一向宗時宗支配層との結びつき強め民衆から離れ一向宗民衆蓮如教団なびいた結果一向宗呼ばれるふさわしかったともいわれる本願寺及び蓮如北陸における成功背景はこうした近似した宗教的価値観持った一向衆」の存在大きいわけであるが、同時に蓮如はこれによって親鸞教え歪められてしまう事を恐れた。さらに別の事由から他宗派より「一向宗」と呼称されていたこと(後述)も彼の憂慮深めた文明5年1473年)に蓮如によって書かれた『帖外御文』において「夫一向宗と云、時衆方之名なり、一遍一向是也。其源とは江州ばんばの道場是則一向宗なり」とし、一向宗一向教団でもあることを明記して本願寺門徒一向宗の名前を使ったものは破門するとまで書かれているものの、ここでも一遍一向宗派混同されている。 江戸時代に入ると、江戸幕府本末制度徹底図り系譜異にするさまざまな念仏勧進聖が、清浄光寺総本山とする単一宗派時宗」の管轄下に編成された。この際一向流派独立した宗派とは認められず、「一向宗」の呼称用いる事も禁じられた。『時宗要略譜』によると、時宗十二派のうち、一向派と天童派が一向法脈受け継ぐものとされている。一向派(かつての一向一向宗)は再三にわたり時宗からの独立求めたが実らなかった。 明治時代になって中期一向派から独立転宗を唱える者が出現し一向派は浄土宗宗務院に「所轄帰入願」を、時宗教務院に「時宗一向独立認可願」を提出した。しかし一向派の独立・転宗を認めてしまうと、明治以降衰退著しく時宗寺院少ない上に、さらに減少することになるので、時宗当局は、これを認めようとしなかった。 大半寺院時宗離れ一向母体であった浄土宗帰属するようになったのは、昭和時代入った1943年の事であった誰も知らなかった

※この「一向俊聖の「一向宗」」の解説は、「一向宗」の解説の一部です。
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