ギャルゲーの歴史
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当初はPC-8800などゲーム機とは比べものにならないほど高価なパソコンがエロゲーをやる目的で使う高級玩具として扱われていた。それが多様化し『EMMYⅡ』等、18歳~22歳前後の女性キャラクターを口説く内容の人工知能ソフトへと変化して、アブノーマルなものは減っていき『アテナ』や『夢幻戦士ヴァリス』などアーケードでもギャルを主人公にしたゲームが増えた。 最初にギャルゲーと呼称されたゲームは、1986年発売の『夢幻戦士ヴァリス』(日本テレネット)と言われている。 ヴァリスと同時期には『アテナ』(SNK)や『マドゥーラの翼』(サン電子)を始め主人公のキャラクターを子供向けのゲームとしては露出度の高い衣装(いわゆるビキニアーマーなど)を纏っている少女に設定したアクションゲームが見られるが、これらの作品は主人公を男性やロボットなどに置き換えても基本的なゲーム性が変化しないと思われるものがほとんどで、難度を含めたゲームバランスの悪いものも多く、1980年代後半においては「ギャルゲー」は「少女キャラクターの可愛らしさに寄りかかった、クソゲーの一種」と認識されるケースが多かった。家庭用ゲーム機でもPCエンジンはCD-ROMを先駆けて採用した結果容量の制約から解放されCD-DAも使えるようになった結果、有名なアニメーターや声優を使ったキャラゲーが多数出るようになったが。しかし中にはオリジナルのキャラゲー、トップレスなどのヌード・セミヌードを取り入れたゲーム(Huカードソフトも含む)もあり、これらの一部が後にギャルゲーに分類されることになる。 1989年に、絶妙なゲームバランスを持った『ドラゴンナイト』によって再び盛り返した。ゲーム内容は主人公となって敵に捕らわれたギャルを助けていく、といったRPGの王道的設定のシナリオへと変化してきた。 「ギャルゲー」と言う単語のゲーム雑誌で確認されている最古の使用例は『ファミコン通信』1992年3月27日号の特集記事である。もっとも、この特集で取り上げられているのは『ヴァリス』を始め横スクロールのアクションゲームがメインであった。この特集とほぼ同時期にパソコンゲームでは『プリンセスメーカー』(ガイナックス)や『卒業 〜Graduation〜』(ジャパンホームビデオ)に代表される育成シミュレーションが登場している。 1992年、パソコンゲーム業界のギャルゲーは18禁とそれ以外に分けられ、ソフトメーカー側から規制基準が確立された。 1993年にはインタラクティブコミック作品『ゆみみみっくす』(ゲームアーツ)も登場した。パソコン用にアダルトゲームのCD-ROMが増加した。家庭用ゲーム機でもPCエンジンはギャルゲーを比較的多く発売している。これはCGと音声というギャルゲーにとって重要な要素を記録するのにCD-ROMが適していることが原因だった。1993年7月、パソコン版の同名タイトル「卒業グラデュエーション」がPCエンジンに移植作となりシミュレーションタイプをベースとした先駆者的な役割を果たし、他のゲームにも大きな影響を与えた。 1994年には、男性向け一般恋愛シミュレーションゲームの先駆けとなる『ときめきメモリアル』(コナミ)が発売される。この作品はは大きな話題を呼び、このジャンルが一定の地位を確立するきっかけとなった。これに伴い、魅力的な女性が登場するゲームは恋愛シミュレーションゲームが発売されるようになり、ギャルゲーという用語はこのジャンルのゲームを指すものとして用いられるようになった。 1994年末には第5世代機が発売されており、ゲームソフト市場に新規参入するメーカーが多数現れた。ギャルゲーの数が特に増えたのもこの時期で、多数のギャルゲーが発売されている。セガの『サクラ大戦』シリーズやパイオニアLDCの『NOëL』シリーズやNECインターチャネルの『センチメンタルグラフティ』などが代表とされる。1990年代半ば~後半にかけて、セガサターンでは『野々村病院の人々』や『EVE burst error』や『下級生』など、アダルトゲームの移植で20~30万本のヒットを生み出す作品が複数登場した。PlayStationではアダルトゲームの移植でセガサターンほどのヒットを飛ばす作品は少なかったが、上記記載の『NOëL』シリーズやアトリエシリーズややるドラシリーズや『トゥルー・ラブストーリー』が10万本を超えるヒットを記録した。 ギャルゲーは1990年代後半あたりにピークを迎え、その後もNECインターチャネルやKIDやヒューネックスなどのメーカーが家庭用ゲームオリジナル作品、アダルトゲームの移植問わずギャルゲーのリリースを継続して行っており、2000年前後のアダルトゲームの葉鍵ブームもあって一定の市場規模を維持していたが、PS3が発売され、NECインターチャネルがギャルゲーのリリースをやめ、KIDが倒産した2000年代後半あたりからアダルトゲームともども既存のギャルゲーは衰退しつつあり、それに代わって恋愛を舞台にせず、ジャンルもSLGやADVに属さないアニメ調の女性キャラを売りにしたゲーム(詳しくは概要欄参照)が台頭し、現在ではそちらの方が大きな盛り上がりを見せている。
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