パーソンズとNCの発明とは? わかりやすく解説

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パーソンズとNCの発明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 05:39 UTC 版)

数値制御」の記事における「パーソンズとNCの発明」の解説

一般に数値制御発明者ジョン・T・パーソンズとされている。パーソンズは父の経営する機械工会社 Parsons Corp で働く機械工セールスマンだった。1942年パーソンズ以前 フォード トライモータ製造指揮していたビル・スタウトから「次のかいこと」はヘリコプター開発だと聞かされた。そこで彼はシコルスキー・エアクラフトに何か仕事注文はないか問い合わせ、すぐにローターブレード内の木製縦通材作る契約獲得した稼動ていない家具工場で生産できるよう設定し実際に製造してみたところ、その縦通材使ったブレード故障した問題は、縦通材金属カラーと金属製翼桁溶接部にあった。そこでパーソンズ縦通材翼桁接合接着剤使ってみてはどうかと提案した。これは航空機設計では誰も試したことのない方法だった。 この開発の過程パーソンズは、縦通材に木ではなく打ち抜き加工した金属使った方が作るのも簡単だ強度も増すのではないか考えようになったローター縦通材シコルスキー提供する設計図に従って製造しており、その設計図外形17の点で表していた。パーソンズはそれらの点を通る曲線雲形定規使って描き木製縦通材作る際の固定器具テンプレート使っていた。しかし、金属をその形状切り抜ける工作機械をどう作ったらいいのかは難し問題だった。パーソンズはライト・フィールドのプロペラ研究所回転部門指揮していたフランク・スチューレンを訪ねた。スチューレンはパーソンズ自分何を言っているのか実際に分かっていないと断定し、それを実現するためパーソンズは彼をその場雇った。スチューレンは1946年4月1日作業開始し、3人の技術者新たに雇った。 スチューレンにはCurtis Wright Propellerで働く兄弟がいて、技術計算パンチカードシステム使っていると聞いていた。スチューレンはローター応力計算にそのアイデア採用しヘリコプターのローターについて世界初詳細な自動計算行おうとした。パーソンズはスチューレンがパンチカードシステム使って作業しているのを見て、それを使って17点代わりに200点で外形生成し各点で使う切削工具半径考慮して切削中心点求めることができないかたずねたそうすれば従来よりも正確に切り出すことができ、硬い鉄鋼でも縦通材に使うことができるし、それをやすりで滑らかにするのも簡単だ考えたのである。スチューレンは何の問題もないと請け合い必要な膨大な数値求めた1人数値読み上げ、それにしたがって別の2人作業員X軸Y軸設定し切削工具をその点に移動させて切削行った。これを "by-the-numbers method"(数値による方式)と呼んだ。 そこでパーソンズは完全自動化した工作機械想像した十分な数の切削点が与えられれば、手動作業は全く不要になる。しかしその時点では数値にしたがって工具所定位置移動させるのは手動だったため、作業時間節約にはならなかった。工作機械パンチカードシステム数値直接入力できればそういった遅延人的誤差なくなり切削点数劇的に増やすことができると考えたそのような機械があれば、指示打ち込むだけで正確なテンプレート切り出し繰り返すことができる。しかし、パーソンズにはそのアイデア開発に移すだけの資金がなかった。 パーソンズ会社セールスマンがライト・フィールドを訪れたとき、新たに創設されアメリカ空軍ジェットエンジンについて問題抱えていると聞きつけた。そこでパーソンズロッキード社に赴き自動工作機械アイデア説明したが、興味持ってはくれなかった。ロッキードは既に5軸のテンプレートコピー機を使うと決めており、高価な切削機械注文済みだった。パーソンズはこれについて次のように述べている。 その状況をちょっと描いてみよう。ロッキードは翼を製作する機械設計という契約をしていた。その機械カッター動きを5軸で制御し、各軸はテンプレート使ってトレーサー制御される誰も私のテンプレート製作法使ったとがない不正確なテンプレートからどうして正確な翼形状を作れだろうかパーソンズ懸念現実となった1949年アメリカ空軍パーソンズがその自動機械製作するための資金提供することにした。Snyder Machine & Tool Corp共同行った初期の試みは、モーター直接駆動して制御する方式だったが、完全に平滑切断が可能となる精度達成できなかった。機械制御線形応答することはないため、同じ量の力を与えても常に同じ動きをするとは限らず結果としてどれだけ切削点を与えて正確な外形切り出すことはできなかった。

※この「パーソンズとNCの発明」の解説は、「数値制御」の解説の一部です。
「パーソンズとNCの発明」を含む「数値制御」の記事については、「数値制御」の概要を参照ください。

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