モーターヘッドの歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 15:29 UTC 版)
「モーターヘッド (ファイブスター物語)」の記事における「モーターヘッドの歴史」の解説
MHの前身は、AD世紀に生み出された戦闘マシン「マシンメサイア」(マーシンメースとも)である。ファティマを必要としないコントロール体系をもち、現在の騎士をはるかに凌駕する強力な「純血の騎士」との完全シンクロにより、その戦闘力は後のMHを上回るものであった。また、黎明期には様々な形態・サイズの機体が試みられたが、パワーバランス等に最も優れているとして肩高15メートル前後の人型へと集約されている。 星団暦に入りMHへの変化を経て、この兵器は変わらずジョーカーの最強兵器として君臨したが、各種資源の枯渇や科学技術の後退と、騎士の血の拡散により、戦闘力の点で以前より劣ることは否めないものとなった上に生産それ自体が不可能となっていた。しかし星団暦2310年に開発された有機コンピュータ「ファティマ」により、MHの概念は新たな時代へと突入する。すなわち騎士がMHの操縦に専念することが可能になったことで、当時としては画期的な戦闘力の向上を得たのである。さらにしばらくすると、特定の騎士とファティマとの組み合わせの場合にMHの戦闘力が飛躍的に向上することも発見された。 MHは「領地争い」という当時の星団の戦術ニーズに合致し、数々の騎士がこれを駆って剣技を磨いた。MHは「MHを倒す兵器」として特化され、洗練されていった。この戦術ニーズにおいては、大量破壊をもたらす兵装よりも、効率よく敵MHを戦闘不能としうる騎体特性が求められた。バスター砲で破壊し尽くされ、生産力を失った土地に、当時の王たちは高いコストを払ってまで手に入れる価値を見出さなかったのである。 そんな中、3007年、A.K.D.光皇(皇帝)天照・ディス・グランド・グリース・エイダス・フォースが発表したMH群は星団中の失笑をかうものであった。火炎放射器(インフェルノ・ナパーム)を装備したレッド・ミラージュ、バスター砲を持つナイト・オブ・ゴールド、そして標準の3倍以上の巨大な騎体をもつヤクト・ミラージュなどの「ミラージュ・マシン」。これらの騎体は、明らかに破壊のみを目的としたものであり、当時の戦術理論では全く意味をなさない兵器群だったのである。 しかし3159年、天照の星団侵攻が始まると失笑は恐怖の叫びに変わる事になる。「MHとは一対一もしくは乱戦を行う物」というそれまでのMHの常識を完全に覆した「戦陣を組み集団戦で対MH戦を行う兵器群」であるミラージュMHは破壊と殺戮の限りを尽くし、遂には惑星カラミティ・ゴーダーズを消滅させる。一方、星団全体の資源は枯渇し、MHマイトの血筋は失われつつあった。人々は対抗するすべを持たず、星団はついに天照の手に落ちた。 のち、フィルモア・パルチザンをはじめとする勢力がA.K.D.を倒し、星団を解放する。しかしこのときも、両勢力ともに、兵器としては既存のMHを改良、あるいはそのまま使用したものがほとんどであった。 MHの技術はやがて完全に失われ、伝説化する。星団暦18000年代のジュノーでは、「緑色の悪魔」「火色の巨竜」といった童話中の比喩に、わずかな名残をとどめるのみであった。 [目次へ移動]
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