ドメイン構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 06:03 UTC 版)
ビトロネクチンは、3つのドメインからなる。 N末端側のソマトメジンBドメイン(アミノ酸残基番号1-39)。このドメインに線溶系の調節タンパク質であるPAI-1(Plasminogen activator inhibitor-1)に結合する。 ドメインを形成していないが、 N末端側から45 - 47番目のアミノ酸が有名な細胞接着のRGD配列(Arg-Gly-Asp、アミノ酸1文字表記でRGD)である。この部位が細胞表面のインテグリンαvβ3に結合し細胞接着を起こす。ただし、フィブロネクチンも同じRGD配列をもち、細胞表面のインテグリンに結合し細胞接着を起こすが、インテグリンの種類が異なる。 分子の中央(アミノ酸残基番号131-342)ドメイン。ヘモペキシン類似の繰り返し構造がある。コラーゲンやトロンビン‐セルピン(serpin、例:抗トロンビンIII)複合体の結合活性がある。なお、ヘモペキシンはヘム〈鉄化合物〉を結合しヘムの代謝を担う血液タンパク質である。 C末端側ドメイン(アミノ酸残基番号347-459)。この部分にヘパリン結合部位(アミノ酸残基番号348 - 379)がある。この部位は、RGD配列と同じくらい重要である。アミノ酸残基32個中14個が塩基性アミノ酸で、塩基性度が高く、プラスに帯電している。この部位がヘパリン(マイナスに帯電)と結合する。ヘパリン以外にも、インテグリン、オステオネクチン(osteonectin)、テネイシンなどと結合し、反応性の高い部位である。
※この「ドメイン構造」の解説は、「ビトロネクチン」の解説の一部です。
「ドメイン構造」を含む「ビトロネクチン」の記事については、「ビトロネクチン」の概要を参照ください。
ドメイン構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 17:04 UTC 版)
フィブロネクチンの階層構造の一部を再掲すると、「一次構造(翻訳後修飾の糖鎖付加) → モジュール構造 → ドメイン構造」だが、 モジュール構造の前にドメイン構造を理解した方がわかりやすいので、ドメイン構造を先に書く。 1980年頃、フィブロネクチンのヘパリン結合部位やコラーゲン結合部位が、フィブロネクチン分子の断片に担われていることがわかってきた。フィブロネクチン分子のプロテアーゼ処理で得た断片がヘパリンやコラーゲンに結合した。このことから、フィブロネクチン分子は、特定の結合部位(=ドメイン{)がじゅず玉のように直線的につながっている「フィブロネクチンのドメイン構造説」が有力になってきた。 1981年、スイスのエンゲル(Engel, J)がドイツのティンプル(Timpl, R)らと共同で、透過型電子顕微鏡のロータリーシャドウイング法で個々のフィブロネクチン分子を観察することに成功した。フィブロネクチン分子1つは、全体にVの形をとり、長さ約130 nmの糸で太さ2-3 nmだが、長軸に沿ってところどころ曲がっていた。 プロテアーゼ処理断片、電子顕微鏡像、断片の結合活性という別々の研究手法の結果は、どれも、フィブロネクチン分子はいくつかの構造的・機能的ドメインがじゅず玉のように直線的につながっていることを示していた。しかし、全体像がなかなかつかめなかった。米国の西海岸のワシントン大学・箱守仙一郎研究室の関口清俊がこの解析に貢献し、NIH・国立がん研究所・ケネス・ヤマダ研究室で林正男が、ヘパリン結合ドメインを皮切りに、未解決のドメインを解明し、全ドメイン構造を完成した。 フィブロネクチンのドメイン構造を、単量体のN末端からC末端に向けて説明する(図2)。 N末端側にフィブリン、ヘパリン、黄色ブドウ球菌、第XIII因子に結合する29 kDaのドメインがある。ここはフィブロネクチンの自己会合ドメインでもある。「会合(アセンブリー)ドメイン」とも呼ばれ、フィブロネクチンが自己会合するのに必要なドメインである。 次いで、コラーゲン(およびゼラチン)、組織トランスグルタミナーゼ (transglutaminase, TGase) に結合する43 kDaのドメインがある。 次に約20 kDaの自己会合ドメインがある。 さらに、細胞に結合する約100 kDaの細胞接着ドメインがある。 さらに、ヘパリン、シンデカン、フィビュリン-1(fibulin-1、フィブリンとは別の細胞外マトリックス分子)、レトロウイルス、ジペプチジル・ペプチダーゼIVに結合する約38 kDaまたは24 kDaのドメインがある。 そして、フィブリンに結合する約34 kDaのドメインがある。 最後にA鎖とB鎖を2個のシステインがS–S結合(ジスルフィド結合)を介して結ぶC末端の約5 kDaの部分となる。
※この「ドメイン構造」の解説は、「フィブロネクチン」の解説の一部です。
「ドメイン構造」を含む「フィブロネクチン」の記事については、「フィブロネクチン」の概要を参照ください。
ドメイン構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 21:22 UTC 版)
第VII因子、第IX因子、第X因子はすべて血液凝固に重要な役割を果たし、共通のドメイン構造を有する。第IX因子は4つのドメインから構成され、Glaドメイン、タンデムに並んだ2コピーのEGFドメイン、切断を触媒するC末端のトリプシン様ペプチダーゼドメインからなる。 N末端のEGFドメインは、少なくとも部分的には組織因子との結合を担うことが示されている。Wilkinsonらは、2番目のEGFドメインの88番から109番残基が血小板への結合と第X因子活性化複合体の組み立てを媒介すると結論付けている。 4つのドメイン全ての構造が解かれている。2つのEGFドメインとトリプシン様ドメインの構造はブタ由来のタンパク質で決定されている。Ca2+依存的なリン脂質結合を担うGlaドメインの構造もNMRによって決定されている。 いくつかの「超活性型」変異体の構造も解かれており、血液凝固カスケードの他のタンパク質による第IX因子活性化の性質が明らかにされている。
※この「ドメイン構造」の解説は、「第IX因子」の解説の一部です。
「ドメイン構造」を含む「第IX因子」の記事については、「第IX因子」の概要を参照ください。
ドメイン構造と同じ種類の言葉
Weblioに収録されているすべての辞書からドメイン構造を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- ドメイン構造のページへのリンク