公開と修復
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 01:43 UTC 版)
「メトロポリス (1927年の映画)」の記事における「公開と修復」の解説
1926年に完成したオリジナル作品は大長編映画だが、完成後すぐアメリカのパラマウント映画に持ち込まれ、興行的な理由と「共産主義的な傾向を本質的に持っている字幕があった」という政治的な理由により、ラングの許諾無しに徹底的にカットされ、継ぎはぎの編集が為されたコンパクトなアメリカン・バージョンとして公開された。 1927年にオリジナル全長版をプレミア公開したドイツのウーファも、結局はアメリカ編集バージョンに追従した。上映回数を増やし利益を上げるためであったが、それでも莫大な制作費を回収することができず、倒産するに至った。そうした混乱のため、上映時間は世界中で様々なバージョンが存在した。 その後、第二次世界大戦の混乱などでオリジナルフィルムは世界各地に散らばり、フィルムが現存するかどうかも定かではないためオリジナルの完全版を観ることは不可能とされた。 1984年には、ジョルジオ・モロダーのプロデュースによる再編集版が世界各地で公開された(後述)。 2002年には、新たに発見されたフィルムを再編集した123分バージョンの作品が発表された。 2008年7月、ブエノスアイレスの映画博物館Museo del Cineにて、それまで失われたとされていたフッテージが発見された。16mmコピーで、状態は悪いものの完全版復元への期待が高まっていた。その後、発見された映像を加えた、150分バージョンが発表され、ソフト販売もされている(『2010年度版』)。 2012年現在、1927年版『メトロポリス』はパブリックドメインとして公開されているが、上記のような事情により様々な長さの版が存在しており(保存状態の事情もあり、画質も様々である)、見る際にはその事に留意する必要がある。
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