公開と再発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 08:26 UTC 版)
「リチャード三世 (1912年の映画)」の記事における「公開と再発見」の解説
この映画がアメリカ合衆国で公開されたとき、主演したフレデリック・ウォードはしばしば上映の場に現れて、簡単な講演を行ない、当時「アクト(幕)」と称されていたフィルムのリールを交換する合間には、この劇からの抜粋を朗読するなどした。映画も、冒頭で現代の服装をしたウォードが、劇場の幕の背後から現れて挨拶し、最後も彼が挨拶して幕の背後に引き下がって終わるようにできていた。もともと旅芸人であったウォードは、映画とともに一人で身軽に旅興行する方が、一座を組んで各地で演技するよりも経済的なことを発見していた。この映画には、『ヘンリー六世 第3部』から組み込まれた場面も、エドワード王子の殺害と、リチャードによるヘンリー6世の殺害の2つがあった。 この作品は、アメリカ合衆国で制作されたものとしては現存する最古のフィーチャー映画であり、また、シェイクスピア作品に基づく最初のフィーチャー映画であったと考えられている。1922年の時点で、この映画は既に失われた映画だとされていた。その後、1996年にプリントが発見され、オレゴン州ポートランドのブルーバード劇場 (the Bluebird Theatre) の元映写技師ウィリアム・バッファム (William Buffum) が、コピーをアメリカン・フィルム・インスティチュート (AFI) に寄贈した。AFIは、このニトロセルロース製のフィルム(ナイトレートフィルム)のプリントから、新たなプリントを起こし、手彩色(英語版)の技法を用いて1912年の公開当時の効果を再現した。 2001年6月26日、キノ・インターナショナル(英語版)は、この映画をDVDでリリースし、新たにエンニオ・モリコーネが制作した音楽が付き、さらに17分のドキュメンタリー『Rediscovering Richard: Looking Back on a Forgotten Classic』が付録とされた。
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