ルートとコース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/21 21:02 UTC 版)
「ラリー・モンゴリア」の記事における「ルートとコース」の解説
ラリールートは、基本的にモンゴル国の首都ウランバートルをスタートし、8日から10日間でモンゴル国内を4000km~5000kmにわたって走破し、ウランバートルに戻ってくる設定となる。開催時期は、気候の温暖な7月から8月におこなわれる。草原・砂漠・山岳地帯を走破し、モンゴル中部・北部の草原地帯や、ゴビ砂漠などの砂漠・土漠地帯、モンゴル西部のハンガイ山脈やアルタイ山脈などの山岳地帯を織り交ぜながらルート設定される。日本の著名な四輪ドライバーに「モンゴルには世界の全ての道がある!」と言わしめる所以である。 また、標高の変化が著しいのも特徴で、南部のゴビ砂漠での標高800m程度から山岳地帯では3000mを超える標高に至ることもあり、参加車両のセッティングに影響を及ぼすことが多い。加えて気温の変動も著しく、ゴビ砂漠では50℃近くになることもあれば、山岳地帯では朝晩は10℃近くまで低下することもしばしばである。 基本的なルート設定は、スタート地点とゴール地点が異なるように配されるが、ラリーのオペレーションをしやすくするために、スタート地点とゴール地点を同一にするループ・コースとすることも多い。おおむね一大会に1日から2日はループ・コースが設定される。負傷者発生時の搬送やリタイア車両の大量発生、行方不明者の捜索、天候の急変などによるラリー後方支援部隊の混乱を吸収することが主な目的である。 一日のルートは通称ETAP(エタップ)と呼ばれ、「ETAP-1」・「ETAP-2」のように表す。また、大会によっては競技開始前日や競技期間中の一日をレスト・デイとして競技をおこなわず、参加者の準備作業や休息にあてることもある。 コースは基本的に一般の生活道を用いて構成され、そのほとんどが未舗装路である。一般的なダート・ロードや水が流れた跡に生じたクリーク(溝)、砂漠地帯では砂丘の中を走破したり、山岳地帯では岩盤が剥き出しの路面や、大小の岩石がゴロゴロところがるような過酷な路面状況の時もある。また、天候によっては腰よりも深い川を何回も渡ることを強いられる時がある。他の国際ラリーのように、現地住民が居住する区域での速度計測などの規制を設けることは少なく、走行時の安全性の確保は競技参加者にゆだねられており、参加者の自主性を重んじるようになっている。 ゴールおよび翌日のスタート地点は通称「ビバーク」と呼ばれ、本部部隊が設営され食事の供給と車両の整備、宿泊をするようになっている。食事は主に日本から持参したレトルト食品が主体であり、まれに現地で放牧されている羊や牛を調達・調理する事もある。整備については、投光器とエア・コンプレッサ、ガス溶接機が用意される。また、廃オイルの回収もできる。宿泊は基本的に参加者が持参した装備(テント・寝袋)で行うこととなる。期間中1日から2日は観光客用宿泊施設(通称:ツーリスト・キャンプ、ほとんどがゲルまたはパオと呼ばれる現地式のフェルト布を用いた住居を利用)を利用することがある。 自然や環境には配慮し、モンゴル国の全面支援のもと、自然保護区や希少動物生息域はルートに含まないなどの配慮もされている。ホランと呼ばれる野生の馬の一種やゴビヒグマの生息域をルートからはずした経緯がある。
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