ラジオドラマ編
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千秋楽後、打ちひしがれる千代は、突然現れた栗子に京都の自宅へ招かれる。そこで幼い頃の仕打ちを謝罪し、体調が思わしく無い自身に代わり両親を失った孫の水野春子の面倒を見て欲しいと懇願された千代は激怒するが、春子と打ち解けたことと、栗子も幼い頃から小学校に行けない程の苦労をしたであろうと気づき、和解し一緒に暮らし始める。 1年後。前出の一平のスキャンダルが世間に知れ、新喜劇の活動に暗い影を落としていた。その頃、NHKでは人気芸人・花車当郎主演のラジオドラマ『お父さんはお人好し』の企画が上がり、当郎は相手役に千代を要望する。人知れず京都で暮らす千代の元に、番組スタッフ、当郎、脚本家の長澤誠が次々と出演交渉に訪れるが、離婚や最後の舞台での辛い経験で引退したことを理由に、千代は断り続ける。しかし、苦手を克服した春子の話が後押しとなり仕事を引き受け、密かに千代の女優活動を応援し続けていた栗子の思いを知り、女優を続ける決意を固める。放送開始後、千代は会う人々からドラマの役柄である「お母ちゃん」と呼ばれるほど番組は人気となり、特別1時間放送も決定。共演者同士ドラマ同様に家族のような関係を築いていく。そんな千代の様子に不安を抱いた栗子だったが、千代の口から春子と栗子は大切な家族、一生守る旨を聞き感涙する。特別放送は、長澤の入院というアクシデントを乗り越え成功。週間最高視聴率を記録し、千代に宛て沢山のファンレターが届く。程なく栗子が死去。千代は残された春子を養子に迎え、二人は親子となる。 千代が道頓堀を離れ2年経ち、長年の知り合いで劇場支配人の熊田が千代を訪ねる。定年退職を迎える彼から新喜劇への再出演を望まれた千代は躊躇しつつ、春子を連れて道頓堀へ帰る。そこで人々から暖かく迎えられて安堵し、一平夫婦と対面しても動揺しなくなったことを自覚し、春子に自身の喜劇を見せたい気持ちもあり1日限りの再出演を決める。迎えた本番、千代の復帰に人々は感動し、以前と変わらぬ一平との息の合った共演は会場を沸かせる。劇中に笑みを浮かべ「生きるっちゅうのは、ほんまにしんどうて、おもろいなあ」との台詞を言い終えた千代が客席に目を向けると、テルヲとサエとヨシヲが幻となって現れ拍手喝采を送る。更に、観客のお茶子時代世話になった人々やラジオドラマ関係者たちからも喝采を受けた千代は、目から一筋の涙が流れる。こうして舞台は大盛況で幕を閉じ、春子は千代の様に人々を元気にする看護婦になる夢を誓う。千代の新喜劇での様子を見た長澤は「お父さんはお人好し」の映画化と舞台化に向け動き出す。一平は劇団員とともに「これからも、ほんまもんの喜劇を作り続ける」と意気込む。そして朝の出勤前、笑顔で青空を見上げ「今日もええお天気や」と昔からの口癖を漏らした千代は、登校する春子と手を繋ぎ笑顔で歩き出すのであった。
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