ハマース政府とイスラエルの対立
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「ガザ地区」の記事における「ハマース政府とイスラエルの対立」の解説
2008年1月9日に、アメリカ合衆国のジョージ・W・ブッシュ大統領のイスラエル及びパレスチナ歴訪を機に、ハマースはイスラエルへのロケット弾攻撃を行った。イスラエルは報復にガザ地区を完全封鎖し、国連の援助車両さえ閉め出された。1月15日には、イスラエル軍がガザ市街地に侵攻。連日空襲を行っている。1月20日には封鎖により燃料が底を突き、ガザ地区唯一の発電所が操業を停止した。この結果、パレスチナの電力の1/3(イスラエル側の主張によれば、1/4)が供給されなくなった。 2008年1月23日、エジプトとの国境の町ラファハで検問所近くの壁が爆破され、ガザ住民がエジプト側に流入した。その後も流入は続いており、不足している食糧や燃料を買い求めてガザへ戻る人々が列をなした。エジプト側は、当初は住民への同情もあり、非武装である限り容認した。1月25日に規制を始め、ハマースの同意を得た上で、2月3日に再封鎖された。これは、買い出しの時間的猶予を与えたための措置である。 イスラエルは2月27日より、ハマース側のロケット弾により犠牲者が出たことへの報復として(ただし、ロケット弾攻撃自体は、イスラエルの空襲で、ハマース側に5人の犠牲者が出たことによる)、空襲を激化させ、さらに3月1日には地上部隊を侵攻させた。2月27日より、地上部隊を引き揚げた3月3日までの6日間だけで、パレスチナ側は110人以上、イスラエル側は3人の犠牲者が出ている。イスラエルのバラク国防相は3月2日、「ハマースは対価を払うことになる」と述べ、攻撃を続ける意向を示した。報道によれば、空襲ではサッカーをしていた10~15歳の少年4人など、未成年者の犠牲者が相次いでおり、イスラエルの無差別攻撃も指摘されている。また、エジプトは負傷者の手当のため、一時的に検問所を開いて往来を認める措置を取った。 3月6日、アムネスティ・インターナショナルのイギリス支部など、イギリスの8団体によれば、人口150万のうち80%が食料援助に依存。2006年の63%より悪化し、失業率は40%に達するなど、人道状況が1967年の占領開始後で最悪になったとする報告書を発表した。2009年1月4日の早朝にイスラエル軍が侵攻を開始した。 詳細は「ガザ侵攻 (2009年)」を参照 2011年2月18日、ガザ発電所のディラール・アブ・シシ副社長がウクライナ滞在中に、イスラエルによって誘拐され、イスラエル国内に拘禁された。シシはウクライナへの移住を予定していた。イスラエル側は、ハマースの武器製造に貢献したことを逮捕の被疑として挙げたが、シシの妻はハマースとは無関係であると主張している。また、シシが発電機をイスラエルからの輸入が必要な高品質ディーゼルエンジン燃料専用機から、エジプトからの輸入でまかなえる通常のディーゼル燃料対応に改良したことが、イスラエル側に睨まれたとする報道もある。イスラエルの行為はウクライナの主権侵害であり、国際法違反であるが、問題にされることはなかった。 2014年7月7日にはハマス側がイスラエルに対してロケット弾攻撃を開始、イスラエル側も密輸用のトンネルなどの施設を目標に空爆を開始して大規模な武力衝突に発展した。 詳細は「ガザ侵攻 (2014年)」を参照 2018年3月30日 - イスラエルとの境界線付近で行われた数万人規模のデモ隊の一部とイスラエル兵が衝突。催涙弾や実弾によりパレスチナ人15人が死亡、1400人余りが負傷。 2018年5月14日、アメリカ合衆国が駐イスラエル大使館を公式にエルサレムに移転した。これを受けてガザ地区とイスラエルの国境沿いでパレスチナ市民がデモを行い、イスラエル軍の狙撃手が非武装のパレスチナ市民61人を殺害した。2018年3月30日から5月19日現在までに、イスラエルとの国境において、118人のパレスチナ非武装市民がイスラエル軍により殺害されている。 2021年5月10日以降、ハマースとイスラエルの攻撃の応酬が激化。同月13日までにハマースが1600発以上のロケット弾を発射する一方、イスラエル側も600回以上の空爆で報復した。同日までにガザ地区の死者は100人を超えた。
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