CPR
「CPR」とは、心肺蘇生法のことを意味する英語の略語表現である。
「CPR」とは・「CPR」の意味
CPRとはCardio Pulmonary Resuscitationの頭文字をとった略語で、心肺蘇生法と訳される。呼吸が無く心臓が動いていないと見られる人に対し、本格的医療が受けられる前に行う生命維持のための補助方法のことである。CPRの指針で重要とされるのが心臓マッサージであり、余裕があれば気道の確保と(訓練を受けていれば)人口呼吸を行う。CPRには特殊な器具や医薬品を用いずに行うBLS(Basic Life Supportの略語で一次救命処置のこと)と、BLSでは心肺の再開が難しい場合に行うALS(Advanced Life Supportの略語で二次救命処置のこと)のふたつがある。ALSは救急車内や病院などで救急救命士や医師が気管挿入・高濃度酸素・薬剤投与などの高度医療を処置して、脳への酸素供給を維持するのが目的だ。脳には酸素を蓄えておく能力がないため、呼吸が止まってから4分から6分もすると脳に酸素が行き渡らなくなる。そうなると、低酸素で脳がダメージを受けたり壊死が起こってしまい元には戻せなくなる。そのため、一刻も早く脳に酸素を送る必要があるのだ。心肺蘇生のために行う心臓マッサージとは、胸骨圧迫のことである。心停止した人の心臓のあたりを両手で圧迫して、血液が循環できるように促す方法だ。胸骨圧迫のやり方は、胸の真ん中辺りにある胸骨の下半分の位置に手のひらの付け根を当てて、その上からもう一方の手を重ねる。位置がずれないように重ねた指を組んでおき、圧迫するときは手のひら全体ではなく付け根の辺り(手掌基部)を使う。力が上手く伝わるように、肘を真っ直ぐに伸ばして垂直になるような姿勢をとる。圧迫するときの強さは、胸が5cmから6cmくらい沈む程度。1分間に100回から120回くらいの速さで胸骨圧迫を続け、テンポよく押す。30回を目安にして気道確保と人口呼吸をするまでが基本となる。想像以上に体力を消耗する行為なので、複数人で交代しながら処置を続けるのが望ましい。胸骨圧迫の中止基準は駆けつけた救急隊に引き継ぐ場合と、処置をした相手の呼吸が戻った・動き出した・声を上げたといった兆候が見られる場合である。よく観察して兆候が確認できなければ救急隊と交代するまで引き続き胸骨圧迫を続け、AEDがあれば必要に応じて併用する。
緊急時におけるCPRとは別に終末医療の現場では、DNRという言葉がある。Do Not Resuscitateの略語で、蘇生処置拒否という意味だ。病気や怪我で重篤な状態になった時にCPRを含む延命治療を施すが、その中でCPRを希望するか拒否するかを本人や家族と話し合い確認しておくことである。患者からDNRの指示があれば、主治医は診療記録に記載して他の医師や看護師と情報を共有できるようにする。DNRを選択しても、他の治療や看護などについてはこれまで通りに受けられる。
他にも医療用語にCPRがあるが、それはC-ペプチドの別名である。尿中CPR測定では、尿検査でC-ペプチドの量を調べて、検査値を尿中CPRの項目に表記する。尿中CPRの値は食事により増加したり1日の中で数値に変動があるため、一定期間分の尿(24時間程度)をためて測定しないと、その日に作られたインスリンの総量がわからない。糖尿病においては、CPR測定を行うことでインスリン依存症か非依存症かの鑑別ができる。
全く違う分野にもCPRがあり、広告業界の中でWebマーケティング用語として使われる。Cost Per Responseの略語で、顧客からのレスポンスを得るためにかかったコストのことを意味している。実際に売りたい商品やサービスだけを指すCPO(Cost Per Order)とは違い、商品やサービスそのものだけではなく、商品に対する問い合わせや配布したサンプルや試供品などもCPRに含まれている。
「CPR」の読み方
CPRはシーピーアールと読む。「CPR」の熟語・言い回し
血中CPRとは
血液検査で血液の中に含まれるC-ペプチド(CPR)の量を調べること。
シー‐ピー‐アール【CPR】
シー‐ピー‐アール【CPR】
読み方:しーぴーあーる
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