ノルウェーからイギリスへとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ノルウェーからイギリスへの意味・解説 

ノルウェーからイギリスへ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 20:24 UTC 版)

クルト・シュヴィッタース」の記事における「ノルウェーからイギリスへ」の解説

ナチス政権握った1933年以降ドイツの政治情勢シュヴィッタースにとって悪化する一方だった。1934年にはハノーファー市とのタイポグラフィー契約失い1935年にはドイツ国内美術館収蔵されていた彼の作品没収された上ナチス支持者らによる展覧会さらし者にされた。1936年8月には親友クリストフルイーズのシュペンゲマン夫妻およびその息子ヴァルターゲシュタポ逮捕されシュヴィッタース身辺危機迫った1937年1月2日ゲシュタポから「話を訊きたい」と求められシュヴィッタースハノーファー脱出し1936年12月26日ドイツ出てノルウェー行った息子エルンストのもとに合流した。妻ヘルマハノーファーにある家屋4軒の管理のためにハノーファー残った1937年7月には彼のメルツ絵画多数押収されミュンヘン宣伝省主催した退廃芸術展」で大衆目の前に晒されシュヴィッタースドイツ帰還はますます困難になった。第二次世界大戦勃発するまでの間、妻ヘルマノルウェークルトのもとで年に数ヶ月滞在している。母ヘンリエッテの80歳の誕生日と息エルンスト婚約を祝う祝賀会1939年6月2日オスロ行われたが、これがシュヴィッタース夫妻が共に過ごした最後機会になったシュヴィッタースオスロ近郊のリサーカーの家での亡命生活の間、1937年から再度自宅メルツバウ改造する作業着手したが、1940年ドイツ北欧侵攻に伴いこれを制作途中で放棄した1951年火災失われ現存しない)。ノルウェー西北部モルデ近郊の島に所有する小屋改造されたが、後の人々著作にはこれもメルツバウ一種とする記述もある。この建物1940年放棄され半ば朽ちた状態で残っている。 ノルウェー北部ロフォーテン諸島での短期間避難所生活の後、ノルウェー北部にもドイツ軍迫った1940年6月半ばシュヴィッタース息子と共に砕氷船フリチョフ・ナンセン号でスコットランドへ亡命したイギリスにおいて敵国であったシュヴィッターススコットランドイングランド各地収容所転々とし、最後にマン島のダグラス・キャンプで1年半過ごした。この収容所で彼はメルツ・リサイタルを定期的に開催し、「沈黙パフォーマンス」や最初の英語による詩の朗読などを行っている。しかし収容所の他の芸術家からはある意味哀れで場違いな人物と見られていた。 1941年4月収容所から妻ヘルマ宛てて書かれ手紙では次のように述べられている。 わたしはここの最後芸術家となった他人はみな自由になった。しかしどのみち同じことだ。もしここにとどまれば、わたしは自分のこと時間使える。もし釈放されれば、わたしは自由を楽しめる。もしどうにか合衆国へ去ることができれば、わたしは彼の地にとどまるだろう。きみはどこにいようと、きみ自身の楽しみを見つければよい。 アメリカ美術大学ロードアイランド・スクール・オブ・デザインのアレクサンダー・ドーナー(Alexander Dorner)からの招待状受理したシュヴィッタース1941年11月21日についに釈放された。彼は大戦ロンドンとどまった。妻ヘルマ1944年10月29日にがんで没しクルトはその知らせ12月受け取った同時にメルツバウ空襲焼失したことを知らされた。息子ノルウェー戻った後、シュヴィッタース新たな伴侶イーディス・トーマスとともに1945年6月27日ロンドン離れ湖水地方へと向かった1947年8月最後メルツバウ(「メルツバーン」、Merzbarn、メルツ納屋)の制作取り掛かった当初ハノーファーにあったオリジナルメルツバウ再建意図していたニューヨーク近代美術館承認得て、メルツバーンの壁の一つが現在、ニューカッスル・アポン・タインニューカッスル大学美術館ハットン・ギャラリーに展示されている。納屋自体湖水地方アンブルサイド近くのエルターウォーターに現存しており、ハットン・ギャラリーに展示されている壁のデジタル・レプリカの展示を行う「クルト・シュヴィッタース研究センター」へと改造されようとしている。

※この「ノルウェーからイギリスへ」の解説は、「クルト・シュヴィッタース」の解説の一部です。
「ノルウェーからイギリスへ」を含む「クルト・シュヴィッタース」の記事については、「クルト・シュヴィッタース」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ノルウェーからイギリスへ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ノルウェーからイギリスへ」の関連用語

ノルウェーからイギリスへのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ノルウェーからイギリスへのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのクルト・シュヴィッタース (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS