ダイエットの分類例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 13:56 UTC 版)
方式やり方備考目的外の特徴的な影響例カロリー制限 炭水化物、タンパク質、脂肪全体の摂取量を減らす ドイツ人の内科医カール・フォン・ノールデン(Carl von Noorden)が1907年に英語で発表した『Metabolism and Practical Medicine』(『代謝と実践医療』)の第3章『Obesity』(『肥満』)にて、「消費する以上のエネルギーを摂取するから太るのだ」と唱えた。ノールデンのこの主張は、体重を制御する方法やダイエットについて伝授する人間が異口同音に言うようになった。 カロリー理論に基づくこの食事法には、体重増加を防ぐ効果も、疾患や病気を防ぐ効果も一切無い。 脂質制限 食べ物に含まれる脂肪分の摂取を減らす カロリー制限と同じ。 炭水化物制限 低糖質・中タンパク・高脂肪食 石器時代、狩猟採集生活を送っていた頃の人類が摂っていた食事。動物の肉・魚・卵・ナッツといった、タンパク質と脂肪が豊富なものを中心に食べ、炭水化物の摂取量は極めて少ない。農耕を開始し、穀物を食べ始めるようになるまで、人類はこのような食事を摂っていたと考えられている。制限するのは炭水化物のみであり、摂取カロリーは一切制限しない。トランス脂肪酸は避ける。 脂肪の摂取量が少なかったり、炭水化物の摂取量を増やすと、体調不良に陥る。 ケトジェニック・ダイエット 極度の低糖質・低タンパク・極度の高脂肪な食事 1920年代前半、メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)の医師ラッセル・ワイルダー(Russell Wilder)が開発した食事法。元々は癲癇を治療するために開発し、患者に処方した。「ケトン食」「ケトジェニック療法」とも呼ばれる。砂糖、甘い果物全般、デンプンが豊富なもの全般を避け、各種ナッツ、生クリーム、バターの摂取を増やす。栄養素の構成比率は、「脂肪(4):タンパク質と炭水化物(1)」である。脂肪分が90%、タンパク質が6%で、炭水化物の摂取は可能な限り避ける。タンパク質の摂取量も制限する場合がある。トランス脂肪酸を避けるのは炭水化物制限食と同じ。 脂肪の摂取量が少なかったり、炭水化物の摂取量を増やすと、体調不良に陥る。 パレオ・ダイエット 旧石器時代を生きていたころの人類が取っていた食事動物の肉と脂肪を中心に食べる 1970年代、胃腸病専門医のウォルター・L・ヴォーグリン(Walter L. Voegtlin)が考案した食事法。「原始食」とも。「旧石器時代の食事に立ち返る」という理念に基づき、動物の肉、魚介類、鳥類、卵、脂肪、野菜、キノコ、昆虫、根菜、ナッツ類、果物、塩を食べる。穀物、豆類、芋類、小麦粉、砂糖、乳製品、加工油(トランス脂肪酸を含む)は食べない。この食事法を提唱した初期の頃のヴォーグリンは、牛乳を含めたすべての乳製品やマメ科の食べ物を食べることには反対していなかった。1975年に出版した著書『The Stone Age Diet』の付録では、肉、卵、魚、調理した収穫物、野菜、サヤインゲン、チーズ、サワークリームで構成された低糖質料理を奨めている。 農耕や牧畜に頼らず、原始的な食生活に近い形を送るのが前提となる。炭水化物制限食に似ているが、食べられないものも多く、慣れない者にとってはストレスに晒され、弊害を招く恐れがある。なお、現代の果物については何度となく品種改良が重ねられたことで、野生の果物に比べて果糖の含有量がより増しており、食べれば食べるほど太りやすくなっている点に注意する必要がある。
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