スキャンダルと議員辞職
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/15 02:27 UTC 版)
「マーク・フォーリー」の記事における「スキャンダルと議員辞職」の解説
2006年9月28日のABCニュースにおいて、フォーリーが2005年に自身のAOLの個人的なアカウントを使い、以前に下院議員付添人を務めていた十代の青年たちに対し、相手の写真を自分に送ってほしいと頼む内容その他のEメールや性的にきわどい内容のインスタントメッセージを送っていたという報道がなされた。フォーリーのオフィスはフォーリーがメールを送ったことを認めたが、それは元付添人が推薦状が欲しいと言ってきたためで、どの付添人かを特定してから推薦状を出すための習慣であると述べた。 翌9月29日、ABCニュースはついに「その他」と表現していた部分を明るみに出し、フォーリーのインスタントメッセージから性的にあからさまな部分を抜き出して報じた。インスタントメッセージには生殖器や性行為への言及が繰り返し行われていた。 トム・レイノルズ(en)下院議員のスタッフ責任者で、以前はフォーリーのスタッフ責任者を務めていたカーク・フォーダムは、自分は9月29日にABCの記者がニュースの発表前にフォーリーに対して問題の性的な内容のインスタントメッセージを突き付けたとき、フォーリーと一緒にいた、と発言している。このあと、フォーダムはレイノルズ下院議員および下院議長デニス・ハスタートを訪ねて共和党本部に赴いた。フォーダムは議員辞職届を持ってフォーリーのもとに戻り、フォーリーはこれにサインした。ハスタートとレイノルズはフォーリーに対し、議員を自ら辞職しなければ下院から追放されることになると伝えていた。同日、フォーリーはハスタートとフロリダ州知事ジェブ・ブッシュに対し、自らの議員辞職を伝えた。フォーリーは声明を出し、「きわめて遺憾であり、私は深く失望させてしまった自分の家族と、私を地域代表に選んでくれたフロリダの人々に対し謝罪する」と述べた。このニュース報道が広まるにつれて、フォーリーが下院議員のポストに返り咲ける可能性は低くなっていった。ハスタート下院議長は2009年10月2日の記者会見で、フォーリーがあのまま議席に留まろうとすれば、フォーリーを下院から追放するつもりであったことを明らかにした。仮にフォーリーが次の選挙で再び下院議員の地位を取り戻そうとしたとしても、民主党の対立候補であるティム・マホニー(en)に大敗を喫した可能性が高い。 やがて、過去10年間にはもっと多くの議員付添人の青年たちがフォーリーと不適切な接触を持っていたことが明るみに出た。フォーリーはすでに2005年に、同じ共和党の下院議員や議会書記官から、このことに関して警告されていた。フォーリーは弁護士を通じて、自分はペドフィリアではないし未成年とは「接触をもった」ことはないとの声明を出した。この声明はフォーリーが男子研修生たちと性的関係を結んでいないことを示したかったために出されたものであろうが、しかしフォーリーは研修生たちに対し挑発的かつ性的にあからさまなメッセージを送ったこと自体を否定したわけではなかった。また、フォーリーが彼からセクハラメールを送られた研修生たちに(公的にでも私的にでも)謝罪をしたのか、という疑問の声も上がり始めた。フォーリーは、自分はアルコール依存症を抱えており、問題のメールのやりとりは中毒による譫妄状態のときに行ったものである、と説明した。依存症であることを示すため、フォーリーは2009年10月2日にアルコール中毒更生施設(en)に入った。フォーリーの弁護士はまた、彼が13歳から15歳まで聖職者から性的虐待を受けていたことを明らかにし、さらに「マーク・フォーリーは彼がゲイであるということを皆さんに知ってほしいと思っている」とも述べた。連邦政府は、フォーリーの性的なメールは彼自身が成立に尽力したものを含むいくつかの法律に抵触している可能性があり、刑事告訴もあり得るとの見解を示した。 共和党指導部に対しても、早期からの警告に対するずさんな対応や、問題発覚後の言動に矛盾があったことに対し多くの人々から批判が寄せられた。特に、「ワシントン・タイムズ」紙の論説委員をはじめとする保守系の人々の多くが、下院議長ハスタートの引責辞任を求めていた。 2006年10月19日、「サラトガ・ヘラルド・トリビューン」紙において、ある神父がフロリダ州レイクワース(en)に住んでいた頃に自分の侍者を務めていた十代のフォーリーと性的関係があったことを明らかにした。この神父はすでに引退しており、マルタ島に暮らしていた。元神父はフォーリー少年と一緒に全裸でサウナに入ったり、「軽い触り合い」をしたことはあるが、明白な性交までは行わなかったと話した。 この暴露報道の結果、連邦捜査局(FBI)とフロリダ州法務局(en)が、刑事事件となる可能性があるとしてメッセージに関する捜査に乗り出した。しかしFBIも州法務局も事件に犯罪性はないと結論付けた。フロリダ州当局は、メールを送られた元付添人が18歳以上だったこともあり、「証拠不十分」としてフォーリーに対する捜査を打ち切った。フロリダ州法務局局長ジェラルド・ベイリーは捜査の打ち切りを発表した際、「法務局は可能な限りの広範囲におよぶ徹底した調査のうえで、フォーリー下院議員を告訴すべき理由はないと判断した」と述べた 。下院倫理委員会(en)も、フォーリーの品行に関する情報を逸早く入手したい共和党指導層とそのスタッフたちの求めに応じ、調査を行っている。
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