ショッカー怪人とは? わかりやすく解説

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ショッカー怪人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/17 13:15 UTC 版)

ショッカー怪人(ショッカーかいじん)とは、特撮テレビドラマシリーズ「仮面ライダーシリーズ」の作品に登場する架空のキャラクターの総称である。

概要

オリジナルは特撮テレビ番組『仮面ライダー』に登場。悪の秘密結社ショッカーの尖兵として悪事を働き、仮面ライダーと戦う悪役である。

従来の怪獣や異星人とは異なる「怪人」という概念を確立し、『仮面ライダー』の人気を支える要素の一つとなった[出典 1]

基本的に実在の生物・植物を人間と融合させた姿を持っており、「蜘蛛男」「キノコモルグ」「トリカブト」「ミミズ男」などモチーフとなった生物からネーミングされている[注釈 1]。仮面ライダー自身もショッカーに「バッタ男」として改造されて誕生したという経緯がある。実在の生物以外にも、古代生物(ザンブロンゾ、プラノドン)、架空の古代生物(ピラザウルス、ユニコルノス)、UMA(スノーマン)、無機物(ゴースター)、ミイラ(エジプタス[注釈 2])など、さまざまな素材による怪人も登場している[注釈 3]

各作品のショッカー怪人

初登場時点でショッカーの怪人とされた怪人(別作品のキャラクターが映画でのみショッカーの怪人と定義された例は含まない)。

テレビシリーズのショッカー怪人

『仮面ライダー』テレビシリーズの各話に新規怪人が登場する。

怪人たちは改造を受けてショッカーに忠実な操り人形となっているが、中には自ら望んで改造を受けた者も存在する。全世界の人間の全データがインプットされたショッカー・コンピュータによって主に必要に応じた優秀な人材や改造人間に適した素材を選出し、その中でも特に優秀な能力を持つ者だけが改造人間になると同時に、各支部と作戦の陣頭指揮を任される幹部格の栄誉を与えられる[10]

当初は知力や体力が並外れた人間が改造されていたが、後にそれらが特に優れているわけではない一般市民が改造された例もある[注釈 4]

放送当時の未登場怪人

怪人名 紹介した図鑑 テレビシリーズでの名称 出典
イソギンチャーゲル 『たのしい幼稚園新案カード 仮面ライダー図鑑』 [11]
どくバラおんな [11]
サメおとこ [12][13]
タコおとこ [12][13]
バッファローおとこ 『たのしい幼稚園新案カード 図鑑ぼくらの仮面ライダー』 [12][13]
きくおんな [12][13]
ファイアマン [12][13]
かっぱおとこ [出典 2]
くじゃくおんな [出典 2]
かかいじんモスキート モスキラス
いっかくじゅうおとこ ユニコルノス
テレビ本編以外の別メディア作品には登場した怪人
ワニ男
石森章太郎による初期の検討用デザインで描かれた[出典 3]
『たのしい幼稚園』1972年4月号掲載の漫画版に登場し[16]、『たのしい幼稚園新案カード 仮面ライダー図鑑』でも紹介された[12][13]
ヒドラーゲン
第4クール初期用に書かれたNG脚本「怪人ヒドラーゲン」[18]に登場する怪人。『たのしい幼稚園新案カード 仮面ライダー図鑑』で紹介された[出典 2]
後年、小説『S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER EDITION -仮面ライダー #99-』に登場した。
マクロファンガス
『たのしい幼稚園新案カード 仮面ライダー図鑑』で紹介された怪人[出典 2]
後年、小説『S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER EDITION -仮面ライダー #99-』に登場した。

後年の映像作品

なお、下記以外に、『仮面ライダーオーズ/OOO』(作中作として)・映画『仮面ライダー1号』・映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』・映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』にもショッカーは登場するが、オリジナル怪人の登場は無い。

ウルトラマンVS仮面ライダー
ショッカー怪人だけでなく、怪獣も登場。
  • 毒サソリ男
仮面ライダー THE FIRST
仮面ライダー THE NEXT
仮面ライダーV3』のキャラクターに該当するキャラクターも所属。
オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー
  • ショッカーグリード
スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号
dビデオスペシャル 仮面ライダー4号

漫画作品

石ノ森章太郎による漫画作品
週刊ぼくらマガジン』および『週刊少年マガジン』の怪人
『キミは仮面ライダーをみたか?!』の怪人
たのしい幼稚園』分の怪人
ディズニーランド』分の怪人
絵コンテ漫画『仮面ライダー』の怪人
  • 怪人X-05 かいじんエックス-オーファイブ
石川森彦の漫画作品
基本的にはテレビシリーズに近い設定となっている。クワガッタースカラベなどのオリジナル怪人も登場
『たのしい幼稚園』分の怪人
  • わにおとこ - 「たのしい幼稚園」昭和47年4月号掲載分に登場。
  • ドブネズラー - 「たのしい幼稚園」昭和47年5月号掲載分に登場。
  • ダイガー - 「たのしい幼稚園」昭和47年6月号掲載分に登場
  • タガメマン - 「たのしい幼稚園」昭和47年8月号掲載分に登場。
  • スカラベ - 「たのしい幼稚園」昭和47年9月号掲載分に登場。
  • しかおとこ - 「たのしい幼稚園」昭和47年10月号掲載分に登場。
  • バラランガ - 「たのしい幼稚園」昭和47年11月号掲載分に登場。
『別冊たのしい幼稚園』分の怪人
  • シーラカンス - 「別冊たのしい幼稚園」昭和47年9月号掲載分に登場。
『ディズニーランド』分の怪人
  • クワガッター - 「ディズニーランド」昭和47年7月号掲載分に登場。
  • サイギャング - 「ディズニーランド」昭和47年9月号掲載分に登場。
  • ギラーコオロギ - 「ディズニーランド」昭和47年10月号掲載分に登場。
  • アブゴメス - 「ディズニーランド」昭和47年11月号掲載分に登場。
  • イモリギャラン - 「ディズニーランド」昭和47年12月号掲載分に登場。
すがやみつるの漫画作品
『テレビマガジン』分の怪人
  • アリカバリ - 「テレビマガジン」昭和46年12月号掲載分に登場。
  • エイキング - 「テレビマガジン」昭和47年1月号掲載分に登場。
  • トドギラー - 「テレビマガジン」昭和47年2月号掲載分に登場。
  • イソギンチャック - 「テレビマガジン」昭和47年3月号掲載分に登場。
  • カメストーン - 「テレビマガジン」昭和47年4月号掲載分に登場。
  • ギリーラ - 「テレビマガジン」昭和47年5月号掲載分に登場。
  • うみへび男 - 「テレビマガジン」昭和47年6月号掲載分に登場。
  • カブトロング - 「テレビマガジン」昭和47年7月号掲載分に登場。
  • セミミンガ - 「テレビマガジン」昭和47年8月号掲載分に登場。
  • カミキリキッド -「テレビマガジン」昭和47年9月号掲載分に登場。
  • エレキボタル - 「テレビマガジン」昭和47年10月号掲載分に登場。
『冒険王』分の怪人
『別冊冒険王』分の怪人
  • テンペスト - 「別冊冒険王」昭和47年夏季号掲載分に登場。
細井雄二の漫画作品
おともだち』分の怪人
山田ゴロの漫画作品
テレビランド版
  • くも男 - 『テレビランド』1978年10月号付録掲載の「仮面ライダー誕生!!」に登場[20]
  • こうもり男 - 『テレビランド』1978年10月号付録掲載の「仮面ライダー誕生!!」に登場[21]
  • カブトロング - 『テレビランド』1978年10月号付録掲載の「仮面ライダー誕生!!」に登場[22]
  • ゲバコンドル - 『テレビランド』1978年11月号掲載の「戦えWライダー!!」に登場[23]
仮面ライダーSPIRITS』『新 仮面ライダーSPIRITS』
大コウモリ怪人 / ペトレスク神父
『仮面ライダーSPIRITS』第1話に登場。ショッカーの残党。
大コウモリ怪人による吸血人間
『仮面ライダーSPIRITS』第1話に登場。
ペトレスク神父(大コウモリ怪人)が教会の中で増やしていた吸血人間。スパイクなどが被害に遭った。
第二期強化改造人間
『新 仮面ライダーSPIRITS』第1話から始まる過去編に登場。ショッカーが作り出したショッカーライダー。
『お昼のショッカーさん』
STUDY優作のLINE漫画。基本的にはテレビシリーズのショッカー怪人が登場している(例外的にショッカーライダーやゲルショッカー戦闘員などのゲルショッカーのメンバーも登場)。
  • メカデビル - 第44話「ロボット」に登場。イカデビルが製作したロボット。用途などから怪人と呼べるかは不明な点も多いが、一応こちらに記載しておく。

小説作品

仮面ライダー1971-1973
  • 石渡昭 / 「蟷螂男」
  • 「蜘蛛男」
  • 「蝙蝠男」
  • 「人間カメレオン」
  • 「蜂女」
  • 里村新一 / 「モスキート」
  • 「カミキリ男」
  • 「ミミズ男」
  • 「コンドル男」
G素体
  • 浜岡正午 / 蟹=蝙蝠複合体
Dチーム
  • 「蟹男」
  • 「蛇男」
  • 「象亀男」
  • 「蝎男」
  • 「毒蜘蛛男」
  • 「蜥蜴男」
  • 「モグラ男」
  • 「サイ男」
S.I.C. HERO SAGA内作品
『MASKED RIDER EDITION -Missing Link-』
『MASKED RIDER EDITION -仮面ライダー #99- 』
  • ヒドラーゲン
  • マクロファンガス
仮面ライダーEVE-MASKED RIDER GAIA-
漫画版『仮面ライダー』の続編。ビッグマシンは、漫画版から引き続き登場。
  • 門脇純一郎 / ジェイド
  • カメレオン怪人
  • ネコ怪人
  • 蜻蛉の少年
  • ビッグマシン
  • カマキリ怪人
  • クモ怪人
  • コウモリ怪人
  • ワニ怪人
  • オオワシ怪人
  • カニ怪人

舞台作品

『仮面ライダー 戦闘員日記』『仮面ライダー 戦闘員日記2』
テレビシリーズと同名の個体も登場するが、同じ個体かは不明のため、こちらに記載する。
  • クモ男 - 『戦闘員日記』に登場。
  • サソリ男 - 『戦闘員日記』に登場。
  • ハチ女 - 『戦闘員日記』『戦闘員日記2』の両方に登場。
  • イカデビル - 『戦闘員日記2』に登場。

脚注

注釈

  1. ^ 毎日放送による『仮面ライダー』第3クール以降の企画案では、敵怪人が従来の怪獣と異なり動植物の特徴を持っていることが、当時の動物ブームに乗って番組の人気の一因になったものと分析している[5]
  2. ^ 劇中設定でのエジプタスは「火を吐く怪人」だった。4,000年前の改人を蘇らせたものと解釈する文献もある[6]
  3. ^ これは伝説上の生物や無機物からも怪人を開発できる死神博士の技術の高さとして解釈されているが[7]、実際には「怪人のモチーフになりそうな動植物のネタが尽きてきたから」と阿部征司が述べている[8][9]
  4. ^ 第55話のゴキブリ男。
  5. ^ a b c d e f g h i 作中で名前は呼ばれないため、便宜上の仮名称。ヤモゲラス・モグラング・ドクガンダー(成虫)・ナメクジラ・プラノドン・ハエ男はテレビシリーズと同じ姿をしているが、同一の能力かは不明。
  6. ^ テレビシリーズのジャガーマンとは容姿が異なる。

出典

  1. ^ 大全集 1986, p. 131, 「仮面ライダーは、こうして誕生した」.
  2. ^ 大研究 2007, pp. 26–27.
  3. ^ 仮面ライダー1971-1984 2014, p. 30.
  4. ^ 別冊宝島 2015, pp. 42-43、96.
  5. ^ 大全集 1986, p. 136, 「仮面ライダー[一文字ライダー]」.
  6. ^ 吉沢晃一・樹想社編著「第2章 怪人研究室 怪人コンセプト考察」、『仮面ライダー ショッカーの系譜』樹想社、2003年5月8日、ISBN 4-87777-049-6、124頁。
  7. ^ OFM 特1 2005, p. 9.
  8. ^ OFM Vol.2, p. 18.
  9. ^ 怪人大画報 2016, pp. 168–171, 「仮面ライダーを育てた三賢人II 運営の賢者 阿部征司」.
  10. ^ 大全 2000, p. 53, 「THE SUPER WEAPON OF SHOCKER 1」.
  11. ^ a b c 怪人大画報 2016, p. 60
  12. ^ a b c d e f g 大図鑑 5 1992, p. 94, 「怪人原案の宝庫・たの幼新案カード」
  13. ^ a b c d e f g 怪人列伝 2011, pp. 76–77, 「「新案カード」の素敵な怪人たち」
  14. ^ 大全集 1986, p. 135, 「仮面ライダー[本郷ライダー]」
  15. ^ 変身ヒーロー画集 2004, p. 53
  16. ^ a b 仮面ライダー1971-1984 2014, pp. 138–139, 「コミカライズ作品解説」
  17. ^ 怪人大画報 2016, pp. 50–61, 「『仮面ライダー』美術監督対談 三上陸男×高橋章
  18. ^ OFM Vol.2, p. 32, 杉田篤彦「匠たちの肖像 第7回 阿部征司プロデューサー」.
  19. ^ a b c d e f g h i j k l m n o OFM 特1 2005, pp. 34, 「コミック世界を彩った怪人たち」
  20. ^ 徳間書店文庫「仮面ライダー」1巻(「仮面ライダー誕生!!」1号・2号・V3・ライダーマン編) 原作・石ノ森章太郎 まんが・山田ゴロ ISBN 978-4-19-780501-3 の008ページにシルエットが登場。姿が登場するのは009ページから。名前が登場するのは、033ページ。
  21. ^ 徳間書店文庫「仮面ライダー」1巻(「仮面ライダー誕生!!」1号・2号・V3・ライダーマン編) 原作・石ノ森章太郎 まんが・山田ゴロ ISBN 978-4-19-780501-3 の029ページにシルエットが登場。姿が登場するのは030ページから。
  22. ^ 徳間書店文庫「仮面ライダー」1巻(「仮面ライダー誕生!!」1号・2号・V3・ライダーマン編) 原作・石ノ森章太郎 まんが・山田ゴロ ISBN 978-4-19-780501-3 の049ページから登場。名前が登場するのは、050ページから。
  23. ^ 徳間書店文庫「仮面ライダー」1巻(「仮面ライダー誕生!!」1号・2号・V3・ライダーマン編) 原作・石ノ森章太郎 まんが・山田ゴロ ISBN 978-4-19-780501-3 の088ページに名前とシルエットが登場。姿が登場するのは089ページから。

出典(リンク)

参考資料

  • 関連書籍
  • 特撮全般書籍
    • 全怪獣怪人』 下巻、勁文社、1990年11月30日。 ISBN 4-7669-1209-8。C0676。 
    • 怪獣VOW(宝島社)
      • 『怪獣VOW』監修 怪獣VOWプロジェクト、宝島社、1994年11月15日。 ISBN 4-7966-0880-X 
      • 『帰ってきた怪獣VOW』監修 怪獣VOWプロジェクト、宝島社、1995年8月15日。 ISBN 4-7966-0981-4 
    • 『宇宙船SPECIAL ’70年代特撮ヒーロー全集』監修 金田益実、朝日ソノラマ、1998年5月30日。 ISBN 4-257-03533-1 
  • 雑誌
    • 宇宙船朝日ソノラマ
      • 「天本英世インタビュー」『宇宙船』Vol.21、1984年12月1日、38 - 39頁。 
      • 平山亨「わがショッカーよ永遠なれ!」『宇宙船』Vol.30、1986年6月1日、29 - 33頁。 
    • 『仮面ライダーマガジン』講談社
      • 「テレビマガジンクラシックス 完全復刻『本郷猛のなぞとひみつ100』」『仮面ライダーマガジン』Spring '09、2009年4月27日、41 - 56頁、 ISBN 978-4-06-379345-1 
      • 「テレビマガジンクラシックス 完全復刻『ショッカー100のひみつ』」『仮面ライダーマガジン』Summer '09、2009年8月8日、41 - 56頁、 ISBN 978-4-06-379365-9 
    • 『週刊 仮面ライダー オフィシャルパーフェクトファイル』デアゴスティーニ・ジャパン
      • 『週刊 仮面ライダー オフィシャルパーフェクトファイル』1号、2014年10月21日。 
      • 「怪人図鑑 ブラック将軍」『週刊 仮面ライダー オフィシャルパーフェクトファイル』15号、2015年1月17日、SHEET 83-A。 
    • 『東映ヒーローMAX』VOLUME 53(2016 WINTER)、辰巳出版、2016年3月10日、 ISBN 978-4-7778-1651-4、雑誌コード:66117-07。 



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