シリーズ中でのバルカン人(ヴァルカン人)の描写
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 03:45 UTC 版)
「バルカン人」の記事における「シリーズ中でのバルカン人(ヴァルカン人)の描写」の解説
ポンファーと呼ばれる7年毎の発情期があり、本来感情を抑制することを尊ぶヴァルカン人にとっては、自己嫌悪や屈辱的な気分に襲われることもあるようだが、それ以上に身を焦すような焦燥感を含む苦痛を味わい、生殖活動(精神的な接触も含まれるようだ)を行わないと、苦しみの内に死ぬ事もある。このため7歳の時に婚姻した相手と交わるか、船内娯楽設備のホロデッキと呼ばれるバーチャルリアリティで性的な葛藤を処理することになる(VOYのトゥヴォックは、妻に会えないのでポンファーの時期をホロデッキで過ごした。さらにトム・パリスやハリー・キムにポンファーの時にできた娘から年齢を計算されている)が、特定の異性に熱烈に迫る傾向が強過ぎて、ホロデッキで処理することができない場合もある。また、クナット・カリフィーと呼ばれる決闘でも発情を収めることができる(これは主に婚姻に異議のある者との配偶者を取り合う死闘である)。この期間のヴァルカン人は感情的で少々危険ですらある。なおこの期間が過ぎれば(多少の自己嫌悪は残るものの)元に戻る。 元来、ヴァルカン人は感情的な部分を強く持っており、非常に好戦的ですらあった。しかし哲学者スラクの提唱したイディック(Idic)という思想に基いて、テレパシーを用いた精神融合により感情をコントロールする術を学んだとされる。血気盛んな青年期には感情が暴走する傾向も強いため、このイディックを学ぶ事が必須とされ、論理を否定する者にはヴァルカン・マスターと呼ばれる長老的人物がイディックを教えることになる(VOYのトゥヴォックもこの経験がある)。また、高齢になるとベンダイ症候群という病気(一種の加齢による精神障害)等によって、感情の抑制が効かなくなることもある。 なお、このイディックに不信を抱き、ヴァルカン人と袂を別ったのが、後のロミュラン人とされている。 この生来の感情は、人類のそれよりも遥かに強烈な物で、新スタートレックのピカード艦長は惑星間平和調停の付いている最中の、ベンダイ症候群で感情の抑制が効かなく成り始めていたヴァルカン大使サレク(スポックの父)の感情を抑えるべく、イディックの真髄とも言える精神融合を行い、そのあまりに強烈な感情に翻弄され、危うく人格を破壊される寸前にまで追い込まれた。無事で済んだのはピカードが長年の訓練によって習得した自己抑制の結果であって、普通の人間なら、あまりの感情の強さに死に至る危険のある行為ですらあった。 自室でも瞑想(日本の座禅と考え方が近い)や、カルトーという一種のパズルなど論理的思考力を養うゲーム等をしている。また、精神融合をするにもこの瞑想をして精神をより研ぎ澄まさなければならない(精神融合が諸刃の剣のため)。バルカンの精神修養法は他種族も行うことができる。『スタートレック:ピカード』シーズン1第9話では、人工生命のスートラも精神融合を行っており、精神融合はバルカン人に限られた技ではないが、地球人に精神融合ができるかどうかの描写は無い。作品内で精神融合は精神修養の他、言語を持たない知的生命体との意思疎通や他者から情報を強制的に引き出す用途にも用いられている。精神修養の一環で武術を行うものも多く、トゥボックは弓術の達人でもあり、サレクは襲い掛かってきたテラライト人大使を苦も無く弾き飛ばした。 バルカン人の中には感情を開放すべき、または感情を抑制せずに論理との調和を求めるべきと考える者達も存在するが、彼らは多数のバルカン人から異端として扱われている。しかし、後にバルカンの精神修養で重要となる精神融合を古代の文献から再発見したのは彼ら異端派であった。 また逆に、バルカンの論理を守るために惑星連邦からの脱退を求める一派も存在する。
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