ニトロセルロース
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ニトロセルロース(英: nitrocellulose)は、硝酸繊維素、硝化綿ともいい、セルロースを硝酸と硫酸との混酸で処理して得られるセルロースの硝酸エステルである。白色または淡黄色の綿状物質で、着火すると激しく燃焼する。
- ^ 代表的な製品としては「セメダインC」ことセメダイン321がある。製品安全データシートによれば、基剤としてニトロセルロースを10%~20%・溶剤としてアセトンを40%~50%含む。残りの50%~30%はその他の添加基剤・溶剤である。
- ^ アメリカ合衆国特許第 610,861号
- ^ “Nitrate Film: If It Hasn’t Gone Away, It’s Still Here!”. Pro-Tek Vaults. 2016年3月11日閲覧。
- ^ 可燃性フィルムを所有していませんか?
- 1 ニトロセルロースとは
- 2 ニトロセルロースの概要
- 3 製造法
- 4 事故
ナイトレートフィルム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 17:47 UTC 版)
「1937年フォックス保管庫火災」の記事における「ナイトレートフィルム」の解説
初期の映画産業では、主にニトロセルロース製のフィルムを使用していた。これは一般的に「ナイトレートフィルム」と呼ばれている。このフィルムは可燃性で、燃えると自分で酸素を発生させる。この火は急速に燃え上がり、水中でも燃えてしまうため消火できない。また、ニトロセルロースは熱分解や加水分解を起こし、高温や水分の存在下で時間をかけて分解していく。この崩壊したフィルムストックからは窒素酸化物が放出され、それ自体が崩壊を助長し、破損したフィルムを燃えやすくする。ナイトレートフィルムは、条件によっては自然発火することもある。初期のフィルムには製造上のばらつきがあることもあり、自然発火に必要な条件はかなり不確かである。38℃以上の温度が続くこと、ナイトレートフィルムが大量にあること、湿度の上昇、換気の悪さ、フィルムの劣化などが危険因子とされている。このようなフィルムアーカイブでの火災の多くは、夏の熱波の中で、換気が制限された閉鎖的な施設で発生しており、これらの要素がいくつか重なっている。特に狭い場所では、このような火災は爆発を引き起こす可能性がある。 過去には大規模で危険な火災が発生することもあった。1897年5月4日、パリのバザール・ド・ラ・シャリテでは、リュミエール兄弟の技術により投影された動画を鑑賞できる部屋において、映写技師の装置から出火。火災に加え群集のパニックもあり126人が死亡した。さらに、200人以上の人々が火災で負傷した。アメリカでは、一連の火災が産業施設で相次いだ。1914年6月13日にはフィラデルフィアのルービン社の保管庫が爆発し、12月9日にはニュージャージー州ウェストオレンジにあるトーマス・エジソンの研究所が火災に見舞われた。1915年9月にはFamous Players Film Companyのニューヨークのスタジオが焼失し、1920年7月には、Famous Playersの後継会社であるFamous Players-Laskyの出荷施設がミズーリ州カンザスシティの火災で焼失したが、施設はそのリスクを最小限にするために建設されていた。同じくカンザスシティにあるUnited Film Ad Serviceの保管庫が1928年8月4日に焼失し、その9日後にはパテ・エクスチェンジで火災が発生した。1929年10月にはConsolidated Film Industriesの施設が火災で大きな被害を受けた。これらの火災で自然発火が起こったことは証明されておらず、1933年の研究でナイトレートフィルムが自己発火するのに必要な温度が過大評価されていたことが判明するまでは、その可能性を認識していなかったのかもしれない。
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ナイトレートフィルム
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「ニトロセルロース」の記事における「ナイトレートフィルム」の解説
1887年5月2日にハンニバル・グッドウィンが、ニトロセルロースを使用した映像用フィルムの製造方法の特許を申請後、ナイトレートフィルムと呼ばれる映像用フィルムに使用されていた。しかし、このフィルムは自然発火し、度重なる火災、多くの犠牲者、歴史的な映画フィルムの焼失が幾度も発生した。そのためX線写真用フィルムは1930年代から、映画用フィルムは1948年から安全フィルムに置き換わった。ナイトレートフィルムを上映するには防火設備などが求められるため、上映できる劇場はジョージ・イーストマン博物館(英語版)など数少ない。
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